プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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悪くはないが1980年代ストーリー
未婚サイコ女のヤバいストーリーかと思って見始めたら、サスペンス風になり、その後は女性の成長物かと思わせて最後は復讐劇になりその後は・・・。かなり展開があるので飽きないで見れました。
しかし何故か主役もメグライアン風でフィルムは1980年代の香り。
私世代は何とか見れますが若い人に興味を持たれるのか不安になりました。
キャリー・マリガンの一途な思いに宿る崇高さを見届けて欲しい
どんなに歪んでいたとしても、一途な使命感には崇高さがある。
なにしろキャリー・マリガンです。
くたびれたアル中の中年女性のようにすら見えたかと思えば、幼げで儚くて守ってあげたいと思わせる月見草の花のような可憐な美しさを湛えて微笑む。
プロローグと5章の本編から構成されています。
話の方向性が意外と曖昧なのですが、彼女は一体どこに向かっていくのだろう?という微妙なさじ加減が興味を掻き立て続けるので飽きることはありません。
その間のキャリー・マリガンの表情や出立ちもまた程よい味付けとなってるのです。
性犯罪における女性被害者側の救われなさと永遠とも思える終わらなさ。
それを被害者本人やその家族ではなく、彼女をリスペクトする友人の立場から描くことで、加害者男性の罪深さがより客観的に浮かび上がってきます。
過去に何度も描かれてきたテーマなのに、改めて重く突き付けてくるという意味では、『グリーンブック』に匹敵します。差別とレイプ犯罪というテーマの違いはありますが。
恨みや復讐は何も生まない。
前を向いて生きていくしかない。
それが正論だと思いますし、できればそうでありたいと私も思います。
それでも冒頭に書いたように、敬愛する友だちの無念を晴らしたいという純粋で一途な思いには、侵し難
い崇高さが宿るのも事実です。
「告発の行方」から30余年
表現の責任と可能性
"What are you doing?" エメラルド・フェンネル × キャリー・マリガンの本気!社会の闇に目を向ける強烈な一打にガツンと面食らい、何より改めて考えさせられる。大胆かつ挑発的に観客を刺激する。筋肉身体的にどうしても不利な女性が男性の愚かで残酷な行為によって、どれだけの消えない傷を負うか。下半身に脳が付いているようなナニで考える連中によって、被害者が被害者として身体的のみならず心の傷も世の中的(=SNS等ネット社会における風評被害、匿名性を利用した卑劣なイジメ)にも、その後の人生を滅茶苦茶にされてしまうか。時には命を絶ってしまうほどに。全男どもが見て悔い改めるべき。
将来を約束された若い女性に何があったのか?胃のキリキリするような居心地の悪さから生まれるサスペンスやスリラー的内容からの衝撃展開とほんの一握り少しのユーモア、コメディ側面。それらを支え引っ張るのは紛れもなくキャリー・マリガンのキャリアトップレベルであろう熱演。同様の事件などが報じられる度に言葉にならないような怒りを感じていたので正直、本作についてはあまり多くを語りたくない。ただ、それだけ脚本賞受賞も納得の攻めた内容で、最後まで捻りが効いていた。表現の責任と可能性として新たな視点、新鮮さに満ちていた。高校の授業などで見せられるべき。
全身全霊の復讐劇
全国公開日よりも1週間早くTOHO日比谷にて先行上映が行われてるとのことでこの度先立って鑑賞。TOHO日比谷ではこの様な先行上映が度々行われる作品があるのでファンとしては毎度感謝の気持ちで一杯だ。
主人公のカサドランドはもう成人してだいぶ経つ年齢だが(具体的な年齢の描写はなかったが30歳超えたくらいか)近くのカフェでパートの様な働き方でいまだ両親と実家暮らし。
大学も医学部を中退し両親とも会話が少なく隠し事の多い生活を送っており両親も心配している。
そんな隠し事の一つにバーなどで酔っ払ったフリをしてわざと持ち帰られるフリをして、部屋で2人きりになったら相手を脅しそれを手帳に数を記録するサイコパスな日常を送っている。
そんな中ある日大学時代の同級生ライアンと出会い恋に落ち付き合う。その同級生で出会った事でなぜカサンドラがこの様なサイコな日常を送っているかが明らかになる。
結論としては幼なじみの親友ニーナが大学時代に同級生からレイ●の被害に遭いそのショックで死んでしまったようだ。追う様にカサンドラも自身にも責任を感じ大学を辞めいまだにその事件に囚われてしまってるが故の日常なわけだ。
そこでライアンと出会う事でニーナに被害を与えた同級生に直接復讐を与える事ができるチャンスだと捉え行動に出る。その過程の中でライアンも傍観者とはいえ加害者の1人である事を知り絶望し、最後は自分の命を落としてまでニーナ事件の加害者達に復讐を与える事で作品は終わった。まさに全身全霊の復讐劇であった。
公開前の情報として予想を絶する結末がみたいな記事をいくつか目にしたが率直な感想としてはその点においてはあまり感じる事はなかった。登場人物も少なくまた冒頭から一貫して過去にレイ●被害か何か大きなトラウマを抱えてる事がわかる描写が続く。
その為最初のサイコな行動の動機にも特に予想を超える事もなければライアンの存在もまぁ予想の範囲内の人物設定だった為この辺りのサプライズな展開はあまり楽しめなかった。
そうなるとカサンドラのサイコな行動に注目したくなるのだが、行動自体はサイコかもしれないがその行動描写も詳細に描かれているわけではないためイマイチピンとこない。
復讐劇としては全体的に満足感が若干薄めだったかなといのが率直な感想であったが、ただカサンドラは復讐をやり遂げるという執念でなんとか生きている事はできたがニーナが死んでしまった時、そして大学を中退した時点からもう彼女は死んだと同然だったのだろう。その為殺される事で復讐を果たしそしてニーナと同じ所にいくことができたのは本望だったのかもしれない。
その辺りの切なさは楽しめる作品だった。
ただ音楽の使い方だったりこれから行動に出る時の描写なんかはかっこよく描かれていて惹きつけれる。
期待値が少し高まり過ぎてその期待や想像を超える事はなかったがそれでも十分楽しむ事ができる作品ではあった。
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