「なるほど!なるほど!」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 コータローさんの映画レビュー(感想・評価)
なるほど!なるほど!
年代的に考えると第2シリーズ?それとも第1シリーズの再放送でしょうか?『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメのオープニング映像と主題歌を見聞きするだけで泣いてしまい本編を観る気さえ起こらず、どうしてアニメなのにこんな怖いモノを作るんだろうと拒絶反応を起こしていた記憶があります。小学生になりアニメ本編を観てその面白さに気付き妖怪にも興味を持つと同時に水木しげる先生が戦争に出征され左腕を失われたことなどを知りました。
その水木先生の生誕100周年企画のひとつである本作、上映中より多方面から高評価を聞いていたため予告編など観ていたしチェックリストには入れてました。
結局、今日まで鑑賞を引っ張ることになってしまいましたが、お盆や終戦記念日にも近く結果的に良かったかなあと思っています。
冒頭から昔大好きだった横溝正史原作の映画感満載でワクワクさせられます。
鬼太郎の声をされていた野沢雅子さんが目玉おやじ役というのも時代の流れを感じますが、これはこれで味がありました。
精製方法は別にしても本作でいうところの「M」のような薬剤である「ヒ〇ポン」が戦時中や戦後に広く使われ大問題となった話は聞いたことがあるし、一部の特権階級が私利私欲に走った挙句、命を軽んじた事実はあったのだろうと思います。その象徴としての時貞は力の維持の仕方の気色悪さも手伝って相当憎たらしく描かれており、その反動で沙代ちゃんや時弥クンの境遇や末路を思うとより可哀そうで悲しく感じられます。
展開が読めたという方が多いですが、私は鈍感なのか犯人?がわからず、まさかだったので胸が痛くなりました。
(元)目玉おやじが強くてスタイリッシュだったのと水木とのバディ感、そして鬼太郎の誕生や彼の人間に対する考え方やスタンスは両親(特に母親)から繋がるものだったことなど、いろいろ「なるほど!」って思える作りで、高評価なのもあらためて「なるほど!」と思えました。
関連ニュース内に『墓場鬼太郎』の第一話「鬼太郎誕生」くらいは予習として観てもいいかもとの記事を見つけ鑑賞後ではありますが観ました。
若干内容は違いますが、こちらもおもしろそうです。