「企業戦士・水木とバディのゲゲ郎(目玉オヤジ)」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
企業戦士・水木とバディのゲゲ郎(目玉オヤジ)
ゲゲゲの鬼太郎の基礎知識がまるでなくて、
聞き覚えがあるのは、熊倉一雄が歌っていたテーマ曲で、
ゲ、ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ(略)
楽しいな!!楽しいな!!
お化けには、学校も試験も何にもない、
お化けは死なない、病気も何にもない、
と、歌っていて、そこんところは羨ましかった‼️
(下調べとしてドラマ第1シリーズの一話だけ見ました。
(水木しげるさんはきっと大変な《野球好き》だったのかなぁ?》
鬼太郎の視線が子供目線で、子供の味方なのかなぁ・・・
そこがきっとゲゲゲの鬼太郎が長く愛される秘密かもしれないのかも、
とか感じました。
ところがこの映画は大人向けのオドロオドロしいSFホラーでした。
【ストーリー】
鬼太郎誕生秘話
作者の水木しげるさんの戦争体験をベースにしている。
☆☆昭和31年。
血液銀行に勤める水木(若くて男前です)は取引先の
龍賀薬品の会長の葬式のために、とても辺鄙で山奥の哭倉(なくら)村
を訪れます。
哭倉村も龍賀一族も怪奇でまるで犬神家の一族のような、怨念とたたりを
感じさせる幕開けです。
水木はゲゲ郎と勝手に名付けた中年男と列車の中で知り合う。
そして彼と力を合わせて龍賀家の秘密と血液製剤【M】製造する、
哭倉村の離小島の秘密を知ることとなる。
【M】は旧日本軍の兵隊に飲ませれば、不眠不休飲まず食わずで、
3日〜4日歩き続けるという妙薬。
南方で片腕を失っても漫画を描き続けた水木しげるさん。
上官の「玉砕と決めたんだから、生きて返すな!!」
「上官はどうするんですか?」
「俺は生きて報告する義務がある」
な訳あるか!!
戦争への怒りはよく分かります。
戦後は復興に励む日本の企業戦士のエネルギーの元として重用される
血液製剤の【M】
ところがその【M】の製造法はとんでもないものだった。
龍賀家の一族は、孤児や身寄りのない人をさらってきて、
離小島の秘密工場で、生体から血液を抜いて【M】の原液を製造していた。
そして一族は運命の娘後継(沙代)など直径の女に当主の子供を孕ませて、
その娘の血を混ぜて【M】を完成していたのだった。
そしてゲゲ郎(のちの目玉オヤジ)の行方不明の妻は、
離小島で血を抜かれて
屍のように衰えていたが、ゲゲ郎と再開した日には妊っていた。
(これってゲゲ郎の血を引くというより、龍賀一族の当主の血を
引いているのでは?ないのでしょうか?
その辺、基礎知識がなさ過ぎて、単なる憶測なのですが・・・
(出来ることなら鬼太郎のDNA鑑定をしてみたいな!!)
(そうしたらきっと生みの親の水木しげるさんのDNAが検出されるのかも)
水木しげるさんは自身の戦争体験から、反戦の気持ちを強く持ち、
子供たちの未来は、時弥くんに言ったように、
「きっと数十年後には、貧困も病気もない未来が来る」
そう信じていたのに、70年後にも、貧困も病気も無くは、
ならず苦しい生活が続いている。
そして平和も訪れていない。
それでもなお未来を信じて子供たちのために、
可愛いくて怖い妖怪を描き続けた水木しげるさん。
この映画は鬼太郎の父親・目玉オヤジと水木しげるのモデルである
企業戦士・水木の成り立ちと思想をベースにした大人向けの
「ゲゲゲの鬼太郎秘話」
狂骨との凄まじいアクションシーンも華麗なVFXで見事な
アニメーション。
洗練された映像に満足度は高かったです。