「登場人物全てが謎に絡む秀逸なミステリー」鳩の撃退法 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
登場人物全てが謎に絡む秀逸なミステリー
ミステリーとしては秀逸で、面白い。
脚本もよく練られていて、見ごたえ十分。
冒頭から、ほんの端役と思ったすべての登場人物が重要に仕掛けに絡んでいくタイプの作品で、気が抜けない。
原作から端折った部分が多いのは気になるものの、本編の面白さを損ねるほどではなく、うまく映画としてまとめ上げていたと思う。
ただ、全てを説明してしまうタイプの作品ではない。
映像から意味を読み取り、想像力を駆使して楽しむ必要がある。
そこに少々ハードルがある気がした。
さらに現在の高円寺から、過去富山であったことを回想しながら推理するスタイルのため、時系列の往復が激しく、混乱する人も多いかもしれない。
また、登場人物に「人としてどうよ?」みたいに壊れた人格が多く。
まともな人は、沼本(西野七瀬)と、古本屋店主・房州(ミッキー・カーチス)くらい。
なので感情移入先が難しいのでは、という懸念も感じました。
それはそれとして、堀込高樹(KIRINJI)のPVと言えるレベルで、濃密なKIRINJIサウンドが充満していてかっこいいです。
カバーした陽水の「氷の世界」と、主題歌「爆ぜる心臓」は必聴。
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