5月の花嫁学校のレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
革命の季節はここにも
フランス映画で「5月」といえば、それは花嫁の季節ならぬ革命の季節だ。なるほど、68年、パリの大学生たちが「平等と自由とセクシュアリティ」を求めて立ち上がったのと同様の革命の波が、おそらくはこの、パリから遠く離れた時代遅れの花嫁学校にも押し寄せようとしているのかーーーーその予測は半分正しくて、半分は不正解だった。すなわち、よく見かけるジャンルの型通りにはいかないのが本作の持ち味。何しろ主体となるのはうら若き学生たちではなく、ジュリエット・ビノシュ演じる校長自身なのだから。夫に先立たれ、引き出しの奥に隠された秘密を知り、それから昔の恋人と出会い、感情を抑えきれなくなり・・・。自らが生徒に教えてきた道徳的価値観とはまるっきり真逆へ羽ばたくビノシュの大立ち回りぶりは、過去の出演作と比較してもなかなか意外。ただ、ドタバタ続きで落ち着きに欠ける側面も。もうちょい語り口にまとまりがあると良かったのだが。
良妻にならなくていいよね
途中ちょっと飽きてしまいましたが、ラストのミュージカルとメッセージに前向きな気持ちをもらえました。そう、良妻になんかならなくていいんです。後半になるとファッションがカラフルになるのも束縛から解放された感がありました。
ジュリエット・ビノシュの魅力をもってしても
染み付いた社会や自分の価値観に対して、たまには懐疑的な視線を投げかけてみないと、少し時代が移り変わっただけでこんなに醜悪にみえるんだってことに気付かされた作品。
1967年のアルザス地方の花嫁学校。田舎とはいえ少し舞台が古いと随分価値観が違うことに改めて驚かされる。家政学校で生徒の女子に教えることはいかに夫を喜ばせるかという内容ばかり。いかに自分の人生を充実させるかではなく、夫を喜ばせることが自分の歓びなのだと教え続けている。
ジュリエット・ビノシュの最初の衣装はもっさりさえないマダム風。何が似合うかでも何を着たいかでもなく、何を着ていれば良妻賢母風なのかと言わんばかり。あのジュリエット・ビノシュがとにかく野暮ったい。ところが、ポーレットは生まれ変わっていく中で、パンツスタイルを選ぶ。トップスにもはっきりした鮮やかなカーマインを。それで明らかに彼女は前の彼女と違ってみえる。何を選びどう着るかは生き方を示しているのだなと痛感する。
ジュリエット・ビノシュはかなり好きな女優だけどそれでも展開が物足りない。当時のアルザスの価値観や家政学校で教える内容など新鮮な部分はあるが、映画として魅力的に仕上がっているかと言われれば、ちょっと惜しいかな。ジュリエット・ビノシュの魅力をもってしても、クリアにならない問題はあるらしい。
赤毛は不吉
1960年代後半フランスの田舎にある花嫁学校。女性が男性に奉仕する事のみを教えるあの時代でも既に時代遅れになりつつある学校。本当にそうだったの?というくらい抑圧されている。夜に歯磨きするな、トイレに行くなって病気になるよ。調理実習は何だか楽しそうだったけど。
一転夫が亡くなってからの展開は早いのか早くないのか。最後はラ・ラ・ランドになってちょっとびっくり!それで終わりかーい、といった尻切れトンボだったんですけど。前半面白かっただったに残念。
薄味なフレンチ・コメディ
盛り上がりやはっちゃけ感はさほど無くシレッと観られるライトなフレンチ・コメディ
ただ、アルザスの田舎の風景や60年代のファッションや音楽にはちょいと心、揺れましたね🎵
その場その場の状況で態度も言動もコロコロ変わり
終いには生徒達を巻き込んで田舎道を歌い踊るジュリエット・ピノッシュが実にお茶目で可愛らしかった⭐️
フランスは家庭科の授業が無いと聞きましたが
不器用ながら自分でやりこなす国民気質だと尊敬してましたけど
以前はこんな学校も引くて数多だったのですね
そういえば我が国、日本も編み物教室や洋裁学校みたいな類いもすっかり見かけなくなりましたね…
私的には劇場よりお家シアター向きかな?
