stayのレビュー・感想・評価
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空間を切り取った傑作
5/20に閉館するアップリンク渋谷にて観賞
シンプルに映画としての楽しみ方ができていい時間を過ごせたなと思いました
割と家の中が光が入りにくくて暗めの中、台所のところだけが朝の光が射し込んでいて白くもやがかったところが印象的で画として印象に残りました
【stayとは】
これは今、僕達の生きる社会そのものだ。
前に、イギリスがEU離脱の国民投票する際に、反対派は、「Remain EU」ってステッカーを作ってキャンペーンをしていた。
僕は、なぜ、「Stay EU」じゃないのか?
Remainは、レジデュアルな感じがして、stayの方が良いんじゃないかと、出張で来たアメリカ人に尋ねたところ、彼も、stayの方が良いような気がすると言っていた。
だが、確証の得られない僕は、ある著名なアメリカ人の日本文学者の先生に勇気を振り絞って尋ねた。
教えてくれた。
stayを使う場合には、「stay in EU」じゃないと意味を違えられる場合がある。
印象として馴染まないかもしれないが、remainは長くとどまるという意味でも正しいと。
それ以来、僕は、stayは、ワンコの「待て」ぐらいに思うようにしている。
今の僕達の生きる社会は、ネット環境の進化で移り変わる速度は早く、社会のインフラ自体がまるで変わってしまったようで、更にコロナのような不測の事態もあって、なおさらなのだ。
だから、ひと所にとどまることなんかない。
とどまっては入れ替わり、終(つい)の住処なんてことはないのだ。
でも、待てよ。
これは、鴨長明の方丈記の書き出しのようでもある。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
企業だって、終身雇用なんて昔の話だ。
鴨長明が感じてたくらいだから、現代は尚更なのだ。
ひとりで妙に納得する。
繋がりだって、実は希薄だ。
少し同じ時を過ごしたからといって、それが親しい友人になるってことではない。
とどまる理由がなければ去る。
窮屈だと思えば去る。
嫌なヤツがいれば去る。
疎外感があれば去る。
一見自由のようだが、でも、これは、自由なのだろうか。
そんな疑問もよぎる。
自由で気ままなようで、実は不自由な気もする。
でも、エンディングの場面、そんなことを言っても、また、新陳代謝は進み、いつかは良い世界が来るような感じにもなる。
今は、もしかしたら、過渡期なのかもしれない。
どちらかと言えば、そう考えて過ごす方が、希望があるように思える。
舞台挨拶
あるの未確認でした。
とてもいい舞台挨拶でした。短い作品でしたので、ラストどうまとめるかなと思っていたら、なるほどでした。
石川さん、今後も期待しています。
猿楽町、観ます!
アップリンク渋谷、なくなるのは残念です。
みんなの家は誰の家
所有者のいない空き家に住みつき共同生活を送る男女5人と、役所から退去勧告を告げに来た男の話。
みんなそれぞれ勝手にやって来て勝手に去って行く出入り自由な家だけど、その中で仕切る人、仕切られる人、仕切らせてあげてる人、流される人、等々立ち位置が様々。
鈴山のペースに巻き込まれ云々とあるけれど、これは矢島がポンコツなだけ?何て感じていたけれど…。
明確にこれというメッセージは感じないし、現代らしいヌロ~っとした感じの展開ではあるものの、誰視点でみるのかで印象が変わる、なかなかユニークな作品という感じ。
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