「いい意味でも悪い意味で鼻で笑っちゃう少々毒のある話」偶然と想像 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
いい意味でも悪い意味で鼻で笑っちゃう少々毒のある話
2024年映画館鑑賞78作品目
8月20日(火)フォーラム仙台
10日以内リピーター割引1200円
監督と脚本は『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』の濱口竜介
2021年公開作品
第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品
なぜか動画配信もレンタルも無し
石原裕次郎の『黒部の太陽』のように映画館で観てもらいたい拘りなのかと思いきやAmazonではBlu-rayが
平日19時50分の回だったが鑑賞するため出かけた
濱口竜介監督の世界的ネームバリューもあってからこの時間帯のわりに観客はけっこういた
ショートムービー三本の短編集という形
どれも全体的に台詞が朗読劇のよう
魔法(よりもっと不確か)
粗筋
ファッションモデルの芽衣子と撮影スタッフのつぐみは親友同士
芽衣子はつぐみをぐみと呼ぶ
帰り道タクシーに同乗しつぐみの新しい彼氏について惚気話を聞かされる芽衣子
つぐみの自宅マンションの前で別れて芽衣子は来た道を引き返してもらい元カレが経営するオフィスにやって来た
元カレはつぐみの新しい彼氏だった
元カレに啖呵を切る芽衣子
別れて2年経つのに元カレも芽衣子も未練があった
感想
タクシーで延々と続くガールズトークはとても退屈だったがそれは『僕らの時代』の女子アナトークを彷彿させた
喫茶店で芽衣子とつぐみと和明が3人揃うシーンで芽衣子の妄想のシーンが好き
古川琴音の魔性ぶりが良い
男がセンチメンタルで未練がましいことが多く見られることに対し女はそれに関してドライな印象があるがそもそも脚本家が男だからなあ
配役
自分の浮気が原因で別れることになって2年経つもなお和明が好きなファッションモデルの芽衣子に古川琴音
芽衣子の元恋人で彼女の浮気が原因で別れることになり今はつぐみ叩き合い始めた起業家の和明に中島歩
芽衣子の友人で撮影スタッフのつぐみに玄理
扉は開けたままで
粗筋
単位が足りず留年することになった大学生の佐々木
内定していた大企業就職のためにも土下座をしてでも頼みこんだ佐々木だったがフランス文学の教授瀬川は単位をあげることはなかった
それを恨む佐々木は社会人入試で大学生になった同学年の奈緒に頼み込み瀬川にハニートラップを仕掛けてもらうことにした
奈緒は子持ちの既婚者で年下の佐々木はセフレの関係
瀬川は56歳にして芥川賞を受賞した
奈緒は佐川の受賞作の小説を手に持ち瀬川がいる教授室にやって来た
小説にサインをもらい官能的な部分を朗読し始める奈緒
その気にならない瀬川にお手上げの奈緒は録音していたことを白状した
だが奈緒の凡ミスで結果的にハニートラップは成功し彼女のの離婚にも繋がった
感想
PG12の1番の原因
変態朗読士ダバダーこと大沢たかお氏を彷彿させる奈緒演じる森郁月
彼女の朗読は自分がちょっとした性暴力を受けているような感じがして「まだやるの?」と食傷気味でもあった
瀬川演じる渋川清彦もいい味を出していたが彼はこういう役がよく似合う
配役
56歳で芥川賞を受賞したフランス文学の教授の瀬川に渋川清彦
子持ちの既婚者だが心理学を学ぶため大学に通う奈緒に森郁月
セフレの奈緒と同じ大学に通う学生だが単位が足りず大企業就職がパーになり瀬川を逆恨みしている佐々木に甲斐翔真
もう一度
粗筋
東京に住んでいる夏子は高校の同窓会に参加するため仙台にやって来た
同窓会を終えた翌日仙台駅西口前歩道橋のエスカレーターでバッタリ古い友人?と出会う
久しぶりの再会?を喜ぶ?主婦のあやは夏子を自宅に招いた
2人は話を進めるうちにお互いが人違いをしていることに気づいた
感想
三本の中で1番マイルドで小学生に見せても特に問題はなかろう
コンピューターウィルスの設定は必ずしも必要だったんだろうか
占部房子はかつて『バッシング』で主演した俳優
若い頃より今のほうが断然良い
男性俳優なら吉岡秀隆
女性俳優なら占部房子
配役
女子高の同窓会のため東京から仙台に戻ってきた独身の夏子に占部房子
夏子の高校時代の同級生?で仙台在住の2人子持ちの既婚者のあやに河井青葉