「アンドロイドやAIは舞台設定」アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド しゅんさんの映画レビュー(感想・評価)
アンドロイドやAIは舞台設定
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鑑賞直後は、深くて哲学的な作品かと思ったのですが、ふとこれは「美女と野獣」と一緒なんだと思い至りました。
野獣もアンドロイドのトムも異世界の存在(非人間)。物語の舞台は現代の街だけれど、立体映像の人々がたくさん出てきたり、やはりロボットのセラピストが出てきたりして、何となく異世界です。
その異世界の男性トムが、現実世界の男性にはもはや存在しないような完璧な振る舞い、知性、優しさを示してくれたら、そりゃ好きにもなるし、抱かれればオーガスムスも感じるだろうと。それで、彼が非人間であるゆえに罪悪感も感じるだろうと。
そう言えば、こういう非人間との恋愛物語って、昔話にもたくさんありますね。
結局、この作品は。マリア・シュラーダー監督による「理想の男性像」の提示であり、裏を返せば、現実の男たちに対する「幻滅」の表明なのかもしれません。
ドイツ映画らしい理屈っぽさに惑わされず、あまり深く考えないで、二人のラブロマンスとして見れば、二人とも演技が上手いので、とても楽しく鑑賞できる作品です。
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