鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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語り口、アニメーションともに非常に高い水準の作品だけど、レーティングをよく確認してからの鑑賞がおすすめの一作
「萌えキャラ化」したという猫娘を本作で初めて見た観客による感想です。
『ゲゲゲの鬼太郎』の前身的な作品『墓場鬼太郎』の前日譚に相当する設定となっている本作、キャラクター造形は現代アニメの画調ですが、背景や諸々の要素の描きこみは水木しげるの世界観を踏まえたもので、その美術的な質の高さもあって劇場で鑑賞する醍醐味を実感できました。
物語はかなり陰惨で、しかも後半に差し掛かるに従ってさらにその影が濃くなっていきます。いわゆる「鬱展開」な訳ですが、台詞による説明だけじゃなく直接的な残酷描写もちらほら。劇場内には結構小さな子供連れの観客が目立ちましたが、「この子ら大丈夫かな…」と途中から映画よりもそっちの方が気になりました。キャラクター造形が現代アニメーション的であることが、むしろ表現上のクッションになっていて、ちょっと救い…。PG12というレーティングも納得の作品なので、テレビアニメの『ゲゲゲの鬼太郎』を期待してお子さんを連れて行こうと考えている方は、ひとまずこのレーティング通りの内容である(場合によってはそれ以上)であることを含めて十分検討をおすすめします!
とはいえ横溝正史の小説を連想させるような旧家の跡目争いをめぐる人間同士の諍いと、そこに怪しい世界観が入り込む展開は非常に見応えがあり、また『墓場鬼太郎』第一話に丁寧につなげていくところにも巧みさが際立っています。アニメーション作品としての完成度は高いので、鬱展開を受け入れる心構えがあればぜひ鑑賞をおすすめ。
また劇場パンフレットは品薄のようなので、本作が気に入った上でパンフレットの在庫を見かけたならば、こちらも購入をおすすめ!
悪霊島
身勝手な一握りの人間の為に弱者が犠牲になっていくストーリー。
綺麗なアニメに騙される横溝正史風な展開でしたが筋はかなりおぞましい感じでした。
鬼太郎ファンに観てもらいたいゼロストーリーです。
オヤジさんカッコよすぎでした!!
行きつけの映画館での上映がなかった為、なかなか観に行けなかったのですが、やっと鑑賞できました。
R12だし、大人向けと聞いていたものの、オープニングで登場した鬼太郎と猫娘は第6期のデザイン。
あれ?最近のアニメのまま?とか思ったのも束の間・・・
舞台は昭和31年へと遡る。
水木が訪れた哭倉村では、当主の後継者争いが起こっていた。次々と謎の死を遂げる一族の人々。
まるで犬神家を観てるかのようで、これ鬼太郎だよね?と違和感を感じながらも、話が面白く物語に引き込まれる。
そして、「後の目玉おやじ」が登場してからがまた盛り上がる。
鬼太郎が好きで、少なくとも第3期以降は全て観てきている自分だけど、これ程おやじさんがカッコよく、これ程泣ける鬼太郎は初めてでした。
これはもう想像以上!!
ただの企画映画では無い。作品としてかなり完成度高いと思います。
このタイトルが発表された時には、おやじさんのあまりに原作と違いすぎるキャラクターデザインに戸惑い、まあ原作とは別物として楽しむか位にしか思っていなかったものの、しっかりと鬼太郎が産まれる原作エピソードへと、(少々強引さはあるものの)辻褄が合うようにシナリオを結びつけていた事に感心し、制作者サイドの鬼太郎への愛を感じましたね☺✨
ホントに素晴らしい作品でした!!
未だ余韻が残る程の感動でした!!
ただ、なかなかエグいシーンも出てくるので、お子様にはオススメしにくい作品ではありますね😅
お…もしろかった…のかな…???笑
テレビアニメで鬼太郎を見ていた人なら楽しめるのでは!!?という映画です!!!
ミリしらでもキャラ萌えは出来るかと!
導入部分がゆっくりでなかなかパッと惹き込まれるようなシーンが来ないので半分寝てました笑
鬼太郎のパパがそこはかとなくイケメンで戦闘シーンは格好良くてスピード感があります。作画も迫力があり綺麗でした!
