「政府には一泡吹かせることができるが国民からは総反発をくらう」モーリタニアン 黒塗りの記録 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
政府には一泡吹かせることができるが国民からは総反発をくらう
スラヒ氏の手記が出版されずこの作品も観なければ、グアンタナモに収容されているモーリタニア人のことなど関心もなく、テロ後の米国の人たちと同じようにアラブ人に対してネガティブな感情を持ったままであろう。
今よりもまだまだ報復の感情が納まっていないあの当時、無罪の確証もない外国人のために政府を相手にして、弁護を引き受ける。誰であれ裁判を受ける権利があるとの法に基づく信念。
たとえ上官の命令であろうと、無実であるかもしれない誰かを、誰でもを、死刑にはできないというキリスト教徒としての、法律家としての信念。
どれほどの拷問を受けて、理不尽に何年も拘束されても、許す(自由)という信仰と希望を忘れない信念。
(最後の法廷での彼の証言は感動的)
映画化にあたっても国民の反発や政府の圧力などがあるだろうに、こういった作品がメジャーな作品として制作公開されるのは、信仰や法に支えられた信念を持つ人が、クリエイターの中にたくさんいるからだろう。
アメリカの良心というか、こういう作品が時々出てくるアメリカってやはりすごいな。
若い人たちにこそ観てほしいし、観るべき作品だと思います。
今晩は
度々すいません。
今日、プランBの「スイング・ステート」を観たので、ベネディクト・カンバーバッチの立ち位置が、少しブラッド・ピットと重なりました。
「クーリエ 最高機密の運び屋」でも感じましたが、ベネディクト・カンバーバッチには、映画製作に関わる事と、ご自身が出演する事の両立をお願いしたいです。
BBC制作の「SHERLOCK」の頃から、好きでしたが、凄い俳優さんになって行くなあ、と思っています。では。
今晩は。
”若い人たちにこそ観てほしいし、観るべき作品だと思います。”
仰る通りですね。
9.11を知らない世代が増えている昨今(今や、3.11も風化しつつある・・。)今作は、”テロリズムは何も生み出さない”と言う強烈なメッセージを発信した作品であると思います。
この映画が、BBCで製作された事。
又、カンバーバッチは、佳き役者でもあり、優れた映画クリエイターになって行くのだなあ、と思った作品でもありました。では。