「ありがとう全てのエヴァ…じゃなくて」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう全てのエヴァ…じゃなくて
いやスパイダーマンなんだけどね
なぜこう思ったかは後述
まだ一回しか見ていないプラス興奮等でどんどん精神状態が不安定なっていく状態だったがとりあえずの感想は
全てのスパイダーマンファンよ!ありがとう!
そしておめでとう!
以下項目別感動ポイントまとめ
1:マルチバース化 という仕掛けの使い方
予告から感じ取っていた本作の方向性、そこから感じる期待と不安等、コロナ始まって以降で一番映画館に行く前からハラハラしていたが、その不安を払拭しかつ期待を大幅に越えてきたことがまずは第一の感動ポイント。
(見る前から勝手に考えすぎるのは完全にスターウォーズ病だな…)
今作、予告の段階から過去のスパイダーマンシリーズとのクロスオーバー=マルチバース化がストーリー上大きな「仕掛け」になっていることは周知されており、見る側からするとそれがしょーもない「仕掛け」止まりなのか、ストーリーが語る「テーマ」の部分にまで落とし込まれているのか、が不安だったが、今作はこの難題を見事消化してくれていると思う。
今作の構造大きく言えば、こういったアイコン化したキャラクターのいるシリーズで時折見られる
自分は何者なのか…
を問う作品と内容となっており、この手の例でよく出てくる「スカイフォール系作品」とでもいうジャンルだと思う。
ネタバレ注意のレビュー前提なのでハッキリ書いてしまうと本作はそれを
スパイダーマンというキャラクターおよび作品が歩んできだ歴史、さらにはその当時の登場人物達をも巻き込んで再登場させ問う
という、いや馬鹿なの? でもよく考えたらそれしかない! というあっぱれな志の作品だった。
最近見たやつの中だとシンエヴァンゲリオンにも近い雰囲気。あれも 作品シリーズ というところまで最後は目線が下がってきて 丸々ひっくるめて… という話だった。
とにかくマーベルはこういうのを本当にきっちりやってくる… 凄いしなんなら少し怖い笑
2:あいつら大集合!
予告見てわかってたはずなのにまずドクターオクトビアスが出てきたところで身震い。マジで出てきたよ!
敵シリーズだとやはりグリーンゴブリンは別格。
特に オズボーンとその中にいるもう1人の自分グリーンゴブリン という構図が ピーターパーカーともう1人の自分スパイダーマン という今作の葛藤に綺麗に落とし込まれていた所が本当に凄い。その構造に気づいた時に いや、作り手の解釈のレベル高すぎ… と泣いてしまった笑
あとはなんと言っても…
いや、正直わかってたよ 多分そうだろうなとは思ってたけど
あのピーターパーカーと あのピーターパーカーが出てきた時! 泣くわ! チューイ…ウィーアーホーム に匹敵するぐらい おかえり!! と言ってあげたい気持ちになった。
あの2人が喋り動いている全てが感動的でもう…
さらにはあえて若干の溜めを経てからの満を辞しての三人でのスウィングシーンからのバッチリ決めポーズ!
ズルイって!
やはり今作最大のアゲポイントはここでしょう。
3:過去作への救い
今作みたいな旧コンテンツを多用する作品は気を抜くと
2で上げたような 懐かしがり みたいな部分だけ前に出てきがちだけど、今作は彼ら登場人物を 救う という大きな目的をゴールにして突き進むのがまた良い。
これが今作のピーターパーカーの成長という部分として貫かれた上で、併せて過去シリーズ達の作品としての立ち位置も救うような流れになっており、この映画を見た人みんな
帰ったら昔のスパイダーマン見よう!
と絶対なるようにちゃんとできてて素晴らしい。
特にアンドリューガーフィールド…
あの救出シーンが今作で一番泣いたかもしれない
色々とこねくり回された結果、直後のトムホランド版が軌道に乗り一番立ち位置的に微妙にされてしまっていた彼のシリーズがこの映画を見ると本当に愛おしくなる。
こういう 作品を救う 的な構造もシン・エヴァに通ずるものを感じる。
4:大いなる責任には…
ついに今作でもこのセリフが登場。
トムホランドのスパイダーマンは今まで学園物的な側面が過去シリーズより強調されておりそここそ魅力であったがついに今作でこの領域まで来たということか…
前半とラストのスパイダーマンとストレンジのやりとりが、彼の成長をわかりやすく対比するようになっており
自己犠牲的な選択を取る彼の苦しい成長に思わず涙…
そして身をもってその成長を後押しして退場していくメイおばさんに涙…
5:それでも俺は…
1にて スパイダーマンとは何者なのかを問うのが今作 と書いたが、本作 最後は
この世の全ての人に自分が忘れ去られる
という そんな… という展開。
しかし、それはピーターパーカー=スパイダーマンが自分が何者なのか その問いに向き合った果ての結末であり 最後は 世界中の誰も知らないけど、俺はそれでもピーターパーカー=スパイダーマンだ と街へ繰り出していく…
おじさんは少し寂しいけど、でもこれからもスクリーンのこっち側で君を応援するよ!頑張れ!
本当に大満足な作品だった。
スパイダーマン万歳
以下はツッコミどころ、不満とか ではないけど一応…
ストレンジさん。もうちょっと上手くやってあげてくれませんかね笑 自分の自作にまで続くやらかしですよ。
ていうかピーター来た時に最初に断れよ!笑
あと、ドクターオクトビアスが最後のバトルで戻ってきた時一瞬悪者に戻ったフリする件はなんだったんだろう… 普通に颯爽と助けに現れればいいじゃん笑
最後に
オズボーン=ピーター という葛藤の部分がもっと最後明確に回収されてもよかったんじゃないかなぁ とも思ったり… よりマルチバース化したカタルシスが高まったような気がする どうしたらいいんだと言われたらわからないけど
いやでもとにかく最高!
MJはあのシーン アッセンブル! って言ってもよかったぐらいよ また見たい!
素晴らしいレビューです。
過去作の救いというのは本当にその通りだと思います。
アメスパは当時不評な意見が多かったですが、アンドリューは「愛してる」というぐらいスパイディが好きってことが分かって泣きました。
ありがとう全てのスパイダーマン状態で、これからどうなるのか続編が心配なくらい今作が素晴らしかったです。