「鬼太郎誕生の原点に涙!」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
鬼太郎誕生の原点に涙!
最初目を引いたのはねこ娘でした。とっても可愛くなっているような気がして見惚れました。私は何の予備知識もなく観に行きましたが、水木の人生観の深い部分の輝きを見たようで、膝を打ちたくなるほど感銘いたしました。つまり鬼太郎が主役ではなく、鬼太郎が生まれるまでの水木の戦いが鮮烈に描かれていたのでした。だから子供向けと言うよりは、意識の高い人向けかもしれません。友人からパンフレットの購入を依頼されましたが、あっという間の完売だったと店員さが言っていましたから、そのパンフレットの中身ですら、かなりのレベルの高さと想像できます。私は後半も最後の方になって目玉親父が誰であり、お墓の中から出てきた赤ん坊が鬼太郎だと言うことに気づくのが遅いほど鈍感でしたが、全ての相関図がわかった時の感動は、言葉で言い表せないほど強い波のようでした。最初に鬼太郎が「お母さん」と呼んだ意味も回収できました。金の亡者であった龍賀一族は、まるで混乱する戦後の時代につけ込んで、富を貪る餓鬼のような存在でした。その金の亡者に対して徹底抗戦する目玉おやじと水木は、人間性を失わない真っ当な日本人の鏡のようで清々しいです。そして、そこに生まれた鬼太郎は、ある意味日本の希望なのかもしれません(大袈裟かな?)。日本人だからこそ創作できた傑作と言えるかもしれません。
追記 水木の軍隊で受けた残酷な仕打ちや失望感も学ぶところ多し。
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