「思いもよらない方向に動く人の心の妙」偶然と想像 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)
思いもよらない方向に動く人の心の妙
話題の濱口監督の作品の中で、この映画から観た方が
「ドライブ・マイカー」が観やすくなるかも。
と言うライムスター宇多丸さんの発言を訊いて
ならば観てみよう〜とミニシアターに出かけて鑑賞。
いや〜〜、びっくりしたと同時に面白かった!!
冒頭、結構な長尺で
仕事帰りのタクシーの中での女子トークが続く。
本当にリアルな女子トークに聞こえるのだけど
その後の展開に大きく影響する部分なので演じてる方は
かなりドキドキだったと思います。
オムニバスの短編三作を並べての一本ですが
それぞれのお話は全く関係の無い話です。
一本目は元カノ、元カレ問題。
二本目は自分勝手な復讐の失敗。
三本目は高校時代の自分との決別。
そんなザックリとした括りの作品になってます。
会話劇の妙をたのしんで欲しいですね。
で、月に8回くらい映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
膨大な会話のやり取りの中でいつの間にか
変質してゆく心の動きに注目してほしいですね。
誰かに何かをつたえようと勢い込んで、話すうちに
なんとなく自分の意識や思いが
「フッと入れ替わる瞬間」が、ある。
とても「人間らしい瞬間」を映像で観せられる。
そんな「日本映画らしい繊細」な部分が
世界で認められたのはなかなか意義深いと思います。
この映画、ミニシアター支援のための映画として
ミニシアター中心に上映されているので
是非チャンスがあれば
「ドライブマイカー」と合わせて観て欲しいですね。
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