「Au revoir !」秘密の森の、その向こう いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
Au revoir !
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ミニマルな舞台説明、小気味よい場面展開、シンメトリックとしてのタイムパラドックスの場面構成、どれも削ぎ落とした情報のみのミニマルさに仕上がっている作品である
先ずは子役二人の、例えは悪いが"小動物感"溢れる自然な演技や表情と、しかし芝居としては8歳の女の子にはかなり困難な秘密基地建設や芝居ごっこ、ボートでの冒険等をハラハラ感を充分演出させているそのギャップにやられてしまう。ストーリーそのものもキチンと伏線が回収されるニクい建付けにも質の高さが窺える。
淡々としたストーリー展開の中でも二人にしか通じ合えない大人のウィットを散りばめた深刻な会話や、共にお互いを慈しみ合う情景に、愛おしさがスクリーンから滝のように溢れ出て、歳を取ったせいか中盤から目がウルウルしてきてしまう有様であった。大人では捻り出せない、子供だからこその柔軟性と許容量の広さを活かしたプロットが今作品のキモであろう。
ヒューマンファンタジーの真髄を今作品では発揮していると思う。
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