「【”令和版「八墓村」鬼太郎バージョン。”欲に駆られた人間の醜さに塗れた一族が第二次世界大戦前から行っていた恐ろしき事が徐々に暴かれて・・。後半の展開は恐ろしくも、とても切なくて心に沁みる作品である。】」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”令和版「八墓村」鬼太郎バージョン。”欲に駆られた人間の醜さに塗れた一族が第二次世界大戦前から行っていた恐ろしき事が徐々に暴かれて・・。後半の展開は恐ろしくも、とても切なくて心に沁みる作品である。】
ー 鬼太郎と目玉おやじの誕生までを、昭和31年という戦後復興期を舞台に描いたとても良く出来た作品構成に魅入られた作品である。-
◆感想
・昭和31年、血液銀行に勤めていた水木は、強大な影響力を持つ龍賀一族の当主、トキサダが亡くなった事で、啼倉村へ足を運ぶ。
ー 一族勢揃いの中、重々しくトキサダの跡継ぎを顧問弁護士の男が告げるシーンや壁に掛かったトキサダの写真など、正に「八墓村」である。-
・その後、後継ぎに指名されたトキマロは怪死し、更に殺人事件は続く。
ー 金田一耕助は来ない。が、龍賀一族が戦前から開発していたクスリの恐ろしい製造方法や、それにより龍賀一族が日本に多大なる影響を与えていた事が徐々に分かるのである。-
■幽霊族の生き残りのゲゲ郎が、美しき妻を探しに啼倉村へ来ていて、水木と接触しお互いに心を許す辺りから、物語は更に面白くなる。
そして、水木の所に来てしきりに東京に生きたがる美しき娘、サヨの姿。
ー まさか、サヨがなあ・・。-
■水木が経験した、第二次世界大戦末期の愚かしき日本帝国軍将校の描き方は、故水木しげるさんが腕を無くした経験した事そのモノであろう。
・後半は、サヨが抱えていた哀しき真実や、ゲゲ郎の妻や多くの幽霊族が囚われ、血液を採られクスリの原料にされていた事や、それにより咲く真紅の桜の木と共に、最早化け物と化した死んだ筈のトキサダが孫の身体を乗っ取り、金屏風の前でニタニタ笑う姿は、おぞましき限りである。
だが、ゲゲ郎の妻のお腹には赤ちゃんが居る事が分かり・・。
ー この辺りから、周辺の女性達の涕泣が聞こえてくるようになる・・。-
・そんな、トキサダに対しゲゲ郎は対抗するが妖力が通じない。そんな中、ゲゲ郎と共にゲゲ郎の妻を探していた水木は、敢然とトキサダに対し、斧を振り下ろすのである。
ー トキサダの妖力の元になっていたしゃれこうべは破壊され、化け物達は結界を出て行く。そんな中、ゲゲ郎は身を呈してそれを防ごうとするのである。-
<墓に、息絶えたゲゲ郎の妻を埋め村を去ろうとする水木の耳に音が聴こえてくる。それはゲゲ郎の妻が命懸けで胎内で育てて来た赤ちゃんが墓から出て来る音であった。
水木は、その赤ちゃんを一度は殺そうとするが、友人になったゲゲ郎が命を張って自分や村人を助けようとした姿を思い出し、赤ちゃんを連れて村を出るのである。
鬼太郎や、目玉おやじが後年、悪なるモノから善なる人を守る姿勢はここから芽生えたのだなあ、と思いながら劇場を後にした。
今作は、物語構成もその時代背景を含め実に上手く、見応える作品であると思います。>
おはようございます!
首と翔んで埼玉の予約状況見ると翔んで埼玉の方が予約入ってるんですが!(笑)どゆこと!?(笑)
あっ、あと私も仕事っすよ~
途中抜けして朝一の回には行く予定ですが。
私の行った劇場は、女性客が7割くらいでビックリしました。
自分がガキの頃見たテレビアニメ以来、40年ぶりくらいに鬼太郎を見たのですが、いつの間に女性がハマるコンテンツになっていたのか、まったく知りませんでした。
バブル以降の数十年の間に男どもが失った(水木先生が可視化してくれた)霊的感性を女性の方がしっかりと受け継いでくれてる。
そういうことなのかな、なんて考えてしまいました。