「めちゃくちゃもったいない」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 松田さんの映画レビュー(感想・評価)
めちゃくちゃもったいない
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とりあえず作画はめちゃくちゃ良かった。ストーリー設定の作り込みは凄いし、氏の半生を盛り込んだ水木の設定練り上げ具合も相当だと思う。ただ「やりたいことが多すぎておさまりきらなかった!」のような中途半端な感じ。
プロット書いたら見せたいシーンが選び切れなくていっぱいいっぱいになっちゃって、「キャラクターの見せ場ではないけれど、作品を見るにあたって根幹に関わる重要なシーン」が足りていない。私はそういうシーンが大好きだから特に残念に感じたのだと思います。
もっと掘り下げて欲しい発言、キャラクター、設定、たくさんあった。
そのわりに全体的に間延びした印象のシーンも多かった。まだここ写すんや……って何回か思った。
村の因習、それに巻き込まれるしか無かった村の若い子供たち、黒幕が行っていた凄惨な悪行、鬼太郎の父から奥さんへの愛情、水木の人間性や作中であったはずの後悔など、何もかも描ききれてない印象。
もっと時間をかけて見たい作品だった。TVアニメでも、劇場版前後編でもいい、脚本家や監督にはたかが1時間半少しでは描ききれない量の熱意があったのだと思う。その熱意を感じるから余計に悔しい作品です。
それから個人的な事情として、幼少期から水木しげる氏の妖怪図鑑のビデオや本を見て育ってしまったから、余計に期待値が高かったのだと思います。
やりたいこといっぱいあったんだね。
かっこいいシーン、凄惨なシーン、胸が痛むシーン、全部全部描きたかったんだね。
わかるわかる。
そう思いながら帰ってきました。
まあ水木とゲゲ郎のブロマンスという点では最高なんじゃないすか。エンドロール後のあのシーンが一番好きでした。
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