「実験的作品という印象です。」イントロダクション バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
実験的作品という印象です。
ホン・サンス監督作品は「逃げた女」しか見た事がないですが、その作品がとても良かったので本作も鑑賞です。
主人公の男性が3つのシチュエーションに登場するオムニバス(と言っていいのかな?)作品です。明確なストーリーは明示されることなく、「逃げた女」同様に、観客自身が作品から入ってきた情報をもとに理解と想像力で行間を埋めていく作品でした。そういう作品は大好きなので、ホン・サンス作品は僕には合っているのでしょうが、今作についてはちょっと追いきれませんでした。そこはかとない主人公の人生への「漂い」「迷い」「戸惑い」などなどが感じられるものの、もう一歩、二歩踏み込んだ先に何かあるはずなのに、わからないー!力が足りないー!って感じだったのです。
3つのシチュエーションにはきっと描くべきことに合わせた切り取り方をしていると思うのです。時間軸や主人公が合う人、その場面含め。3つのピースから何かを浮かび上がらせるってやり方はどこか実験的なイメージです。きっと主人公を浮かび上がらせる3つのピースだったんでしょうが、できれば3つを横串で貫いてくれる「何か」があればもうちょいと分かりやすかったのでは?なんて、ホン・サンス初心者は思うのであります。
「抱擁」ってのがキーワードだったってことを観賞後に知りました。あぁ、注力しておけばよかった。そこに何かがったんだなぁ。今後ホン・サンス作品見るときは事前に作品紹介を熟読しておこう。本作は僕には難解でした。
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