マークスマンのレビュー・感想・評価
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漂う哀愁がリーアム・ニーソンの真骨頂
知り合いのアメリカ人女性は、死ぬまで日本で暮らしたい、アメリカに帰りたくないと言う。アメリカは安全ではないからだ。銃を持っている人が沢山いて、ホールドアップで金を奪われるのは日常茶飯事だ。おまけに自分は女性である。いつレイプされてもおかしくないし、レイプされたあとはたいてい殺される。この女性が大袈裟なのかもしれないが、アメリカは日本よりは危険であることは間違いないと思う。
ではメキシコはどうなのだろうか。古い映画では、強盗が奪った金を持ってメキシコに逃れようとするパターンが多い。メキシコに行けば、アメリカの当局は追ってこないのかもしれない。メキシコに逃げても強盗が急にカタギになるわけではなく、メキシコでもやっぱり強盗をして生きていくのだろう。
となるとメキシコは犯罪者だらけなのかというと、そうではないはずだ。窃盗や強盗、詐欺などは、他人が築き上げた富を横取りする行為である。メキシコに住む全員が犯罪者だと、横取りするものがない。社会が成立しないのだ。だからメキシコに住む人々の大半は、生産性のある行為、つまり仕事をしてまっとうに生きていると考えられる。摩天楼も建設すれば、大きな橋も建造する。そうして更なる経済成長を目指す訳だ。そうやって富を生む人々がいてはじめて、窃盗や強盗や詐欺ができる。犯罪者は何も生まないから、カタギに比べたら理論的に少数でなければならない。
とはいえ、現実にはアメリカでもメキシコでもたくさんの犯罪者が跋扈している。日本に比べて相当に荒っぽい連中だ。件のアメリカ人女性が帰りたくない気持ちはよく分かる。当方もアメリカやメキシコに案内もなしで一人で行くのは気が進まない。
そういう訳で、本作品のようにメキシコとの国境に住む人は、銃で武装するのが当然なのかもしれないが、考えてみれば、農家が武装しなければならないのはおかしい。
感覚的な話ではあるが、武装している農家が作った作物よりは、武装していない農家が作った作物を食べたいと思う。それはそうだ、武装しているということはその分だけ農業に費やす集中力が削がれるわけだから、作物の出来にも影響するだろうことは容易に想像できる。本作品の主人公の牧場で出来る乳製品も牛肉も、貧相なものに違いない。
メキシコとの国境付近が物騒なら、そこは政府が土地を買い取って、警戒地域として国が直接管理すべきだ。民間人、ましてや農夫に武装を余儀なくさせるのは間違っている。
ということで、映画の冒頭部分で頭が疲れてしまったが、本作品のリーアム・ニーソンはいつもの熱い家族主義者とは違って、ニヒルで渋い。戦争に二度も行った退役軍人であり、元狙撃兵である。
狙撃兵が銃撃戦で圧倒的に強いかというと、実はそうでもない。拳銃の弾丸が届かないような遠距離からの狙撃なら断然有利だが、接近戦はハンドリングのいい拳銃のほうが勝っている場合がある。
本作品はそのあたりをきちんと踏まえたリアルな演出が光る。銃撃戦の一方で、ロードムービーでもあるから、一緒に旅をする二人の関係性が微妙にぶれながら変わっていくさまも見事である。タフなヒーローを演じるイメージが強いリーアム・ニーソンだが、実は本作品のような哀愁漂うニヒルな男を演じるのが真骨頂だという気がした。
頑張れ!
リーアムニーソンも長年アクションで頑張ってますね。最近は、アクション俳優も高年齢になってもやっている人が多いから、ある意味安心感もありますが、往年の動きを知っているだけに残念な面もあります。
違和感だらけ
この作品はツッコミどころが多すぎる。
麻薬カルテルのお金を取ったのに呑気に暮らしていたのか謎。後シカゴの親戚が、ミゲルが1人で訪ねてきたことに何も不思議に思ってないところも変。
麻薬カルテルの連中が金の回収って言ってたのに、劇中全く気にしてない点も凄く違和感があった。
あるある、の映画です
マークスマン The Marksman
タイトルの「狙撃手、名手」は
追われるもの、を指すのか
追う側の悪どもを、指しているのか・・・
映画を見ているあいだ中
緊張感があって、気が休む時がなかった。
ところで
クレジットカードで
居場所が分かるのか!
もはやお決まりの…
前作の『アイス・ロード』から2ヶ月も経たないうちに、もうニーソンニキの新作登場!
