RUN ランのレビュー・感想・評価
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このサスペンデッドな「心地悪さ」の気持ち良さ。
ちょっと、これは良作だす。チャガンティ監督、searchの一発屋で終わらんかったですね。純粋なサイコ・スリラーとしてのクォリティはsearch以上で、久々に「スリラー映画」を堪能させて頂いて満足度、無茶高いですからw
何が良いかって、「母子の秘密」は割と早い段階で想像が付くんですが。イヤ、意図的に匂わすんですが、それを逆手に取って怖がらすと言う技巧です。
「ホントの親子なら殺されるこたー無いだろ?」と言う保険を、トットコサと否定・消し消し。「いや、これ、血は繋がってないから、無残な仕打ちが待っとるかも知れんがな....」
このサスペンデッドな「心地悪さ」の気持ち良さ。って、どっちやねんw
この技巧、お見事です!
更に、最後までやられました。
あぁん?ママへの愛情が残ってたん?
それも気色悪いよね.....
と思いきや。ママの表情が、ちょっとオカシイ。
地味な復讐が、最高に好きですw
3作目も、妙に風呂敷を広げずに、狭くてニッチな世界&地味でリアル感に溢れる脚本で、映画としてのクォリティを追求して、90分に収めて欲しいですぅ、ポンポw
※ただ今、90分に収まる作品には、漏れ無く0.5点のポンポ加点を付けてますw
凄い!
上映時間、中だるみなし、伏線回収、オチ。どれを取っても完璧。
レビューの評価は普通みたいだけど、個人的にはパーフェクト!
しかも実話の元ネタあり。
サイコ?サスペンスかな?スリラー面白い!
今年何か一本だけお勧めあります?って聞かれたら、間違いなくこの映画を推す。
映画マニアの方は観てみて欲しい。
年間数多封切られる中で危うく埋もれてしまう作品がある中にキラリと光る一作品。
上映終わる前に観ておいて良かった。
21世紀母娘版ミザリー、というより底深く怖かった。
あ、また緑のお薬。確かネトフリの『クイーンズ・ギャンビット』にも出てきた、主人公が児童養護施設で飲まされたり、養母のものを拝借してたりしていた依存性のある精神安定剤的な?、、、と早とちりしたのだが甘かった。
全編やりすぎで極端な寓話だとは思う。
それだけに、まるで他人事とみてはまずいんじゃないか。この中の1滴でも同じようなこと
を自分も母親にされたことあるんじゃないか?娘にしてないか??と思い至ったりして、後味はよろしくなかった。キャシイ・ベイツの怪優っぷりが懐かしい『ミザリー』がマイルドにすら感じてしまう。
ともあれ、娘さんのサバイバル根性には元気づけられた。障害があったとしても若いってすごいなあ、なんて、ね。
見応え十分の傑作
主人公のクロエを演じたキーラ・アレンの演技が秀逸。足が麻痺して歩けず、喘息で激しい運動が出来ない上に吸入剤の随時の吸引が必要という肉体的に厳しい状態のときに、よりによって唯一の拠り所である母親に疑いを持たざるを得なくなる。
伏線は至るところに用意されている。大学で教えていると思しき母親に、家での独学ながら大学の受験資格を得るほど優秀な娘。SNS全盛のこの時代に高校生の娘にスマホさえ与えない母親。毎夜毎夜、確かめるように娘に薬を飲ませるが、娘は翌朝、必ず嘔吐する。届くはずの合否通知がいつまでも届かない。
もはや母親の悪意は確定的だ。どうすればいいのか、自分に何が出来るのか。そこからクロエの逃避行動が始まる。タイトルの「RUN」は本作品では「走れ」ではなく「逃げろ」の意味に思えた。
下半身不随の上に腕の力も人並み以下のクロエ。家に閉じ込められていたが故に何の人脈もないクロエ。それに対して、健常者であり社会的地位も信用もある母親。絶望的にも思えるクロエの戦いに、観ているこちらも肩入れして力が入る。弱者の代表みたいなクロエだが、母親から教育された学問の知識がそこかしこで役に立つ。皮肉なものである。
母性は時として思わぬ方向に暴走する。その顕著な一例をチャガンティ監督は母親に対する娘の戦いとして、観客をハラハラさせるサスペンスに仕立て上げた。カメラワークが大変に素晴らしく、見応え十分の傑作である。
お薬の時間です
いや毒母ってゆうか、親ですらないのか笑
