「映像的な楽しさ、展開力を堪能」唐人街探偵 東京MISSION 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
映像的な楽しさ、展開力を堪能
大ヒットシリーズの第3作目にあたるそうだが、日本の観客にとってはむしろ本作こそイントロダクションとして最適なのは間違いない。筆者は当初かなり身を固くして見始めたものの、ものの3分で陥落。心の武装解除を味わった。日本の空港に降り立つや、カットがかからぬまま展開していくフラッシュモブにも似た攻防戦のぶっ飛んだ楽しさ。そこから電車に乗り込んで繁華街へと繰り出していくまでの流れも言語を超えた映像的な展開力が際立ち、なおかつディテールまで緻密に描かれているところも驚かされた。日本的なところをあえて強調して描く場面はあっても、外国映画でよくある”変な日本”は見当たらない。そして妻夫木聡をはじめ日本人キャストもうまくハマっていて、脇役ながらバックで印象を刻む六平直政の使い方などよく研究されているなと感心した。細かなストーリー以上に、映像的な面白さ、突拍子のないテンションの楽しさを久々に味わった気がした。
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