100日間生きたワニのレビュー・感想・評価
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ネズミを主役に再構成された物語
気の合う仲間達とのゆるい日常がワニの死で突然壊れ、そこから残された仲間達が改めて前を向き歩き出すまでの物語。
「ワニが死ぬ100日前から当日までの日常を描く」という原作を、その後の日々を加えた上で、主役をネズミに変えて再構成。
結果、元のテーマでもある、なんでもない日常というかけがえのない日々をより強く押し出した。
原作リアルタイムは「ワニがどう死ぬのか」にしか興味なく飛び飛びにしか見ていなかったし、完結後の炎上騒動もどうでも良かった自分でも、本映画でワニの死後が描かれたことで、より「ワニのいた100日間」が深みを増したと思える。
酷評されているカエルだが、たしかに「ワニの物語」としては異物である。
しかし、本映画は「ネズミの物語」として作られていると考えると、壊れ失われたものを再構築する本映画では、必要な形のピースであったと思える。あのウザさ含めて。
(カエルの抱える過去の設定は安直ではあるのだが、そこ掘り下げても仕方ないし、バイカーにはそこそこある話なのでまあ……。)
「ワニの物語」を期待した人には不満が多いだろうが、全くの先入観なしで全体を俯瞰してみたら、世で言われるほど悪い作品ではない。
何が適切だったかはわからないが、「100日後に死ぬワニ」「100日間生きたワニ」というタイトルに引っ張られて、ワニ不在の後半が異物に見えてしまうことが、本作の不幸であるように思える。
ワニの事故を冒頭に持ってきたのはちょっと引っかかるが(ネズミの入院やヒヨコを助けるシーンなどが直後に来て、伏線と回収が転倒している)、その他は丁寧に演出されており、感情を表す表情、尻尾含めた動きであの絵柄なのに感情に訴えかけてくる力は本物。
評価としては、もうちょっとつけてもいいかもと思いながらも星3。
しかし、この上映時間でフルプライスなんですか?強気すぎない?というのは言っていい。
バイアスが低すぎたので・・・
期待度マイナスで映画館へ・・・
「そんなにひどくないじゃないか!」という感じ。
結婚と同じで相手への期待を思いきり低くすれば誰とでも結婚できる(かな?)。
後半の「かえる君」に思いきり共感。
ほとんど間の抜けた状況から人生は始まるからね。
今の人間関係って、これくらい狭いんだね。
田舎から東京などの都会に出ていくと、こんなに狭い世界になってしまうんだね。
みなさん、交通事故とコロナには気を付けましょう!
という感じの教育的要素が感じられる映画でした。
ラストに共感できれば!!
原作を見ていないので、本当のところは図りかねますが…。映画だけだと作品の良さに喝采できるものでは無いように感じた作品です。
淡々とした中に、各キャラクターたちの心情があるのは判りますが、一見さんには難しいかもしれませんね。
これは紛れもなく、上田慎一郎監督作品、な一作。
本作の原作となる、『100日後に死ぬワニ』については、騒動になってから初め知った程度のため、映画を観た観客としての感想です。
一言でいえば、短いながらもしっかりと上田監督作品(監督と脚本はふくだみゆきと共同)となっていて、完成度の高い作品でした。上映時間が短いのに通常の料金だったり、光学的効果を存分に取り入れた背景と原作の画調に忠実なキャラクター描写が一部噛み合っていないように見える、といった引っかかりはいくつかありましたが、全体的な完成度と較べたらごく些細な問題に過ぎません。
『カメラを止めるな!』と同様、物語は大きく前半と後半に分かれる構成となっています。『カメラ〜』は前半部の演出を後半部でひっくり返す、という脚本技法の巧みさが際立っていた一方、本作は前半で語った物語を、後半で登場人物一人ひとりの視点から捉え直す構成となっています。後半では台詞での説明は極力省いて、微妙な距離感や表情の違いで彼らの心のうちをほのめかす演出の巧さが際立ちます。そして「余談」に思える後半部が描かれることで、なぜ映画化に当たってタイトルを微妙に変更したのかが明らかになってきます。
