劇場公開日 2021年9月23日

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「我々のような人間から世界は変わるのかも」クーリエ 最高機密の運び屋 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5我々のような人間から世界は変わるのかも

2023年4月6日
PCから投稿

”スパイもの”と思って観たら肩透かし。
でもその肩透かしこそこの映画のテーマ。
いわゆる映画的なスパイって実は”物語”で、
実際はこの映画のような話が
スパイのホントの姿?
だとしたら、やっぱり日本にも
”スパイ防止法”は必須ですよね。
でも、もっと本質のテーマは別にあり。
民主主義であれ、資本主義であれ、
憲法であれ、法律であれ、
スパイであれ、軍備であれ、
一番重要なのは”それ”を使う側の人間に
”それ”を使うだけの素養があるかどうか。

キューバ危機を扱った映画は数あるが、
キューバ危機という危機が起こった理由は
フルシチョフという狂人的リーダーが
ソ連のトップだったから。
という描き方。(※西側目線であることは否めない)

現に、”世界を変えた”グレヴィルとペンコフスキーの
間には確実に友情が生まれていたではないか。

現在日本では憲法改正議論が進んでいる様子。
スパイ防止法でも緊急事態条項でも、
その他もろもろ賛否両論議論するのは構わないが
本質はそこにはない。
おまえら政権がその憲法・法律を悪用しないという
保証はあるのか?
百歩譲って、おまえらは悪用しないとして、
将来的に悪用するやつが表れない保証はあるのか?
それが担保されないから、その憲法改正は
骨抜きなのだ。
そして、それを保証するのも政権側の人間だから
一生憲法改正はできないのである。

そんなアホみないた世界を変えるのは、
グレヴィルとペンコフスキーのような
存在なのかもしれない。
と、本気で思える映画でした。

にゃろめ