戦闘シーン以外ではその独特の絵柄が気になることもありましたが概ね崩れず綺麗です。
ただストーリーは終始陰気で胸糞悪いしちょっとグロい描写もあるので見て楽しい〜〜〜⤴⤴って映画ではないです。
そもそも鬼太郎の世界観自体がどちらかというとダークなので当たり前と言えば当たり前ですけど!!!
それにしても鬼太郎のパパの声…関俊彦さんなの最高〜〜〜!!!
219 鬼太郎背高いな
思えば鬼太郎って白黒時代から観てるんだよねー
特に妖怪が意味もなく人間を餌食にしてしまうところなんか
完全にトラウマ。
第二シーズンもその流れは続いており
見なきゃいいのにわざわざ見て勘弁してよー、と。
三期以降はほとんど未見。
今回のおそらく元になっている鬼太郎誕生編も
原作では死産した母親を土葬したところから生まれてくるんですが...
そんな過去の背景から本作を見るに
ズレたところもなくジジイにも充分面白かったです。
できれば原作を憂慮して何故鬼太郎のオヤジが目玉なのかも
わかるように作ってくれればさらにプラスだったのですが
ホンがしっかりしていてそんなマイナスも気にならない出来でした。
60点
イオンシネマ草津 20231130
どこまでが水木先生のストーリーなんだろう
惜しい作品
まあまあ面白かった。
水木しげるの実人生を想起させつつ、それを「ゲゲゲの鬼太郎」の世界の誕生と繋げていくという試みは面白いと思う。それ自体は納得のいく発想。
しかし、戦争体験の意味がぜんぜん活きていない。
通りいっぺんの戦争描写(上官と部下の関係も含め)が逆に説得力を削いでいる。
そのため、説明の域を超えていない。
「ゴジラ-1.0」もその一つなのだが、このところの映画・テレビドラマに描かれる「戦争」のイメージがとても貧しくなってしまっている。
これは戦争を知らない、学んでいない世代の知的レベルに合わせているということなのか。
それとも製作陣が本気でこの程度のものだと思っているのか。
いずれにせよ、残念な点だった。
雰囲気いい。
噂に違わぬ良作
エンドロールで埋められる原作との差異
「魂が揺さぶられる」名作。“子ども向け妖怪バトルアニメ”と侮るなかれ。間違いなく今年のベストワン。
「犬神家〜」のような和風ミステリテイストのよさ然り、若き鬼太郎父と水木とのバディムービー然り、水木の人間的な成長然り、救われない人物の悲劇然り…。これだけのストーリーを盛り込みつつ冗長さを感じさせることなくまとめられている点が素晴らしい。
何より、原作者・水木しげる先生の戦争体験をベースに、弱者が虐げられる人間社会に立ち向かっていく姿勢が見事に描かれている。だからこそ、鬼太郎は弱い人間の味方なんだということに説得力を感じさせる。過去と現在の6期アニメを繋ぐだけでなく、本作と原作をきれいに繋いでみせているところはホントに泣ける…。
(最初は、「鬼太郎父、やけにカッコいいなぁ、原作だとミイラ男みたいだったのに」と思っていたのだが、なんとそれすらもエンドロールで謎が解けるフォローまでされているとは!)
救いは無い…でも面白い!
鬼太郎×犬神家かと思いきや『水木しげる漫画大全集』監修者との激熱コラボ映画だった!
予備知識なしで観に行って、ひっくり返った。
なんだよこれ、超★超★傑作じゃないか!!!
ヤバいぜ。今年の新作ナンバーワンかもしれん……。
(以下、パンフ売り切れ未入手の状態なので、的外れなこと書いてたらすみません)
開幕早々から、ふだんの鬼太郎とはまるで違う空気にビビる。
トンネル? 廃村? おいおいそれ『犬鳴村』じゃん(笑)。
過去篇が始まって、さらにびっくり。
たしかに水木は血液銀行の社員として出てくるのだが、なんだか自分の知っている「鬼太郎誕生秘話」(売血された「妙な血」の持ち主を探して水木が訪ねる話。いわゆる漫画版の第一話)とはまるで異なるストーリーラインらしい。
で、「哭倉村」編に入ってまたまた仰天。
なに? 今回の鬼太郎って、
『犬神家の一族』と『八つ墓村』のパスティーシュなのかよ!?