〝腕は良かったが、現在は私生活も荒れ金に困っている〟という、2ヶ月前にも観たようなデフォルト設定のニーソンニキ 笑
強面のメキシコ野郎なんぞ、いとも簡単に返り討ちにしちゃう。
この手の作品、何本出てると思ってる?経験が違うのだよ!笑
それにしても、もう少し世渡り上手くならないと、身体が持ちませんぜ!苦笑
beautiful old man
リーアム・ニーソン主演作を劇場で鑑賞するのは3回目です(ファイナル・プラン、アイス・ロード、本作)。バチバチの銃撃戦な作品がやってくるのかなと思いましたが、予想を良い形で裏切ってくれる作品でした。
前半は緊張感が張り詰めており、麻薬カルテルに追いかけられた親子をリーアム・ニーソン演じるジムが見つけ、流れ弾に当たった母親が死の間際に息子を託してシカゴへ連れて行ってもらうという、展開がとても分かりやすかったです。
今作の魅力は何と言ってもジムとミゲルの祖父と孫のような2人のロードムービーが全編に渡って描かれているところです。しかもこれが冗長過ぎず面白いんです。最初は互いを分かり合えなていない、まぁ当然なんですが、2人が車で移動していくたびに思っていたことを話したり、一緒にご飯を食べたり、最終的にはミゲルが好きな子の話をし出すなど、思わずニヤけてしまうような展開がありました。緊張感はしっかり残しているのにほんわかしている、とてもいいバランスでした。
銃撃戦も少ないながらちゃんと楽しく、百発百中の腕利きのスナイプが滲み出ていました。麻薬カルテルの人間に正確に当てますし、追走してくる車に対しても正確に当ててぶっ飛ばす(なんか想像以上に飛んで笑ってしまいましたが)など、少ない見せ場で強さを見せるという歳を重ねたからこそ魅せる芸当に興奮しました。伏線の回収の仕方も捻っており、ミゲルが銃弾を敵に浴びせるのかと思いきや、装填の瞬間の方を回収してくるシーンが良かったです。
麻薬カルテルの人間たちとの勝負を制した後、ちゃんとシカゴの親戚の元に送り届け、バスの中で眠るように息を引き取るという、まさに映画の中での死に方が格好良かったです。
意外なまでにほっこりし、熱くなる、とても良い作品を観れました。リーアム・ニーソンは最高。
鑑賞日 1/11
鑑賞時間 18:00〜20:00
座席 H-9
まさにハードボイルド
個人的にハードボイルドとは初老の男性が命の危険を冒して何かを成し遂げる話で、恋愛要素がないことが必須だと思っている。
序盤のキャラの説明が必要以上に丁寧ではじまるまでが長く感じられた。
老人と子供の友情の話。テーマ的には老人と海を思い出す。
老人側の事情はしっかりとした説明があるし切っ掛けも全部みせているので、序盤のスネた少年がいい感じにリアルに可愛くなく描かれている。
展開を変えるためのアイテムとしてジャクソンと勲章があるが、その使い方が微妙ながら、よくできた作品であると思います。
心打つ、骨太のアメリカ映画
昨年2021年公開のアイスロードは、 アクション映画としての出来が良く、大いに楽しめた。 リーアム・ニーソンのアクション映画にはハズレがないという印象で、 今回も期待しつつ、寒空の下いざ映画館へと出発。
見始めて30分ほどで、 ヒーローが活躍する類の作品とは違うことがわかる。 一向に激しいアクションシーンが出てこないのだ。 元凄腕の兵士という設定ではあるが、 現実離れした戦いをするわけでもなく、 子供を連れて悪者から逃げるばかり。 途中で自分の役目を降りようとする人間臭ささえ見せる。 終盤に撃ち合いと格闘のシーンがあるが、 ここも地に足の着いた演出が施されており、 物語のリアリティが確保されている。 そして最後は、 とても深い余韻を残して終わる。
結局、脚本が素晴らしいのだと思う。 アイスロードも娯楽映画としての脚本の完成度が高かったが、 ニーソンの映画にハズレがないのは、 脚本の選択眼が鋭いからなのだろう。 そしてもうひとつ、 監督がイーストウッドの作品のプロデュースを手掛けてきた人物だと知り、 非常に納得した。 今まさに新作の「クライマッチョ」が上映開始されたばかりだが、 マークスマンを観た人は、イーストウッドの監督作品を一本観たような気分になると思う。
監督のロバートロレンツ氏は、 あくまでも骨太のアメリカンスピリットを描き、 広く世に伝えようとしている人なのだろう。 母性的な価値観を敷く日本社会とは違い、 独立独歩で生きようとする父性的価値観を基盤とするアメリカ人の人生観は、 このような監督やプロデューサーから映画を通して教えられてきたように思う。 今回も、セリフの一つひとつが奥深く、新鮮だった。
クライマッチョではプロデューサーではないものの、 これもまた古き良きアメリカ人の良心に触れることができる作品なのではないかと期待している。 近日中に観に行くつもりだ。
リーアム
リーアムニーソンやはり良いね、アイスロードも観たがこう言う役所は外さないね、ストーリーは単純なロードムービー