フランスの難しさ
タイトルに使われている5月がフランスではどういう位置付けなのか知ってたほうがよかったのか、無知な私はとにかく展開に置いていかれた。
コメディとしての笑いも捻りが入っててよくわからないし難しい。
今現在がパンツを履ける時代でよかった。
半世紀ほど前のフランスの田舎といまの日本
まず、1967年のフランスでこんなに古臭い考えが学校(女学校?)で教えられていたのかとフィクションと分かりつつも時代感はそうだったのだろうとビックリ。
生徒のそれぞれの話しはどちらかと言うと今の感覚と同じなので解決に向かわないのはイイとして、多分主人公のビノシュ演じる校長に革命が起こる。
ある種、洗脳の中で生きていた(それでも鉄の掟?は守って無かったように思ったが、、)彼女が、夫の死と裏切り、昔の男との再会と、生徒の決死の行動により、今まで蓋をしていたものから目を逸らすのをやめ、引き篭もるというか、籠城して腹にためていたことをシスターと義妹に吐き出す事によって洗脳からの目覚め、本当になりたかった自分を隠さなくなった事が、この映画のクライマックスだったように思う。
最後のくだりは、あれで良かったと思う。明るく終わったし。
評価の分かれ目は、表現と言葉の性的描写が結構キツい人にはキツいのと、伏線だと思ったことが伏線では無く回収されない事への理解があるかどうかかなと感じる。
タイトル回収忘れてたけど、今の日本は、洗脳中の校長と大差ないなと。
急なミュージカル展開に戸惑う
良妻賢母という言葉に馴染みがない。いや、そんな実態を持った女性もいることはいる。でもそんな彼女たちを、まさに良妻賢母ですねなんて褒めることはないし、そんな褒め言葉を聞いたこともない。それがもはや褒め言葉になるのかも怪しいところだ。
でも、本作の舞台60年代後半のフランスでは、そんな良妻賢母を育成する家政学校があったっていうんだから驚いてしまう。夫のために尽くし我慢する女性を育成するその学習内容は、現代から見るとコメディでしかない。でも、時代の節目となるこの時期、学生である若い女性たちはすでに意識の変革がなされつつあった。変わらなければならないのは経営者、教員の方というお話。
なかなかおもしろい題材で、展開も悪くない。女性の自立ってのは、男の隷属からの解放であり、家事やセックス、金銭的な支配から自由になるってことなんだという主張がいい感じで伝わってきた。女性の未来は女性自らが掴み切り拓くんだ!そんな時代の転換期だったってことだ。
でも、そんな意気込みでさぁ盛り上がってきたぞというところで急なミュージカルテイストをぶっこまれて、めちゃめちゃ戸惑ってしまった。そしてそのままエンドロールへ。いやいや!ミュージカルテイストで歌って踊れば大団円になるとでも思ったか!
そもそもこんな中途半端な終わり方にしたかったのか、それとも途中でこうせざるを得なかったのか、プロデューサーか監督に聞いてみたい気持ちになった。本当にもったいない。
後半が好き
花嫁修業の為の学校て、
教えてる事ただの男尊女卑よね。
自由な恋愛を夢見る
フランス娘たちがめちゃくちゃ可愛かった❤
ジメジメした前半があるから
ハッピーな後半が沁みました
いざ、パリへ!
ストに脅えてなんかいられない٩(。•ω•。)و
歌い踊る彼女たちは未来を明るく変えてくれる!