ちょっと笑いや底意地の悪さも含めた描き方は、紛れもなく上田監督演出なんですが、関係性の描写から物語を立ち上げていく、という観点で見ると、ちょっと今泉力哉監督の『あの頃。』や『街の上で』、それとローレンス・カスダン監督の『再会の時』(1983)などを連想しました。これだけ錯綜した関係性と心理描写を、ごく短い上映時間で表現し切ったことには驚かされました。
原作通りの絵柄であれば、もしかしたら映像的に地味になって、スクリーンよりも配信を待ってからの鑑賞でも良かったかも、と思ったかも知れません。しかし本作の「光の」演出や桜の花びらの舞い散る様子などの描写は非常に繊細で、スクリーンで鑑賞する意義は十分あります。特に「光」の描写に関しては、例えば光源が画面上方や斜めに位置すると想定される場合は、スクリーンのその部分がほんのり明るくにじんでいるといった入念さです。さすがに『映画大好きポンポさん』のこだわりと比較すると簡素ですが、それでも原作のシンプルな絵柄を基調としていることを踏まえると、十分すぎる程の繊細さでしょう。
もしかすると本作はヒットコンテンツの便乗企画として製作が始まったのかも知れませんが、そこにできる限りの独自要素を取り込み、自らの作品にしてしまった上田監督の力量は称賛に値するし、この路線で押し通した制作側の判断は非常に適切であったと考えます。
評価については人それぞれなので、内容に不満を抱いた人が否定的な意見を表明するのもごく当然なのですが、評価の低さに鑑賞を見送るには実にもったいない作品です。
「今日を一生懸命生きよう」
今年44本目。
このTwitter漫画は作者が若い時に親友をバイク事故で亡くした事から作られました。事故の前日いつも2人でツーリングしていたので、明日後ろに乗って行くか、と誘われましたが用事があると断わりました。もしあの日一緒にバイクに乗っていたら彼は死ななかったんじゃないか、そう言う思いでこの漫画は作られました。
人間いつ死ぬか分からない、今日を一生懸命生きよう、そう感じました。
ちなみに漫画は「100日後に死ぬワニ」ですがこちらは「100日間生きたワニ」少し変更があります。
低レベル
この作品を巡る背景と内容を切り離して考えるべきだし、レビューでは内容を語るべきだと思うので、内容だけを評価するけど
正直、面白く無い。
とりあえず気になるのはキャラの造形。
特に正面顔がホラー。おそらく根本的な画力不足。見ていて気持ち悪い。
そして謎の間
キャラのセリフの間に数秒の「間」が入ってるが、これの違和感が凄い。
もしかして尺稼ぎか?とも思えてしまう程にわざとらしい謎の間。
舞台とかでは効果的に使えるかもしれないが、アニメ映画でやればただ珍妙なだけ。
そして後半の不快さ
あるキャラがとにかく不快な行動ばかりする。
演出目的で、メッセージを伝える為にこの様な不快な構成にしたのかも知れないが、方法は他にあった筈。
途中で拒否反応が出る程に不快なため、演出としては大失敗。
総合すると、無駄な金と無駄な時間だった。
低評価も頷ける。
あんた達、最高だぜ~!
やれ電通案件やら、やれクソやら色々アンチの多いこの作品。そのせいで見ていない方もいらっしゃるのかもしれませんが、この作品はクソなのかと聞かれたら私は胸を張ってこの作品は素晴らしい神映画だと答えます。
先に言っておきますが私は桜じゃありません。日本のcherry blossomに誓って。
まずストーリーが素晴らしいんですよね。ワニ君が生きている前半パートは友人や恋人がいる素晴らしさなどが分かり易く感じられ今の疲れている現代人に見ていただきたいものとなっています。そしてオリジナルエピソードであるワニ君が死んでからのパートがまた最高なんですよ。ネズミ君や先輩たちがワニ君をどんな風に思っていたのかが新キャラのカエル君を通じて感じられて涙腺が刺激されます。
そしてキャラクターも魅力的なんですよね。誰もが話したことのあるようなことを話していたり、きくちゆうきさんのとっつきやすいキャラクターデザインも相まってオリジナルのカエルを含めすべてのキャラクターに感情移入できます。
そして作画。紙芝居なんて言われてますが普通に動いています。これを紙芝居というなら「極主夫道」のアニメを見たほうがいい。それに日常会話でアニメ映えするほどオーバーに体動かすか?