メキシコ人の子供をシカゴまで送り届けると言うものだが 淡々とした展開の中に緊張感を散りばめ愛する者を失った境遇などを重ねながら信頼関係を築いていく、追っての方にもカルテルとして生きてきた背景が垣間見える、主人公ジムの言葉が印象的だった、流石にクリントイーストウッド作品を彷彿させる内容だと感じた、最後は観るものがそれぞれ思い描きながら余韻に浸るのも良いかな
ハードアクションを期待するなかれ。
ノーバディ、みたいなもんかと思ったらソフトに静かなほのぼの人情劇でした。リーアムニーソンが良い感じで老いた元海兵隊員を演じていてなんかほっこりくる。カルテルからの逃避行劇だけど派手さなし。人生、踏み外してはいけない、って作品でした。
まあまあの映画
なんかクリント・イーストウッドでも撮りそうな映画でした…というか、近々公開になる『クライ・マッチョ』も老人と少年という設定だったような(笑)
こちらの作品は、麻薬カルテルに追われメキシコ国境から逃げて来た少年を、元海兵隊員の男がシカゴに住む少年の親戚の家まで送り届けるというお話。ギャング連中との追いつ追われつの中で、男と少年が心を通わせていく…。
で…
派手な銃撃戦やカーチェイスを期待したんですが、ほぼ無きに等しいです(笑)…無いわけではないんですが(笑)
そんなわけで、リーアム・ニーソンは毎度ながらそつない演技というか、なかなか渋い演技で良かったんですが、ストーリーに今ひとつ面白味が足りませんでした…それこそ、クリント・イーストウッドが撮れば、もっと"いいお話"にしてくれたんでは?…と思いました(笑)
時間とお金に余裕のある方は、どうぞ!笑
*スペイン語の勉強には良いかも…意外と聞き取りやすかったです(笑)
時たま出没するアメリカン無鉄砲おじさん
リアム・ニーソン、渋いですね。
猟銃を持つ姿なんかは様になってるし、物思いにバーで呑む姿もあんなジジイになりたいと思ってしまう。
内容は割と先が読める展開だったし、やはり起きてほしくないことが起こり、最後はチャンチャン、と言った感じか。なので、これと言って疲れはしない。芝居も子役の子がなかなかうまいし、カルテルの連中は本物(いや、組織の連中ではないことを祈る)。
私が思うに、時としてアメリカンムービーにこういう悪と戦う無鉄砲なおじさん出没しますよね。今作もそうだけど、元軍人という自尊心が仇になって(?)、悪と真っ向から戦ってしまうパターン。
冒頭で妻を失って希望をなくした、と言うが、今も大事なものは他にあるだろ、と突っ込みたくなる。
ちょっと話は違うが、数年前にクリント・イーストウッドの『運び屋』と言う映画。あの時も老人が、危機感があるのかないのかわからず、麻薬の運び屋をやり組織の中に足を踏み入れるというのがあったが、カルテルの危険性など誰が考えてもヤバいのに、誇り高きアメリカン爺さんたちは、それすらもはねのけて我が道を行く、というのがいかにもアメリカ映画だなあ、といつも見ている。
こういう人物をアメリカ人は割と好きなんでしょうね。
すごくよかった
リーアム・ニーソンがすっかりおじいちゃん。カルテルの調査力がすごい。敵が少数で、物足りないような気もしなくもないけど、リアルで過不足ない。
お金を燃やすのは見ていてハラハラする。オレにくれ、と叫びたくなる。家もカルテルに燃やされてしまったから自棄になっているのだろうか。お母さんが命がけで託してくれたお金なのにな。
わんちゃん...
おじちゃんと子供と犬の3セットは良いですね。
特に子供が心を開いていく様もとても良かったです。
戦闘シーンは意外に静かで、それでも確実に敵を倒していく様子は興奮できました。
ただ終わり方が昔読んだ漫画の最後に似ていて、その最後が結構心に残っているのですが、それを思い出してあの時の辛さと悲しみが甦ってきて泣きそうになりました。
ジョーを思い出すとは思わなんだ
「あしたのジョー」はラストで死んだのか?眠っているだけなのか?昔はそんな論争をする人たちがいた気がする。メトロポイントのCMに使われているので改めて認知度が上がっている可能性はあるが、熱く語るのはおじさんだけだ。
さて、リーアム・ニーソン主演のおじさんアクション映画の傾向が変わってきている。前作の「アイス・ロード」もそうだったがアクションがめっきり減っているのだ。年だからね、仕方ない。
でも本作はリーアム・ニーソン演じる男が海兵隊のスナイパーという設定。アクション少なめでも成り立つ!ただ、実際に観るとスナイパーとして活躍するところはそんなに多くない。狙撃手だったって描写もあったか?と思うくらい。もう少し狙撃のすごさが表現されていたら点数は変わったはず。
そこ狙う?なんてツッコミもしたらダメかな。いや、どう考えてもチョイス間違えてるっしょ!最後は自分で選べ!みたいにカッコつけてるけど、撃たれたらどうすんのよなんてツッコミも無粋だな。
そしてラスト。ごめんなさい。感動はしなかった。ただ、あしたのジョーのラストのように穏やかな笑顔で終わるんだなと。これどっち?なんてこと考えるのはさらに無粋なんだろうな。
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