出だしから、この映画怖いので皆さん構えてみましょうね!ってゆう音響と映像すぎて、少し興醒めでした(ビビリなのでちゃんとずっと怖かったです)
徐々に真実がわかっていくドキドキと、母の狂気が増していくハラハラは、スリラー映画として楽しめました。
最後のお母さんの表情とやつれた姿がわかった瞬間のゾワゾワ感で、エンドロールに向かう余韻がとても病みつきになりました。
毒親物語
上映時間を90分に収め、過剰で派手な演出はせず、手堅くしかも確実に観客に恐怖感を味あわせてくれるプロの監督だと感心しました。評判になっていないのが残念です。
なぜ、毒親になってしまったのがちょっと理解に苦しみます。娘が自立して、親から巣立つのが嫌なのか、その点がよく描かれていません。惜しいなと思いました。母の背中にある深い傷跡が怖い。何があったのかと連想して、暗い過去を思い起こせます。最後のオチは余分に思えます。
ラストのオチが一番怖かったです。
とても面白かったです。
グロテスクな映像で派手に驚かしてきたりするというわけではありませんが、じわじわと精神的に追い詰められるような恐怖体験。よくできているスリラーでした。
母親の過去や母娘の秘密にどんでん返しもあるし、ラストのオチもいい。オチが一番怖かったです。
監督のアニース・シャガンティは前作もですがとても面白い映画を作りますね。今後も期待大です。
母vs娘、シンプルなのに面白い!
体が不自由な少女が、献身的に世話をしてくれる母に疑念を持ったことから、決死の逃亡を図る本作は、ほぼ母娘しか登場せず、家の中での描写がほとんど。プロットもシンプルで、なんとなくオチの予想はつくけれど、それでもしっかり最後まで楽しめるのが凄い。
体の自由はきかなくても、頭をフル回転させて母の怪しい行動を解明していくクロエがカッコいい。自身が母にどう思われてもいるか分かったうえでピンチを自分の力で乗り切るべく行動する姿にシビれました。
90分という短い尺もテンポが良くて観やすかったです。楽しく観れて満足!
マザー版サイコスリラー!!
日曜日に観に行ったのですが、僕入れて観客7.8人でした。これが平日だったらもっと少ないのかな〜???。怖さで表すと中級者ぐらいでした。サイコパス係でした。お母さん役のサラ・ポールソン狂ってました!!愛のあまり(゚∀゚)これは愛ではないけど!!もはや虐待(*_*)娘クロエ役のキーラ・アレンも演技よかったです!!緑のグレーカプセルはどんな薬なのかネットで調べるも繋がらず、薬剤師さんに聞いてその薬の招待がわかった!!なんと人間が服用してはいけない薬だった!!もしその薬を人間が飲んだら足の感覚麻痺とか起こるらしい!!ダイアン、なんて女だ!!終盤に進むにつれ、衝撃の真実が明らかになっていく!!特に病院のシーンはハラハラしました!!そしてラスト、変わり果てたダイアンの姿!!最後のオチは「そう来たか!!」となりました。最後のクロエのセリフ『お母さん、お薬の時間よ・・・』以上。 〔2021年6月20日鑑賞〕
スリリングな展開とモヤモヤ感
車椅子生活の娘を、賢く力強く自立できるように育てる母親。
しかし、偶然母親の用意する薬に娘が疑念を抱いたことから、緊迫の攻防戦が始まり、最後までハラハラしながら見ることができました。
スマホもない、自由に外に出ることもできない娘が、あの手この手で薬の情報を得たり母から逃れようとしたり、考えながら逞しく行動する様子は、スリリングかつ応援したくなります。
また、今まで信じていた人間、最も近しい母親が、危険な人間なのではないかと不安になってゆく様子、恐怖も印象的です。
しかし、母親の狂気の源、母親が何故そこまでこだわるようになったのかがあまり描かれていないのは、モヤモヤしました。
母親の背中の傷は何だったのか、気になりますが……。
どこか見落としていたのか、はっきりと描かれていなくとも過去に虐待を受けていたことを示唆しているのか。
とは言え、具体的な過去や心情の描写がないことで、世の中の毒親の理不尽な狂気を象徴している存在というようにも感じます。
子供への異様な執着振りや、ひたすらあなたの為だとか言う身勝手なセリフなど、まさに毒親という感じで。
明確な理由が分からない方が理不尽で恐ろしく感じますし、あえてモヤモヤさせられてるのかもと。
自ら大学受験できるまでの賢さと意欲のある娘に育てておいて、何故今妨害するのか、矛盾しているような……とも思いましたが。
