へんしんっ!のレビュー・感想・評価
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障がい当事者制作者養成に期待したい
難病の障がいがあり、立教大学の映像身体学科で学んでいた石田智哉氏が、卒業制作作品として、視覚障がい者や聴覚障がい者が関わる作品を企画していて、学内の振付ダンスの教授から、自分も車いすから降りて『変身』を演じるつもりでやってみては、と提案されて、さらに学内しょうがい学生支援室スタッフの手話通訳者も加わったダンスが不思議な化学反応を起こしていた。事後にオンライントークがあったので、『バリバラ』で障がいのある当事者俳優の活躍が懸案になっているが、つくり手にも当事者が増えたり、理解が高まることが必要で、この作品でも様々な障がい種の当事者が演じることになった、さらに学内スタッフの参加も、日頃の受入れ体制の充実振りが窺われるので、学科内外にも障がい学生がいるのではないか、と尋ねたところ、その学科には他にいないが、他の学科にはいる、ということで、その学科としても当事者制作者養成を進めていくことへの期待を述べた。
表現者
誰にでも、どんな形でもいいから、自分を表現することは大切で、当然の権利だと思った。
そして、それって、アウトプットしていかなきゃ、ただの自己満足で終わってしまうな……だからきちんと、表現したことを伝える努力をしなきゃなと思わせてくれた映画でした。
内容も作品の作りも刺激を受ける
くどいくらいの説明や情報が、やかましく思えてしまうけれど、本当にありとあらゆる人が理解する上で、どの情報も欠かすことが出来ないと、身につまされる。しかも、最初は疎ましく思えた仔細な説明が、自分にとってもかなり有益なものだと思えてきたのは、作り手側の手腕なのだろう。
内容は、相当面白い。あんなに説明説明だったものが終いには─。
予想外の感動でした。
健常者の存在意味
日本語字幕と音声ガイドをつけてのオープン上映!
去年ぴあフィルムフェスティバル2020で観た『へんしんっ!』が更に『 へんしんっ! 』した!
長引くコロナの影響もあり、配信映画が増える今、劇場で上映することの意味を改めて考えていたけど…
なるほど。上映すること自体も“自分なりの表現”になりえるのか。
▼当時のレビュー
聖書は全盲の人の存在意味を「神のわざがこの人に現れるため」と記している。
じゃあ健常者がいる意味は?
目の見えない人の手助けすること?
もちろんフォローは必要だと思うし、むしろ私で出来ることには積極的に参加したい。
でも「手助けしてあげる」や「手助けさせてもらう」に、どうも一方通行な違和感があって心がしっくりきませんでした。
この映画は、監督自身が殻を破って変身することで、新しい発見や新しい関係が生まれる事を描いていると思いますが
私にとっては、この世に健常者がいる意味を与えてくれた映画でした。
健常者は目の見えない人と耳の聴こえない人を繋ぐ為に存在したのだ!
ラストが圧巻!
パラダイスというものが存在するのなら、紛れもなく一番近い景色を見せてくれたと思います。
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実は去年、ぴあフィルムフェスティバル2020のアワード一般審査員として参加出来る幸運に恵まれ、とても貴重な体験が出来ました。
そこで出会った17作品はどれも刺激的で、魅力的。
一緒に審査したお二人との協議もエキサイティングでした。
グランプリの本作のみならず『フィア・オブ・ミッシング・アウト〜Fear of missing out』も7/31〜劇場で公開されますし
私達が選んだ映画ファン(ぴあニスト)賞の『LUGINSKY』も香港国際映画祭に招待作品として正式出品されました!
専門家でもない私なんかの言葉には何の価値も無いと思っていましたが、感動した気持ちを作り手に直接伝えることが何よりの励みになると後押しされて、苦手なSNSでも発信しました。
作り手を支援すると同時に、観客としても育てられた気がします。
今年のPFFも注目です(*゚▽゚*)
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