ちなみに、村のまんなかに湖があるのは『犬神家の一族』。
家の地下に鍾乳洞があって鎧武者が置かれてるのは『八つ墓村』。
『犬神家の一族』の原作では、犬神家は製糸業で成り上がった財閥だが、市川崑の映画版(76)では製薬会社に変更されており、隆盛の背後には戦争と麻薬製造があったことになっている。まさにそのあたりも本歌取りされているわけですね。
次々に起こる猟奇殺人。
跡目争いで醜く反目する家人たち。
三姉妹の設定や性豪の老人など、あちこちに『犬神家』の残滓がみられるが、変な神主が出てくるとか(『悪霊島』)病弱な子供が出てくるとか(『本陣殺人事件』)温泉場があるとか(『悪魔の手毬唄』)、全体に渡って「横溝リスペクト」の要素が散りばめられているのは見逃せない。
ヒロイン・沙代さんのキャラクターは、一見すると『犬神家の一族』の珠世さんを意識しているかのように見えるが、しきりに水木に東京へ連れ去ってくれるよう頼むあたりは『獄門島』の早苗さんにむしろ近いところがある。あとは詳細は避けるが『仮面舞踏会』の美沙さんとか。
ところが事件が進展するにつれて、お話は単なるミステリを超えた『陰陽師』や『幻魔大戦』のような様相を呈してくる。
まずは、ゲゲゲの鬼太郎のオヤジがついに村に登場。いよいよ物語に「妖怪」が絡んでくる(立ち位置はまさに「風来坊」に近く、金田一や椿三十郎のようなヒーロー感がある)。
一方、オヤジと敵対する村の連中は、しばらくすると「裏高野」か「根来衆」みたいな呪法集団としての本性を表わすことに(ふだんはうだつの上がらない農民や使用人が、揃いの仮面を装着した瞬間に「村の意志を遂行する禍々しい集団」に変貌するのは、『犬神の悪霊(たたり)』(78)とか『ウィッカーマン』(73)とか、大量の夜這いものの18禁コミックで散々観て来たクリシェだ)。
この両者のバトルが、キレッキレで、とにかくもう素晴らしいのだ。
なんだよ、鬼太郎映画のくせに、最高級の超能力アクションものになってるじゃないか。
この異次元妖怪バトルのなかで、意外と水木もしっかり戦えているのだが、それが「兵隊上がり」だからというのがまた良い。実際にラバウル戦線の生き残りである「戦争漫画家」としての水木しげるの一面をうまく拾って、作中の重要な要素として消化してみせている。
で、奮戦虚しく、捕われの奥さんの命を人質にとられて自らもつかまってしまうオヤジ。
地下の広大な「工場」で繰り広げられていた、龍賀家(このネーミングって、島田荘司の『龍臥亭事件』を思い出させるよね)の恐るべき秘密とは?
昔、『デイブレイカー』(10)っていうイーサン・ホークが出ているSFホラーがあって、ほぼほぼ同じネタをやっていたのを思い出す。まあ『デイブレイカー』が元ネタというよりは、「水木→血液銀行→血液製剤で財を成した龍賀家→何をつくってた?」という連想ゲームなのだろうけど。
その場でおもむろに始まる、謎解き。
その前に「狂骨」ってネーミングが出て来た時点で「ああああ!」と思ってたけど。
これ……、まんま京極夏彦じゃねえか!!
ていうか、それがやりたくてわざわざ見え透いた横溝正史パロから入ったんだな!
パッと見て、「ああ鬼太郎×京極夏彦だ」ってバレないようにするために!