声優さんの演技も良かったです。神木隆之介さんの声のお芝居は「サマーウォーズ」と比べると格段に成長しておりワニ君の愛らしさが感じられました。まあ先輩の新木優子さんはちょっと慣れてない感ありましたけど。
ちゃんと見た方の中でも賛否両論あるようですが個人的には最高の映画でした。見ていない方は是非ご覧ください。
ですが見てないのに座席にくだらないいたずらしたりアンチレビュー書いてる奴は目に入ると不快だからやめようね!ていうか今すぐやめろ。
後ろから撃たれたワニ
原作未読です。 金儲けの方法で炎上したのにこの内容(技術的な事や予算的な事)と上映時間で通常料金にしたのは大きな間違いだと思う。この映画を殺した主犯は製作側だ。作品としてはシン・エヴァやゴジラvsコング、竜とそばかすの姫等の大きな作品に囲まれて逆に魅力が増していた。
ヒヨコの生きる世界
Twitterで上がっていた原作は、ちょくちょく見ていたくらいで全て見ていた訳じゃない。もちろん、最後は見ましたし電通案件だと大炎上したのも知っています。確かに、お金の匂いがして後味が悪くあまりいいものではありませんでしたが、正直私はそんなにとやかく言われることかね?と疑問に思いました。
ってなことで、評価も有り得ないほど悪い笑
こりゃダメだろ!とは思ったが、この作品を映画にするには無理があるだろうとは制作発表の段階から思っていたので、期待は全くせず。
まぁ、割かし面白かった。
原作の良さも出しつつ、新たなエピソードも中々楽しめる。この2人の監督を選んだのは正解だったかな?
ストーリーは説明するほどでもないですのでカット。
100日間生きたワニの話です。
ストーリー構成としては良き。
結末が知っているものでもそこそこグッとくるしそこそこ面白い。四コマ漫画原作で映画化は無茶じゃないか...と思っていたが、意外とそんなことは無かった。
100日間生きたワニの話。
そして、死後から100日後の仲間の話。
1時間と短い尺の中でふたつのストーリー。
後半の新たな物語はこじつけ感もなく、ワニが生きていたからこそ作れる物語だなと思った。新しい登場人物・カエルもなかなかいい味を出していました。
声優がとてもいいなと。
ほぼ俳優ですが、神木隆之介と中村倫也の屍人荘カップルの会話は微笑ましく、寂しく、愛おしかった。ただただ、監督の好きな俳優を声優にしたのではなく、ちゃんと声優が出来る俳優を集めたのには好印象。
まぁ、ただ映画である必要性はゼロ。
ぎこちなさを感じたアニメなのでよりそう思う。テレビで見る程度だったらなんの違和感もないと思うが、これは映画のクオリティじゃない。これで通常料金ってのも納得いかないし。
印象に残るものが薄い。
短いというのもあると思うが、漫画と比べて余韻に浸れずパンチが足りない。同じような映像が続き過ぎるのが問題点か...。
あとこれは漫画の際にも思ったことだが、この作風にいきものがかりがどうも合わない。もっとゆったりとした曲がいいのに。作中音楽も微妙でした。
まぁ、結局私もとやかく言ってしまいましたが、そんなに酷い作品では無いです。★2.1はおかしい。
お子さんを連れて行かれる分には十分な出来だと思います。
可もなく不可もなく
原作はほぼ未読。Twitterでなんか流行ってるなぁと思ってチラ見したくらい。上田監督なのと、ちょうど溜まってるポイントで無料鑑賞できるので行ってきた。
喪失からの一歩を踏み出すまでを描く。
強がりとは言えグイグイ来るカエルがちょっとウザかったのと、ひよこについてほぼ何も触れられてないのが気になった。
かと言って原作を読もうとは思わないけど。
監督はがんばったと思う
世間的には酷評されていますが、個人的にはそうは思いません。
原作自体、「100日後に死ぬワニ」というタイトルで、一日一コマ、ワニくんの平凡な日常をひたすら描写していき
100日後にどういう結末を迎えるのか(ホントに死ぬのか、どう死ぬのか、この友達たちはどう受け止めるのだろうか)という想像を伴った楽しみのあるコンテンツでした。
その楽しみ方の性質上「どうなるの?」という結末・ネタバレが最大の禁忌であり、
だからこそリアルタイムに毎日1コマずつ発表していくという形式とベストマッチしていました。
原作の方が終了し、このコンテンツを知っている人はほぼ全員が結末を知っている人になります。
※そしてコンテンツを知らない人はあえてこの映画を見に来ません…。
そうすると「平凡な日常」シーンは、本当にただの寒い日常ネタになります。
