マークスマンのレビュー・感想・評価
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メキシコ国境からアメリカへ
昨日観たクライマッチョはメキシコからアメリカ国境へ、マークスマンはメキシコ国境からアメリカへ、という連続性に興奮する。リーアム・ニーソンはいつからか、俺がジャンル映画を背負ってやるという素晴らしい意気込みで、50過ぎたぐらいからジャンル映画に熱中している。それも、一時的でなく10年以上、年一ペースで出演し続けている。恐らく、本人の固い意思によるものだろう。もしかしたら、俳優のキャリアとしては、後半に若手監督と組むより手練れの職業監督と組む方が良い仕事ができると確信しているのかもしれない。
クライマッチョと全く同じシーンがあり笑ってしまった。イーストウッドは90越えたジジイだから、良い感じの気の緩みというか、昔の事を悲しむというよりか諦感を感じるが、ニーソンはツラいことを思いだしジタバタするトーンがある。どちらもカッコいい。ガンショップシーンでのうろ覚えですが「俺がしたことの責任ではないが、俺はそれを引き受けることを選んだ」という台詞にしびれる。警官は必ずしも悪くないし、悪役だって成りたくてなったわけではなく、生きるためにはこうなるしかなかったという台詞も含蓄がある。
うん…
ピックアップトラックはデフォです!!
昨日、似た作品を観た気がしますが、本作も楽しみだったので観てきました!!
リーアムニーソンの叔父貴は、やはりこの手の役にピッタリです。本作を観て気付いたのですが、ニーソン氏は日本の頑固オヤジ像に近いので、すんなり受け入れられる(親和性?)があるのかなーと感じました。
カルテルの追手がクライマッチョより大変優秀&残酷で追跡に緊迫があり、メキシコ行きたくないです(*´Д`)
個人的に、外道ですが娘役がグラマラスボディで気が散ってしまい、、、後は、何十年後かに枯れたベン・アフレックで観たいかも。笑
娯楽映画として、とても良い作品です。是非ご観賞下さい!!(NOW!!カッコいい言い方選手権があればニーソン氏は優勝間違いないです笑)
漂う哀愁がリーアム・ニーソンの真骨頂
知り合いのアメリカ人女性は、死ぬまで日本で暮らしたい、アメリカに帰りたくないと言う。アメリカは安全ではないからだ。銃を持っている人が沢山いて、ホールドアップで金を奪われるのは日常茶飯事だ。おまけに自分は女性である。いつレイプされてもおかしくないし、レイプされたあとはたいてい殺される。この女性が大袈裟なのかもしれないが、アメリカは日本よりは危険であることは間違いないと思う。
ではメキシコはどうなのだろうか。古い映画では、強盗が奪った金を持ってメキシコに逃れようとするパターンが多い。メキシコに行けば、アメリカの当局は追ってこないのかもしれない。メキシコに逃げても強盗が急にカタギになるわけではなく、メキシコでもやっぱり強盗をして生きていくのだろう。
となるとメキシコは犯罪者だらけなのかというと、そうではないはずだ。窃盗や強盗、詐欺などは、他人が築き上げた富を横取りする行為である。メキシコに住む全員が犯罪者だと、横取りするものがない。社会が成立しないのだ。だからメキシコに住む人々の大半は、生産性のある行為、つまり仕事をしてまっとうに生きていると考えられる。摩天楼も建設すれば、大きな橋も建造する。そうして更なる経済成長を目指す訳だ。そうやって富を生む人々がいてはじめて、窃盗や強盗や詐欺ができる。犯罪者は何も生まないから、カタギに比べたら理論的に少数でなければならない。
とはいえ、現実にはアメリカでもメキシコでもたくさんの犯罪者が跋扈している。日本に比べて相当に荒っぽい連中だ。件のアメリカ人女性が帰りたくない気持ちはよく分かる。当方もアメリカやメキシコに案内もなしで一人で行くのは気が進まない。
そういう訳で、本作品のようにメキシコとの国境に住む人は、銃で武装するのが当然なのかもしれないが、考えてみれば、農家が武装しなければならないのはおかしい。
感覚的な話ではあるが、武装している農家が作った作物よりは、武装していない農家が作った作物を食べたいと思う。それはそうだ、武装しているということはその分だけ農業に費やす集中力が削がれるわけだから、作物の出来にも影響するだろうことは容易に想像できる。本作品の主人公の牧場で出来る乳製品も牛肉も、貧相なものに違いない。
メキシコとの国境付近が物騒なら、そこは政府が土地を買い取って、警戒地域として国が直接管理すべきだ。民間人、ましてや農夫に武装を余儀なくさせるのは間違っている。
ということで、映画の冒頭部分で頭が疲れてしまったが、本作品のリーアム・ニーソンはいつもの熱い家族主義者とは違って、ニヒルで渋い。戦争に二度も行った退役軍人であり、元狙撃兵である。