なんて巧緻なミスディレクション(笑)。見事にひっかかってしまった。
この仕掛けの経緯は、きっと未読のパンフレットにも触れられているのだろうが、想像をたくましくすると、京極サイドから入知恵があったパターンもありうるし、逆に水木プロないしは東映アニメーション側からの気の利いた「御礼」という可能性もある。
なにせ、京極夏彦はあの114巻にのぼる『水木しげる漫画大全集』(2013~2019)の監修者であり、原稿集めから校訂、あとがきの執筆依頼まで、ほぼ手弁当で10年の歳月を捧げてくれた「鬼太郎」の大恩人なのだ(そのせいで新作が出なかったとのうわさも)。
ウソだと思うなら、ネットに転がってる「『水木しげる漫画大全集』制作秘話」を読んでみればいい。マジで頭が下がりますよ。
京極夏彦と「鬼太郎」の関係性はそれにとどまらない。僕は知らなかったのだが、調べてみると鬼太郎4期では自ら1話、脚本を書いているだけでなく、出演まで果たしているようだし(京極堂そのまんまの悪役が出て来るらしい)、本作の監督・古賀豪が2008年に監督した5期のラストを飾る『劇場版ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』(TVアニメ化40周年)でも脚本監修を務めている。間違いなく、京極夏彦はもはや水木しげるワールドの一部を成す存在であると言っていい。
こうして水木しげる生誕100周年記念の栄えある作品で、鬼太郎世界と京極堂世界がふたたびオーバーラップするのは、考えてみれば「当然の帰結」だったわけだ。
犯人当てに関しては比較的さらっとしたものだし、犯行方法も超常的な要素が強くてミステリ味は薄いものの、「水木には最初から見えていた」という話は、まさに京極夏彦の輝かしきデビュー作のネタを彷彿させるし、あらためて観直したわけじゃないけど、実は結構気を遣ったカメラワークになっているんじゃないだろうか?(要するに水木の一人称視点で沙代さんをあからさまにとらえたショットは敢えて避けて構成されているのでは?)
作中で水木が沙代に見せるとまどったしぐさや、困惑したような立ち居振る舞いも、ダブルミーニングになっていたわけで、観直してみるといろいろ気づかされることがありそう。
あと、沙代さんとお母さんの関係性と最期に引き起こされる大スペクタクルは、そのまんま『キャリー』(76)だよね。抑圧され、虐待され、性的に搾取されてきた少女が、怨念と憤怒と呪いを力学的エネルギーに換えて解き放つカタルシス。悪が虫けらのように踏みつぶされてゆく快感。まさに『キャリー』だ。
終幕に展開される、巨大な「霊樹」と封印というネタは、たとえばアニメでいえば『ロミオ×ジュリエット』とか『ケムリクサ』とか『Rewrite』とか、それこそ類例には事欠かないが、そこからまさか「鬼太郎のオヤジの身体が破壊される」ネタにつなげてくるとは思いもしなかった。
それでエンドロールに至って、何度目かの驚きに撃ち抜かれることに。
あああ、この話って、僕らがみんな知ってる「鬼太郎誕生秘話」の「前日譚」にあたる話だったのか!!!
別に好き放題、魔改造してたわけじゃなかったんだ。
いったん、ここで記憶がリセットされてから、ふたたびオヤジと水木は邂逅するってことなのか……いやあ、そりゃ胸アツすぎるぜ!!
あんだけ「血を抜く」という拷問によって酷い目にあった人間(人間じゃないけど)が、ふたたび「売血」に手を染めるというのは、ちょっとあり得ない気もするけど、逆に言うとそれは、記憶を喪った水木をふたたび呼び寄せて縁(えにし)を結ぶための「呪法」のようなものだったのかもしれない。この哀れな夫婦は、最後の最後は水木を頼るしか手がなかったわけだから。
こうして見てくると、「妖怪」「ホラー」「アクション」「ミステリ」といった界隈でやれる面白そうなことは、全部ひっくるめてぶちこんである、ほんとうに稀有な究極のエンタメ映画だったことがわかる。しかもその諸要素の按分、塩梅が驚くほどうまくいっている。要するに素材はありものやパロディでも、発想と組み合わせとバランスが抜群にいいのだ。
そのうえ、水木の兵役時代と、今まで知られている「鬼太郎誕生」のあいだにぴたっと収まる前日譚、という美しい構成。いや、マジ傑作です。
