「圧倒的な傑作」偶然と想像 わたろーさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な傑作
圧倒的な傑作。
会話劇で、セリフ量はかなり多いはずなのに、それでも能動的に見させる作りになっていることこそ映画のマジックなんだと思う。画面の中にたくさんの情報があふれてる。類推させるだけの何か。類推させようとする何か。その仕掛けがたくさんなされているから面白い。短編同士でリンクしていないようで通底しているところはリンクしているし、前菜・副菜・メインのように、盛り付けが高度(時間の概念が長くなる)になっていくところも良い。
1話。タクシーのシーンの美しさ。どこであんな長回しが撮れるんだろう。恋バナの後向かう場所。そこから始まる怒涛の会話劇。素晴らしい。古川琴音が演じる役、自分だったら絶対面倒くさくて関わりたくない女だけど、この男なら関わっちゃうんだろうな…と思わせる説得力が男性側の佇まいにある。急なズームも良い。
2話。セフレは教授のこともともと好きだったんじゃないかな…。教授の佇まいの品の良さと、出てくる言葉の品の悪さのギャップに笑う。未だに大学教授はそのドメイン使いがちだからね・・・。面白い。
3話。偶然が過ぎる。覚えていてもいいような気がするけど、時間の経過とはそういうものなのだろう。それでいて、関係性が如実になってもせっかくだから…となるのも確かになぁとなった。
会話とはセックスである。エロい。最高の映画体験だった。
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