「タイトルが決め台詞になる心地よさ」鳩の撃退法 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルが決め台詞になる心地よさ
いやー面白かった。津田をはじめとするクズな連中が引き起こす数々の出来事は、一見、関係がないように見える。それがピースとして繋がっていき、全容を見せられた時の快感。ミステリー好きにはたまらない作品に仕上がっている。
藤原竜也演じる津田は、直木賞をとった有望な若手作家だったのに、地方都市でデリヘルの運転手に身をやつしてしまっている。周辺から愛されるクズな感じがよく出ていて、いい感じに仕上げてきてるよね。元々、藤原竜也は、コワモテの人にボコボコされる姿が似合っていることもあって、津田はまさにハマり役。
そんな津田の周辺には、如才ないデリヘルの社長や、男に騙されるデリヘル嬢、こけおどしで威嚇するチンピラなど物語を面白くしてくれる人間がいっぱい。その中でも、沼本(ぬもと)さんは特に印象に残るキャラクター。西野七瀬のぶっきらぼうな表情がすごく良くて、そこからブラックなユーモアをかましてくれるし、津田との掛け合いがたまらない。
津田が語っていることは、どこまでが本当のことなのか、倉田という闇のボスは存在するのか、最後まで興味が尽きることなく、グイグイ引き込まれた満足の一作でございました。
タイトルもぴったりすぎる。
コメントする