しかも、本作は『墓場鬼太郎』(2008)のダークで大人向けのテイストをベースにしつつも、『ゲゲゲの鬼太郎』(6期)の独自色――政治批評性と社会風刺性の部分を強く打ち出すことで、沢城版鬼太郎の「延長上」にあることをしっかり主張している(監督の古賀豪も脚本の吉野弘幸も、6期からの続投だ)。
TVシリーズに関しては、あまりに反権力・反保守のノリが逆にきつすぎて、僕は途中で観るのを辞めてしまったくちなのだが、今回の映画に関しては「巨悪」のふてぶてしい存在感と見苦しいほどの卑小さはインパクト絶大で、観ていてそこまで左翼くさい幼稚さは感じなかった。『ヘレディタリー/継承』(18)や『ゲット・アウト』(17)を思わせるラストのネタもなかなか見ごたえがあった。
腐属性の女性客にとっては、オヤジと水木がカップリングされたバリバリに濃密なブロマンスとしてもこたえられない内容だったろう。なにせ、『ジリオン』や『シュラト』で鳴らした関俊彦と、『テニプリ』『DTB』の木内秀信なんだから、そりゃあはかどるよね。ご飯三杯はいけそう。ちなみに木内秀信は、京極夏彦原作アニメの『魍魎の匣』(08)で関口をやってたのが、たぶん今回のキャスティングの決め手だったんじゃないかと思う。
主役ふたり以外の声優陣も、実力派をつぎ込んでいて本当に素晴らしかった。とくに皆口裕子と釘宮理恵の役どころは、意外ながらも妙にはまってて笑ってしまった。
ただ、キャスト表に「謎の少年」とある古川登志夫は、家に帰ってHPを初めて開けてみるまで一ミクロンも疑うことなく、「ただのねずみ男」だと思って観てました。あれはさすがに少年だとは思わなかったなあ……(笑)。
以下、ふと思ったことを箇条書きで列挙しておく。
●とにかくこの作品は、空間を埋める「大気」「空気」の表現が上手い。タバコの煙(昭和感)や湿潤な霧、靄、湯気。光と影。吹く風、飛ぶ虫。つねに「キャラ絵」と「背景絵」のあいだを埋めるなんらかの三次元的な情景演出がなされていて、おかげでつねに「臨場感」がある。
●鬼太郎のオヤジが鬼太郎に似ているのは遺伝子の必然として、ベタ惚れの奥さんがちょっと猫娘に似ていたのにはまあまあほっこりした。夫婦ふたりの生き生きとした風貌が、僕たちが鬼太郎誕生秘話で知る、包帯男と亡霊女のおぞましい風貌に変化する理由も一応しつらえてあって感心しきり。
●鬼太郎のオヤジが監視の目をかいくぐってまで、野湯に入りに行くのって、目玉のオヤジの風呂好きとひっかけてるのか。
●鬼太郎のチャンチャンコが誕生する瞬間は、結構ぐっときたし、猛烈にあがった。あれが「祖先の霊毛で編まれている」というのは鬼太郎界隈ではほぼ常識かと思うが、こうやって家族の一大事にグルグルポンで生み出されたってわけだ……なんて良いシーン! あと、リモコン下駄もパパ譲りなのね。
●鬼太郎のなかで「子供向け」の要素を担う「ゲゲゲの歌」(学校・試験・運動会)を敢えてかけない、流さないというのは見識だと思いながら観ていた。
●鬼太郎のオヤジって、元気だったときはあんなに黒目が小さかったのに、眼球だけになったら黒目でかくなるのなw
●「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎。「桜」は日本の象徴でもあるから、人々の犠牲の上に生き血をすすって、紅い華を咲かせて花吹雪を散らせてたって比喩でもあるのかもしれない。
●でも、東映がこうやって公開してしまった以上は、ガチでこれが「正史」ってことでよいんでしょうね。一応「横溝」つながりでしめてみました(笑)。
かわいいタッチのアニメとまあまあハードな内容のギャップ
墓場の鬼太郎誕生の新解釈?を面白く見ることができた。
前半は横溝正史風ミステリー(ほぼ犬神家の一族w)、後半から本来の妖怪退治という展開だが、アニメのタッチがあまりにも可愛すぎて怖さが激減してしまった。
そもそもどの層を狙っているのかよくわからなかったが、一応PG12という事を考えるともしかしたら実写の方が制作側が意図するおどろおどろしさみたいなものが伝わりやすかったのではないかと思った。
