「どのカットも痺れる、王道冷戦スパイ映画」クーリエ 最高機密の運び屋 tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
どのカットも痺れる、王道冷戦スパイ映画
邦題、いつもこういう方式でタイトルを付けてほしい
ベネディクト・カンバーバッチ主演
ペンコフスキー役のメラーブ・ニニッゼはこの手の役のベテラン
冷戦時のスパイという古典的な作品
アクションはないのでスカッとする作品ではないし、
王道で予想通りの展開、意外性というものが欠けているが
それはそれで良いものがある
本作は当時の雰囲気作りという観点ではピカイチ
ロケーション、カメラ技法が抜群にいい
「これをこういうふうに撮りたい!」を感じる映像になっている。
・印象的に使われる俯瞰撮影
・演者の表情がよく見える撮影
・え?わざわざこの短いカットのためにこの大道具を?
・さり気なく通り過ぎる飛行機
・シャワー室の十字に見えるような撮影
などなど巧みな映像に見える。
適当に早送りして止めたカットもバッチリ決まっている
なんとなく撮ったようなぼやけた構図がない、意図して撮影されたシーンばかり
問題はストーリー面、実話だから仕方がない、というところでもあるが
もう少し切り出し方や演出にはやりようがあったのではないだろうか
個人的にグッと来る展開(というより演出)があまりないのが残念だった
映像は良い
良作
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