劇場公開日 2021年5月28日

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「急なミュージカル展開に戸惑う」5月の花嫁学校 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5急なミュージカル展開に戸惑う

2021年6月12日
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鑑賞方法:映画館

良妻賢母という言葉に馴染みがない。いや、そんな実態を持った女性もいることはいる。でもそんな彼女たちを、まさに良妻賢母ですねなんて褒めることはないし、そんな褒め言葉を聞いたこともない。それがもはや褒め言葉になるのかも怪しいところだ。
でも、本作の舞台60年代後半のフランスでは、そんな良妻賢母を育成する家政学校があったっていうんだから驚いてしまう。夫のために尽くし我慢する女性を育成するその学習内容は、現代から見るとコメディでしかない。でも、時代の節目となるこの時期、学生である若い女性たちはすでに意識の変革がなされつつあった。変わらなければならないのは経営者、教員の方というお話。
なかなかおもしろい題材で、展開も悪くない。女性の自立ってのは、男の隷属からの解放であり、家事やセックス、金銭的な支配から自由になるってことなんだという主張がいい感じで伝わってきた。女性の未来は女性自らが掴み切り拓くんだ!そんな時代の転換期だったってことだ。
でも、そんな意気込みでさぁ盛り上がってきたぞというところで急なミュージカルテイストをぶっこまれて、めちゃめちゃ戸惑ってしまった。そしてそのままエンドロールへ。いやいや!ミュージカルテイストで歌って踊れば大団円になるとでも思ったか!
そもそもこんな中途半端な終わり方にしたかったのか、それとも途中でこうせざるを得なかったのか、プロデューサーか監督に聞いてみたい気持ちになった。本当にもったいない。

kenshuchu