「誰の視点の映画だったか」茜色に焼かれる まんにんさんの映画レビュー(感想・評価)
誰の視点の映画だったか
茜色に焼かれる
をレイトショーで見ました。
正直、感情が追いついていくのが大変だった。
自分では、しないだろうと思う事がたくさんあった。
同級生に風俗で働いていた事を話すこと。
旦那の浮気相手の子供の養育費を払い続けていること。
賠償金をもらわなかったこと。
念書まで弁護士に渡していること。
などなど
プライドや生き方なのだろうけれど、普段は『まぁ頑張りましょう』と流してしまうが、それを風俗同僚のケイちゃんに酒を飲んで、泣きながら吐き出してしまう。
とても辛く、憤りを感じ納得できず我慢して、生活の中で演技をし続けていたのだろうと思いました。
冒頭のシーンの字幕で
『田中良子は演技がうまい』
だったかなぁ。書いてあったので映画を見ている間、頭を離れなかった。
男だからわからないのか。
自分がまだ彼女達に比べれば幸せだからわからないのか。
心が不純だからわからないのか。
息子以外の男は
皆んなひどかった。でも多かれ少なかれ皆んなそうだ。リアルに描かれていた。オダギリジョーや永瀬正敏もカッコいいけど、どうしようもない。
尾野真千子さんはもちろんだが
ケイちゃんもよかった。
尾野真千子さんを演技で食ってしまいそうなシーンも多々あった。
片山友希さんよかったです。
ケイちゃんの自死も気持ちではわからなかった。
生きる事に意味がなくなって自死したのか。
息子とデートの約束や
尾野真千子さんとカフェを一緒にやろうとと話されたこと。
それではダメだったのか。
または
自分が醜く死んでいくのを純平に見せたくなかったのか。
それともヤクザな彼氏とどうしようもない父親に頼る事も出来ず、増してや田中良子などには、彼女達の人生に負担をかけるような迷惑をかけられないし。
これからの闘病生活を考えればお金もかかるし世話をしてくれる人もいない。なけなしのお金を全部渡して死んだのか。
悲しすぎる。
最後に息子のナレーションで
これが私の母親です
とんでもないけど大好きだ。
みたいなことが、確かセリフであったが、
この映画は息子の未来からの俯瞰した視点から、
訳の分からない個性的な難しい母親と父親に対しての愛情溢れる思い出の物語でもあったのか
とも思いました。