狙撃兵が銃撃戦で圧倒的に強いかというと、実はそうでもない。拳銃の弾丸が届かないような遠距離からの狙撃なら断然有利だが、接近戦はハンドリングのいい拳銃のほうが勝っている場合がある。
本作品はそのあたりをきちんと踏まえたリアルな演出が光る。銃撃戦の一方で、ロードムービーでもあるから、一緒に旅をする二人の関係性が微妙にぶれながら変わっていくさまも見事である。タフなヒーローを演じるイメージが強いリーアム・ニーソンだが、実は本作品のような哀愁漂うニヒルな男を演じるのが真骨頂だという気がした。
違和感だらけ
この作品はツッコミどころが多すぎる。
麻薬カルテルのお金を取ったのに呑気に暮らしていたのか謎。後シカゴの親戚が、ミゲルが1人で訪ねてきたことに何も不思議に思ってないところも変。
麻薬カルテルの連中が金の回収って言ってたのに、劇中全く気にしてない点も凄く違和感があった。
あるある、の映画です
もはやお決まりの…
beautiful old man
リーアム・ニーソン主演作を劇場で鑑賞するのは3回目です(ファイナル・プラン、アイス・ロード、本作)。バチバチの銃撃戦な作品がやってくるのかなと思いましたが、予想を良い形で裏切ってくれる作品でした。
前半は緊張感が張り詰めており、麻薬カルテルに追いかけられた親子をリーアム・ニーソン演じるジムが見つけ、流れ弾に当たった母親が死の間際に息子を託してシカゴへ連れて行ってもらうという、展開がとても分かりやすかったです。
今作の魅力は何と言ってもジムとミゲルの祖父と孫のような2人のロードムービーが全編に渡って描かれているところです。しかもこれが冗長過ぎず面白いんです。最初は互いを分かり合えなていない、まぁ当然なんですが、2人が車で移動していくたびに思っていたことを話したり、一緒にご飯を食べたり、最終的にはミゲルが好きな子の話をし出すなど、思わずニヤけてしまうような展開がありました。緊張感はしっかり残しているのにほんわかしている、とてもいいバランスでした。
銃撃戦も少ないながらちゃんと楽しく、百発百中の腕利きのスナイプが滲み出ていました。麻薬カルテルの人間に正確に当てますし、追走してくる車に対しても正確に当ててぶっ飛ばす(なんか想像以上に飛んで笑ってしまいましたが)など、少ない見せ場で強さを見せるという歳を重ねたからこそ魅せる芸当に興奮しました。伏線の回収の仕方も捻っており、ミゲルが銃弾を敵に浴びせるのかと思いきや、装填の瞬間の方を回収してくるシーンが良かったです。
麻薬カルテルの人間たちとの勝負を制した後、ちゃんとシカゴの親戚の元に送り届け、バスの中で眠るように息を引き取るという、まさに映画の中での死に方が格好良かったです。
意外なまでにほっこりし、熱くなる、とても良い作品を観れました。リーアム・ニーソンは最高。
鑑賞日 1/11
鑑賞時間 18:00〜20:00
座席 H-9
まさにハードボイルド
心打つ、骨太のアメリカ映画
昨年2021年公開のアイスロードは、 アクション映画としての出来が良く、大いに楽しめた。 リーアム・ニーソンのアクション映画にはハズレがないという印象で、 今回も期待しつつ、寒空の下いざ映画館へと出発。
見始めて30分ほどで、 ヒーローが活躍する類の作品とは違うことがわかる。 一向に激しいアクションシーンが出てこないのだ。 元凄腕の兵士という設定ではあるが、 現実離れした戦いをするわけでもなく、 子供を連れて悪者から逃げるばかり。 途中で自分の役目を降りようとする人間臭ささえ見せる。 終盤に撃ち合いと格闘のシーンがあるが、 ここも地に足の着いた演出が施されており、 物語のリアリティが確保されている。 そして最後は、 とても深い余韻を残して終わる。
結局、脚本が素晴らしいのだと思う。 アイスロードも娯楽映画としての脚本の完成度が高かったが、 ニーソンの映画にハズレがないのは、 脚本の選択眼が鋭いからなのだろう。 そしてもうひとつ、 監督がイーストウッドの作品のプロデュースを手掛けてきた人物だと知り、 非常に納得した。 今まさに新作の「クライマッチョ」が上映開始されたばかりだが、 マークスマンを観た人は、イーストウッドの監督作品を一本観たような気分になると思う。
監督のロバートロレンツ氏は、 あくまでも骨太のアメリカンスピリットを描き、 広く世に伝えようとしている人なのだろう。 母性的な価値観を敷く日本社会とは違い、 独立独歩で生きようとする父性的価値観を基盤とするアメリカ人の人生観は、 このような監督やプロデューサーから映画を通して教えられてきたように思う。 今回も、セリフの一つひとつが奥深く、新鮮だった。
クライマッチョではプロデューサーではないものの、 これもまた古き良きアメリカ人の良心に触れることができる作品なのではないかと期待している。 近日中に観に行くつもりだ。
リーアム
ハードアクションを期待するなかれ。
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