「バレる嘘」鳩の撃退法 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
バレる嘘
27日公開作品の本命1本観てきました。
全体的に中盤までは複雑なシーンが多かったが故に混乱しましたが、後半で一気に伏線を回収していく流れはとても気持ち良かったです。
藤原竜也さん演じる津田が、ボサボサボロボロの状態から、綺麗さっぱりした状態になるのを繰り返すので、今の時系列がどこにあるのかなと思い、集中できない場面はかなりありました。リアルタイムでことが進んでいるように見えて、小説の文字が演技をしているかのような小説家の脳内を見回っているような感じでした。そこんところはワクワクしました。
津田が某デップーみたいに観客側に語りかけてくるのも面白いです。若干詰まっていた場面を切り開くには丁度いい塩梅になっていました。
物語を作るために、様々な場所を渡り歩く制作過程が物語の肝ですが、放り投げた部分も多かったです。家族失踪事件はかなり深掘りされているのですが、偽札は触れてはどっかに投げて、またちょっと触れてはどっかへ投げての繰り返しだったので、この事件はイマイチ面白さが感じられませんでした。あと秀吉(風間俊介さん)と郵便局員が秀吉の奥さんを巡るのもあまり感情移入できないです。娘がいるのに、不倫してその上子供を作って、それを秀吉になすりつけようとするれっきとしたクズです。それでも守り抜こうとして、車を暴走させたり、抵抗して殴られる理由も?です。
ヤクザも面白いくらいコテコテのヤクザで、ひたすらの暴力や、日本刀まで抜く始末ですから、色々と時代錯誤があるなぁと思ってしまいました。あと縄で縛り付けて吊るすのは半年前に似たものを見たような…
でも、終盤に一気に物語を解決していく、小説の完成までを辿る怒涛の伏線回収はとても良かったです。スピード感もさることながら、ノイズになっていた部分をさっぱりとまではいきませんが、取り除いてくれたので良かったです。
最後秀吉が津田に本を返す展開ですが、なんでバーの場所が分かったんだろう…最後に結局ノイズが復活しました。
トータルでは否よりになってしまいますが、役者陣の演技が最高でした。出番は多くありませんでしたが、西野七瀬さんの懐いてんな〜って感じが良かったです。期待通りとまではいきませんでしたが、役者の好演を見るには最適な一本です。あと劇伴めちゃいいです。
鑑賞日 8/28
鑑賞時間 10:55〜13:05
座席