「1990年前後生まれ、東京の人向け」明け方の若者たち いしばしさんの映画レビュー(感想・評価)
1990年前後生まれ、東京の人向け
35本目。
時代は10年前から現在にかけて、舞台は東京。北村匠海が演じる主人公は当時大学4年生だ。そのため、その時代に東京で大学生をしていてそのまま東京で働いた人にとってはドンピシャの作品だと思う。
主人公は何者かになりたい自分を探し求め、これじゃないと現状に不満を抱いて同志達で主張し合う。しかし、その青臭い自意識とは裏腹に、次第に社会に順応せざるを得ないと諦観を抱くようになる。生きていくためには仕方がないと。
彼は恋愛も上手くいかなかった。途中で明かされる交際相手が既婚者という事実。当の本人達ははじめからそれを承知で交際をしていたが。それを長い時間引きずっているようだった。
この映画は仕事も妥協し、恋愛も上手くいかないが、それでも人生が続いていくというメリーバッドエンドの形をとっている。また、主演の二人は目の保養になった。特にヒロインの女優。
昔は良かったなと感傷的になる一方で、こうなったら嫌だなとモヤモヤもする。まだ青臭さが取れていない夢想家なんだと思う。好きなように生きることってなんで難しいのか。現実ってしんどくないか。
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