劇場公開日 2022年1月21日

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「やや人を選ぶが今週では対抗作には入りそう。」ブラックボックス 音声分析捜査 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やや人を選ぶが今週では対抗作には入りそう。

2022年1月23日
PCから投稿

今年23本目(合計296本目/今月23本目)。

多くの方が書かれている通り「ブラックボックス」の原題「Boite noire」はダブルネーミングではないかな…と思います。

最初こそ飛行機事項が起きてその音声分析がどうこうという話がメインですが、後半はうってかわって「そもそも今解析しているデータそのものが正しくない(=本物ではない)のでは?」という展開になります。
最初に「あぁ、この人犯人かなぁ…」と思っても実はそれはハズレで、後半60%か70%くらいまで見ないとわからないし、仮に「犯人」が誰かということがわかっても、「どうやって仕組んだのか」という「How」の部分(すなわち、Whoの部分とHowの部分)を両方揃えられるのはかなりの後半、残り10分くらいじゃないかなと思います。

専門用語は少なめですが「シルクロード~」とは別の意味で物理などの知識をこっそり要求する(あれば有利程度、の扱い)ところがあります。また、「答え合わせ」の「答え」となる部分に先に気がつくかどうかは、まさかこういう職業の方って日本にもいるとは思うのですが超マイナーかと思うところ、ある程度、理学部よりも工学部系の知識が要求されるんじゃないかな…と思います。

多くの方が書かれている通り、評価はうーん、難しいですね。その問題点って結局「主人が短気過ぎる」とかというところだと思うのですが、それはそれでひとつあるとしても、このような「特異な職業」では起こりうる話だし、誰かを殴ったりはしませんので(アクションシーンなるものは大半存在しない。せいぜい、カーチェイスくらい)、そこはあまり心配はないところです。

日本では実際に過去に大きな事故を経験しているからこそ、航空機の安全ということは今では厳しすぎるほど確保されていますが(そして、島国である日本ではこれを各国にも求めていかないと、外に出ることも怖くてできない)、日本で同じような出来事が(=この事件の「真事情」というもの)起きないことを祈るばかりです。

 ※ 広い意味ではIT技術にも属しますが、IT技術の中でも、車や航空機のプログラミングやセキュリティというのは、「パソコンのパワーを無制限に使える」一般的な議論と異なり、「その車や飛行機に搭載されている最低限のシステムの上に載せていく」という特異な分野です(組込みシステム、といったりする)。

 採点は、下記がきになったところです。

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 (減点0.3) この映画はフランス映画です。よって話されているのもフランス語だし、解析しているパソコンなども大半はフランス語で出ます(コマンドなども)。一方でごく一部だけですが英語を話しているところもあります。

 問題はこのフランス語の部分で、やはり特に端末の表記や各種の機械のラベル等の表記で訳しきれていないところがあります。普通であれば、「ある程度想定がつく」範囲なので減点対象幅も0.2(これのみでは4.5にならない)なのですが、「身近な題材ではない」ということは確実に言えるので(日本でも飛行機の中の公開なんていうのは、年に数回くらいしかやっていないし、ましてこのご時世なので、大半中止されていそう)、そこは0.1加算しました。とはいえ、ストーリーが丁寧なので「何がどうであろうがあまり関係なし」です(英語の知識があればかなり有利です。結局、上記に書いたようにシステム等、汎用的に「どの国でも使われうるもの」は、英語だからで、実際に英語のコマンドを叩いているシーンもあります。

 (減点なし/他事考慮) あの…。大阪ステーションシネマさん…。いや、そりゃ、誰が見ようと自由だと思うけど、朝の10時からビール買って入られた方、もう中では寝言は言うし、突然謎の発言をするし、前の座席はキックするし、もうどうにもならなかったです…(多少の声程度は許容しますが、この映画は本質的に「音」がメインになるので)。
しかも、座席が取られていない(一応、全席解放ですが、みんな気を使って1マス開けるようにしているに過ぎない)からといって、大量の私物を開いた席(=私の左側)に置いたり、そこからレモンケーキか何かの匂いがしたりとか…。

ちょっと映画館側もノーマナー観客対応をちゃんとして欲しいところです。
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yukispica