「この映画に関わった全ての方々に敬意を払いたい」100日間生きたワニ ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画に関わった全ての方々に敬意を払いたい
日本中で話題になった4コマ漫画ですが、僕自身TwitterといったSNSを全くやってない身なので、原作は見てません。今思い返しても「アニメ映画化決定」と世間に公表されたとき、なぜあそこまで嫌がらせや誹謗中傷が飛び交ったのか、いまだに分からないですね。しかも公開前からですよ。この映画.comのレビューでも度々悪口や誹謗コメントを目にしました。正直僕も観る前は大丈夫だろうかと心配になる部分もありました。でも、63分という短尺の中に質の高いアニメーション技術を詰めるだけ詰めてストーリーもよくある心温まる系ではあるんですが、お見事といえる脚本構成の場面もあり、酷い始末に遭うような映画では絶対にないです。
ワニくんたちを中心にいろんなキャラクターが普通の日常を過ごすだけ、ではなくその中でほっこりできるアニメ特有の演出やキャラクターたちのやり取りがたくさん使われていて、万人受けしにくいのはなんとなくわかる気もするけど一つのアニメーション映画としては十分出来上がってるのではないかと思います。いつもの日常がどれだけ幸せでありがたいものなのかがよく分かりますね。そういう意味ではこの作品は人間の生活の中でも大切にされるような映画だと思います。でもワニくんがいなくなった後半は随分ストーリーのテンポが落ちた感じがしました。周りとキャラクター性が全然違うカエルくんもいきなり出てきて、ちょっと話に亀裂を入れられた感は否めないです。それでもカエルくんは必要なポジションでした(そもそも映画でいらないキャラなんていない)
結論を言えば、駄作と呼ばれるには程遠い作品でした。原作が駄作なら映画にしたら駄作だったかもしれませんが、あれだけTwitterで話題になって日本中が感動したんだから、叩かれる理由がありません。色々な意味で気の毒に思えた100ワニですが、この映画の製作に携わった監督をはじめスタッフ一同の方々、そして神木隆之介くん、中村倫也さん、木村昴さんといった出演者の方々、僕は映画ファンの一人として皆さんに感謝と敬意の言葉を送りたいと思います。これからも素晴らしい映画をたくさん世に送り出してください。