劇場公開日 2021年12月17日

「まるで小説を読んでいるかのような映画」偶然と想像 ミニ映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まるで小説を読んでいるかのような映画

2022年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

じんわり心に染み渡る言葉に溢れている。長回しも効果的に使い、濃密な会話の応酬で目が離せられない。

セリフの棒読み、カメラ目線、ズームイン、妄想シーンと、リアリティを追求しがちな昨今の映画業界に一石を投じ、フィクションの可能性にチャレンジしている作品。
まさに観客の想像力で試そうとしている。

ストレートなタイトルで観客の鑑賞体勢を巧みに操作し、偶然を期待させ人間関係を想像させる展開。
各話のタイトルも秀逸。

三作品三様で、それぞれ面白く映画館で声を出して笑わされ、最後ハッピーになれる。
その順番と構成の妙だ。

古川琴音の悪もまた良い。

もの語りたがり屋