この母親は、子供を懸命に看病することで周囲の関心を集めたいという代理ミュンヒハウゼン症候群のような感じで、それに加え学力の高い優秀な子供を育てることで自分も優秀だと証明したいタイプなのかなと。
優秀な子供を育てる自分に満足していたのが、いざ独立されるとなったら、色々と不都合な部分が露見してしまうから、という感じなのかなと解釈しています。
ラストも、負の感情の連鎖があるように感じ、良くも悪くも微妙にスカッとできず考えさせられます。
母親とは完全に縁を切って幸せになってもらいたいですが、やはりそう簡単に復讐心は断ち切れないものか……とも思います。
母親役も娘役も迫真の演技で、スリリングな展開は大いに楽しめつつ、毒親の影響を考えさせられる作品でした。
いい九十分映画、誰かが表現してた現代版サイコラプンツェルの意味がよく分かる。
非常にわかりやすく非常に面白い。監督のファンが一人増えました。
所々ゾクっとする感じもありつつ、実際にありそうな内容。
結局のところ人間は怖い。これに尽きます。
監督はインドの方というところも、当たり外れの波がすごいけれど大好きなシャマラン監督のようにお気に入りです。
編集もすごく上手く収まっていて面白い。軽い気持ちで是非見て欲しい映画です。
上映中
スマホで薬の名前を調べたくなってそわそわしたのは俺だけではないはずだ!
1時間半程度の長さで、最初は親と障害をもった娘でどうなるんだろうと思うが怪しい薬を飲まされてる事を自覚し、疑念に変わってからが徐々にホラーのような展開に!
とにかく母親が怖い!最初は過保護ない母親なのかな?と思いながら見ているがこれはちょっとおかしいな?と、後半真実が明かされてからはまあまあありそうなネタだと思いきやラストの娘の行動がまた怖い。不自由な体だと健常者の異常な行動は恐怖になる事がよくわかる作品。
前作『search サーチ』とは真逆、説明を敢えて端折った引き算が残す不協和音が印象的なハリウッド版『洗礼』
人里離れた郊外の一軒家で母ダイアンと二人暮らしのクロエは幼少期から病弱で毎日の服薬が欠かせず車椅子での生活を送ってきた高校生。そんな不幸な生い立ちにもかかわらず母の手厚い保護の下勉学に勤しみ、ゆくゆくは大学に進学して自立することを夢見ていた彼女は、母の買い物袋の中に入っていた緑色のカプセル剤を見つけその成分を調べようとして自宅のPCがネットに繋がらなくなっていることに気付く。不審に思ったクロエは母に悟られないように機転を利かせながら真相に迫ろうとするが二人の過去に想像を絶する闇が広がっていることを思い知らされる。
全編をPCとスマホのディスプレイ映像だけで構成した斬新なスリラー『search サーチ』で一世風靡した新星アニーシュ・チャガンティ監督が今回繰り出したのはバカみたいに正統派の心理スリラー。『不意打ち』、『恐怖』、『ミザリー』といった体の自由が奪われた絶体絶命が描かれたスリラーの傑作群に対するリスペクトがコッテリと滲んだ禍々しい曇天の下で繰り広げられるテンションが張り詰めたサスペンスが見事。そしてそのサスペンスを背後から盛り上げているのが、冒頭以降時折放り込まれる意味深なカット。それらに対する回答が中途半端に放棄されているので、ダイアンとクロエの過去にある途方もない闇の中に観客が勝手に物語を想像できる余地をたっぷり残しています。全てをスクリーンにブチ撒けた前作に対して引き算で余韻を残すアプローチでも前作に匹敵する不協和音をしっかり響かせる監督の力量に、新作ごとに異なるアプローチで作品を仕上げるウルグアイの奇才フェデ・アルバレスの作家性と通じるものを感じました。
穏やかに微笑んで見せるだけで観客の神経を逆撫でする恐怖を漂わせるダイアン役のサラ・ポールソンも最高に不気味ですが、オーディションで本作に抜擢されたという新人キーラ・アレンが体当たりで演じたクロエが大抵の観客が勝手に期待していた結末をシレッと裏切るのがたまらなく深いです。唐突なしてやられた感で鼻腔の奥がスッとする心地よい不快感は小学生の頃に読んで血の気が引いた楳図かずおの『洗礼』に匹敵するものでした。傑作です。
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