「全く知らなかった事実に驚きました」クーリエ 最高機密の運び屋 悶さんの映画レビュー(感想・評価)
全く知らなかった事実に驚きました
【鑑賞のきっかけ】
劇場公開時は、全く注目していませんでしたが、動画配信で鑑賞可能となっており、「キューバ危機」という題材に興味を惹かれ、鑑賞してみました。
【率直な感想】
<全く知らない事実>
本作品は、事実に基づいたストーリーであり、英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンは実在の人物とのこと。
「キューバ危機」が核戦争勃発に至らなかった要因は、スパイ活動などと無縁の一民間人がソ連から送り続けた機密情報によるものだった…。
私はその事実を全く知りませんでした。
そういう意味でも、本作品は大変興味深く鑑賞することができました。
個人的には、1962年の「キューバ危機」をリアルタイムでは知りません。
しかし、学生時代、ある教師が「キューバ危機」をリアルタイムで体験していて、連日のニュース報道に、本当に核戦争が起きるかもしれない、と恐怖を感じる毎日だったと話していたのを鮮明に記憶しています。
特に日本人は、唯一の被爆国として、幼少の頃から核兵器の恐ろしさを教わりますから、その恐怖感はとても強かったことでしょう。
21世紀の現代は、当時のような緊迫感はないかもしれませんが、核保有国は核を保有し続けていますし、新たに核保有国になろうとする国もあります。
そういう意味では、核兵器の脅威はなくなっていません。
この映画は、核兵器が本当に使われるかもしれないという事態に陥った時に、自らの命の危険を顧みずに行動する人間がいたという、人類にとっての「救いの物語」と言えるのではないでしょうか。
<ベネディクト・カンバーバッチの演技力>
主演のベネディクト・カンバーパッチは、マーベル映画の「ドクター・ストレンジ」のイメージが強いですが、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」や「1917 命をかけた伝令」などの歴史ドラマにも出演しており、本作品では、そうした作品での演技力が効果的に発揮されていたと思います。
幅広い分野の映画で活躍しており、今後も注目していきたいと思います。
【全体評価】
一民間人が「キューバ危機」から世界を救ったという事実に裏付けられた、大変に見応えのある作品として、高評価したいと思います。