104分という尺だが、最後は漫画で一気に説明と言うのは水木先生へのリスペクトからなのかもしれないが、個人的には最後までアニメで完結してほしかったし、ちゃんちゃんこが出来た経緯などももう少し丁寧なストーリーにしても良かったのかなと思った。
人のカタチをした醜悪な強欲、と水木の歴史
どうせなら、もっと振り切って欲しかったです。
私が、鬼太郎に出会ったのは、もちろん子供の頃であり、家のテレビは白黒でした。
ゲゲゲの鬼太郎は、基本、人間の味方であり、そんなに怖くなかった。言ってみれば正義の味方です。少しは人生訓みたいな話が差し込まれていて、まあまあです。テレビの鬼太郎はそんなもんです。ちょっと人間を嫌っているそぶりをみせたりします。そんな鬼太郎でした。
ずっと後になって、墓場鬼太郎を知り、全く違う話だったことを理解します。
水木先生は、戦争に行き、手榴弾で片腕を失う。理不尽な軍隊の経験が一部、描かれていますが、表現が薄い。(私としては)
冒頭のおどろおどろしい感じは良かったのに、そのあと、怖くない。
あんまりにも手垢がついた表現。
鬼太郎を出しても良いが、墓場鬼太郎が良かったな。
大人向けのゲゲゲ
まず、こんな作品を作ってくださった制作スタッフの方々に感謝します。本当に映像が美しく、ストーリー共に魅入られました。
日本のアニメはやはり素晴らしい。
本作、ゲゲゲは大人向けに仕上がっていると思う。小さなお子様と一緒にと考えておられた親御さまには不評かもしれない。
冒頭から、最初思い出したのが「犬神家の一族」をはじめとする横溝正史の世界観だった。
気味悪いトンネルに、福岡県の心霊スポット
である旧犬鳴トンネルを思い出した。
そしてやはり胸糞悪い輩が、世界が登場するのは想像に難くない。まさに生きてる人間が一番怖い。私も人間ではあるが。
しかし、それを凌駕するのが、ゲゲ郎の真摯な愛だ。水木とのバディだ。
ゲゲ郎を演じるのが、映画館の宣伝で声を聴いて関俊彦さんと知ったときから、もともと観に行く予定だったが、更に楽しみだった。
最近では「鬼滅」の鬼舞辻無惨を演じておられるが、「YAWARA!」の松田記者や「仮面ライダー電王」のモモタロスみたいな熱血キャラから冷血な役まで幅広い声優さんだ。
静かな穏やかな、けれど燃えるような愛を持ったゲゲ郎を俊彦さんは見事に演じておられた。
関俊彦さん、素晴らしかった!!!
私の涙腺は、ゲゲ郎が妻を探すところあたりから崩壊してしまったのはいうまでもない。
「俺の相棒」のセリフで、鼻水と涙がダラダラになった。
ゲゲ郎と妻がもう一度一緒に暮らせなかったのが
本当に悔しくて切なくて。
目玉親父が鬼太郎と一緒にラストに出てきたのがちょっとだけほっこりさせてくれた。
親父はもうお茶碗風呂で、ゆっくり幸せに鬼太郎と過ごしてほしい。
鬼太郎は、親父を守り、時に人間に反吐が出そうになるかもしれないが、悪い妖怪とも戦って、
チャンチャンコ柄の蒲鉾にならないように頑張ってもらいたい。
幸せな明日を、未来を我が子に生きてほしくて戦ったゲゲ郎。
水木しげる先生が生きておられたら、今の世界の紛争をどう思っておられるだろうと思う。
もう一回は足を運んで、若き日の親父に会いに行きたいと思う。
目玉じゃない親父!
みなさんのレビューを見ていると意外に
大絶賛のレビューが多くて
なぜ意外かと言うと
たぶんこれ鬼太郎が大好きじゃない人にはなかなか受け入れづらいと思います
これ鬼太郎なの?
っていう印象を受けるんじゃないかと
鬼太郎大好きな人にとってはきっと
ものすごい良作なんだと思います
もちろん私も
いわゆる砂かけとかこなきとかいったんもめんとかは一切出てこないのでいつもの鬼太郎とは違いますけど
やっぱりこれ鬼太郎だわ
って話が進めば進むほど感じていました
私自身、鬼太郎にハマったのは30年も前で
久しぶりの鬼太郎となりましたが
おっさんになって初めて気付きました鬼太郎の魅力
人間の愚かさと
妖怪の優しさ
私はこれにずっと魅了されていたのだと気付かされました
いつもと違う鬼太郎でしたが
やっぱり鬼太郎は鬼太郎でした
水木先生亡き今、よくこんな良作を作ってくださいました
スタッフのみなさんありがとうございました
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