劇場公開日 2021年12月31日

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「純愛ものではない」明け方の若者たち cooloctopusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0純愛ものではない

2023年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

最初、「花束みたいな恋をした」的な映画かと思って見始めました。
というか脚本自体、多少そっちの方向にミスリードしているようなところもあると思いますが、実際はそういう話ではなかった、というのがこの映画のプロットの核心にもなっているわけですけど。
北村匠海は、夢を持って社会に出たのに、壁に当たってもがく若者という、ともするとステレオタイプな役柄をそれなりに熱演していると思います。
それに対して、相手役の黒島結菜は、ちょっとミスキャストではないかな?
この役をやるなら、もう少しメンヘラ的な感じだったり、陰と陽、奔放と貞節といった二面性を感じさせるような女優さんでないと。
ちなみに、ラブシーンが思いのほか濃厚で少々驚きましたが、そこでも、黒島さんでは肉体的魅力に乏しいためか、北村匠海の腰の動きばかり見せられ、苦笑してしまいました。

前述の核心とも関連する話ではあるのですが、あれの前後で物語のトーンが変わってしまうため、この映画は結局のところラブストーリーでも青春群像劇でもなく、どこか中途半端なものになってしまったような気がします。
もちろん、原作があるので仕方ないのでしょうが。
それと、要所要所で挿入される音楽の使い方や選曲が非常にチープで、興ざめしました。

女優のキャスティングと音楽の使い方次第では、もっとずっと良い映画になったのでは?

cooloctopus