「シラケたこの国へのメッセージ」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
シラケたこの国へのメッセージ
TVでは表現できない、ホラーでダークな大人向けの鬼太郎がよかったです。レイティングPG12なので、血飛沫が激しく飛び散るわ死にまくるわである意味救いようがない。シン仮面ライダーのような、新しい挑戦を感じましたよ。
ストーリーも犬神家の一族のようにドロドロしている。そしてゴジラ同様の鬼太郎のエピソード0では、なぜ鬼太郎親子は妖怪から人間を守ってくれるのか。知らなかった謎が、明らかになって感動です。
目玉の親父ことゲゲ郎は、めちゃイケメンなのがよき。戦後の混沌とした高度経済成長時代に、明るい未来を語る彼は素敵だ。そんな想いを踏み躙る、人間の愚かさや残忍さが怖い。水木先生がずっと描いてきた世界ですね。希望の未来そのものが鬼太郎だと知ったとき、涙が溢れてくる。そんな秀悦なストーリー構成が見事でした。
大人たちは、子どもたちに誇れる未来を創る責任がある。30年も不況から抜け出せない悪き時代を、ほっておいてはいけない。絶望的にシラけた国に生きる中で、故人水木一郎先生の、強いメッセージを感じたのでした😊
コメントする