辛く苦しいコロナ禍にこそ観て元気を貰いたい
素敵な映画でした。
闘いを経て今のフランス
主張を持った自立した女性の代名詞のようなフランス女性でさえ、こんな時代があったわけで。
望まない結婚、親の押し付け、女性の歴史は性の問題と隣り合わせ。
そんな歴史をコミカルに、ジュリエット・ビノシュが演じている。
かる~く、楽しくフランスを満喫できかな。
コメディエンヌ ジュリエット・ビノシュ
日本の綾瀬はるかや広瀬すず、少し古いがアメリカのマリリン・モンローのように、優れた女優はコメディエンヌとしての能力も高い。本作品でのジュリエット・ビノシュもまた、コメディエンヌとしての豊かな才能を発揮している。
コメディらしくストーリーは単純で、1967年のアルザス地方の古臭い花嫁学校を舞台に、悩める生徒と悩める教師たちが平穏な学園生活を送るが、自由な気質を持つ生徒たちと、昔ながらの封建的な考え方の教師たちとの間に微妙な食い違いがある。
折からパリを中心に発生した自由化の機運が田舎の学校にまで及ぶ微かな兆しを感じさせる中、ある事故をきっかけに、主人公ポーレットは女性が自分の名前で口座を開くことができるようになったことを知る。時代は変わったのだ。シモーヌ・ド・ボーヴォワールの「第二の性」が発表されたのが1949年。18年の歳月を要して漸く新しい考え方が田舎の花嫁学校の校長を変えたという訳である。
フランス映画らしく性にはおおらかで、花嫁学校といえども性教育はある。そのシーンを楽しみにしていたのだが、ポーレットの恋がはじまってしまい、残念ながら性教育のシーンは割愛されてしまった。
本作品は映画自体をコメディにしているようなところがあり、ラストではインド映画を思わせるようなシーンとなる。唐突なシーンで驚いたが、これはこれでいいと思う。
毅然とした封建主義者を演じていた花嫁学校の女性校長が、歳を経てなお新しい恋をし、女性の自由に目覚めていくのが主眼であり、割と無理やりな主人公のキャラクターをジュリエット・ビノシュがその卓越した演技力で押し切ってしまった感がある。多分だが、本作品のためにジュリエット・ビノシュは少し増量してボリュームアップしたと思う。田舎の花嫁学校の校長にピッタリの体型になっていた。大した女優である。
妙な疲れが…。
何が主題だったんだろう?
意味のよくわからない個別のカットが延々と続く。
笑いもなく、感動もなく、共感もない。バラバラのつなぎ合わされたカットが延々と続く。
セリフのひとつひとつに何の意味もなく、字幕として流れ続ける。
たまに居眠りするが、時間は一向に経過しない。いつまで続くのかもわからない。
最後はお決まりのミュージカルでチャンチャン!
ストーリーもなく、何をしているのかもわからないフランス映画を観たいなら、パリへ急げ!革命は近いぞ!
どう描きたかったのか…
これもまたなんか半端な展開で…。女性自立の歴史をシリアスに描きたいのか、良妻賢母になるための過去の遺物の花嫁学校を笑いにしたいのか、いまいち定まってない。ラストだけミュージカルっていうのもいかがな展開かと。
【民主主義の時代】
少し、肩の力を抜いて、リラックスして、社会問題を考えるような作品かもしれない。
60年代、アメリカでは女性解放運動が盛んになり、50年代から続く公民権運動と並んで、民主主義に対する考え方が、それまでより一層深まっていった。
フランスの1968年5月危機では、労働者のゼネストにより、労働者の権利に対する要求が大きく拡大する。
日本では、60年安保、全共闘などのムーヴメントが起こり、60年代は世界的な民主主義の時代なのだ。
この作品は、未だに古臭い因習から抜け出せない社会や、セクハラ、硬直的なLGBTQへの考え方・姿勢などを散りばめながら、昨今の#MeTooのムーヴメントを想起させるようなアルザスの女性たちの権利に目覚めていく姿を、この5月危機の出来事と併せるように、コミカルに、そして、小気味良く見せている。
アルザスは、フランスとドイツが幾度か領有を巡って争った地域だ。
複雑な土地柄ということもあって、この場所が選ばれたのかもしれない。
レビューの評価は低いけれども、そんな面白くないことはない。
逆に、誰かが低評価をつけて、自らサブ垢で、それに大量の共感をつけてることが、評価を下げる要因になっているのだとしたら、これは、意図的な営業妨害のようなものではないのか。
いつか、グルメサイトでも類似したことがあったと思うけど、こんなことも管理できないのだとしたら、映画のSNSの責任も相当重いと思う。
鉄の掟7ヵ条
1967年フランスはアルザス地方の家政学校で巻き起こる革命の話。
校長夫婦に旦那の妹、そして何故か赤毛を忌み嫌うシスターで運営する家政学校。
丁度世間の潮流が変わった頃なんでしょうか、といってもこの時代、前年よりも15人も少ない18人の新入生が入り、女性の幸せは良妻賢母であること、という思想の基に奴隷育成ともいえる花嫁修業が始まっていくけれど…。
マリー=テレーズは最初からキャラが立っていたけれど、小ネタはあれどそれ以外にはキャラもストーリーもコメディの割に余り面白味が無く、あり得ないお話しという意味でのコメディなのかという展開。
テイストが変わったり、あからさまに笑いを入れたり、終盤急にテイストが変わって面白くなったし、何が言いたいかはわかるけれど、もっと最初からみせて欲しかった。
全22件中、1~20件目を表示