ネタとはいえ、何かを風刺するでもなく面白いネタをするでもなく、何かを誇張しているわけでもないので笑いどころがありません。
結局、オチのために進んでいくコンテンツなのに、ネタバレを知っている人に見せるのでただただ寒いものになります。
ではどうして個人的には「酷評」されるべきではないと思うのか。
それは敗戦処理のうまさです。監督の腕前です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、100ワニのコンテンツは一時期、各局テレビが取り上げるくらい流行りました。
その上でクライマックスである100日目、最後の100コマ目を出した直後に露骨すぎる「書籍化決定!映画化決定!グッズ販売開始!」という商業を繰りだして
それまでコンテンツを楽しんでいたファンの大半を敵に回すという最悪の結末を迎えたコンテンツでした。
その時点では映画化が決まっていたのでもうやめられません。さらに製作費は酷い低予算だったようです。
上記の通り、原作そのものがオチのためのストーリーだったのでそれだけでは映画たりえません。かといって原作のストーリーそのものを変えるわけにもいきません。
監督はおそらく悩みに悩みぬいたと思います。
そこで「やってはだめなこと」をパズルのように組み、その上で映画として成立させるためにはどうすればいいかという命題をクリアしたのがこの形式だったのだとも思います。
「あのケチがつきまくった100ワニというコンテンツをどう映画として処理するのだろう」という疑問を基に視聴すると、
とても納得のいく作品になっているのではないか、低予算でこれ以上の100ワニ映画を作る方法など無いのではないか。そう考えさせられる出来です。
上田監督は「カメラを止めるな」でパズルを解いていくような快感のある映画を撮った人であり、
そして、今回は予算・原作の縛り・映画としての成立など、そういう制約のパズルをこう解いた、という作品を出してくれたのだと思いました。
デビルマンのような素人演技に予算をぶっこんだような作品とは異なります。
ドラゴンクエストYSのような子供の頃の懐かしい思い出を土足で踏みにじったような作品でもありません。
これは100ワニ映画化という命題を全力で乗り切った監督、制作スタッフたちの努力の結晶なのです。
それはそれとして、オチを知っていて見る話ではないという原作の本質は変わりませんし、
映画の冒頭でオチが出てくるので、コンテンツを知らない人でも同じような虚無感に包まれながら映画を見続けることになります。
諸兄におかれましては、あえてこれを見に行く理由がないのであれば映画代と1時間半をもう少し有意義なことに使うことを推奨します。
最後に、
つきあいか何かでどうしても見なければならない、あるいは好奇心でチケットを買ってしまったけど、圧倒的不評を前に無為な時間を過ごす虚無感に襲われている方。
脳内でこういう茶番を妄想してみてください。
「100ワニを映画化するんですか!?」
「せや。アチアチポイントが二つあんねん。ひとつは原作のストーリーは改造せぇへん。原作改変は原作のファンが嫌がるさかいな」
「は!?…いやいやいや、あれはもう大炎上して…」
「もうひとつは豪華なキャストや。主役があの神木くん!ほんで大人気のいきものがかりにED歌ってもらうねん。これはアタるでぇ」
「そりゃ大人気な方々ですが、映画はそれだけで売れるものでは…」
「どや、やってくれるやろ」
「ええええ…」
後日
「あかん。映画宣伝が早すぎて大炎上してしもた。スポンサーも金出してくれんようになってしもた」
「は、はぁ…」
「せやけど一回告知してしもたからな。なんとかこの予算で。な!な!」
「こんだけ豪華なキャストを使うのに、この予算!?」
…はい。こういう視点をもって視聴すると、なかなか良い時間になるのではないでしょうか。
せつない物語
ネットで100日分すべて読んでいますが、それでも映画を見てせつなくなりました。
たぶん、原作を読んでいなくても楽しめる作品だと思います。
SNSでいろいろ言われていますが、あの物語を読んで琴線に触れた方なら、映画を見ても心に残ると思います。
僕には6時のマネはできないけれど、それが必要になることもあるだろうなって思いました。
世の中の評価を気にせずに、自分の感性だけを頼りに映画を見て楽しめる人にはおススメです。
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