劇場公開日 2021年12月17日

「『ラブアクチュアリー』のように心が暖まります。」偶然と想像 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5『ラブアクチュアリー』のように心が暖まります。

2021年12月20日
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鑑賞方法:映画館

思いもよらない偶然で生まれたシチュエーションだからこそ、思いもよらない自分の心の声や、自分が本当に望んでいたことや言いたかったことを言葉にしてみる。そして、言葉にしてみたら、実はもっと違うことも見えてくる。
そんな経験は、たぶん誰にでもあると思います。

と思っていたのですが、昨日見た『私はいったい、何と戦っているのか』の主人公は言葉にしないのです。
すべて呑み込んでしまいます。
そうですよね。
そういう人もいるはずです。
もちろん、いいとか悪いということではありません。
自分の意思や心の内の表明は、表明しないことも含めて人それぞれの選択です。
※意見が言える言えないというのは、生来的な気質に負うところが大きいのかもしれませんが、『マトリックス』に象徴される広い意味でのシステム(コンピュータ世界というより社会体制や社会的な規範のようなもの)にがんじがらめにされている現代では、周囲の人たちからは、その人の気質でなく選択として受け止められてしまうと思います。だから精神的に病んでしまう人も多いのだと思います。

でも、この映画を見てると、もしかしたら間違ったこと、或いは思っていることと違うことを言ってしまうかもしれない、それでも、その時なりの精一杯の言葉を発することは何か思いもよらなかった違う何か、違う感情が生まれるかもしれない。それで一歩か半歩かは分からないけれど、少しは前に進める。
希望というほど大袈裟ではないけれど、生き方についての新しい何かが見えて来る。
そんなささやかな勇気が湧いてきます。

第一話
『街の上で』の青とイハの長い会話のワンカットを彷彿とさせるタクシー車内での会話がなんとも秀逸。

第二話
瀬川教授〜❗️
その後の人生が心配です。気になって気になって…
私の場合、佐川と聞くと急便よりも理財局長という言葉が浮かんで、いい加減にしろ❗️と血圧が上がってしまいます。

第三話
マスクが定着したため、『アレ?見覚えがあるな、あの人』と感じることが前より増えましたが、マスクをとったらまったく知らない人という可能性も高いのでやり過ごしてました。
でも、この第三話を見てしまった今、人違いかな、と思っても取り敢えず、声をかけてみようかな、という気分になってしまいました。
むしろ、間違ったままのほうが虎屋の羊羹をご馳走になれるかもしれないし…

クリスマスとは特段関係のない映画ですが、この寒い時期の映画としては、『ラプアクチュアリー』のように、とても心が暖まるのは間違いありません。

グレシャムの法則
カールⅢ世さんのコメント
2022年1月6日

虎屋の羊羹を凍らせて、一口食べて、「これ、高級あずきバー❗」って叫んでみたいですね。

カールⅢ世
マキさんのコメント
2021年12月24日

グレシャムさん、コメントありがとうございます!なるほど〜、宣戦布告!そういう解釈をすればモヤモヤが少し晴れます☺️✨

マキ
2021年12月21日

なるほど~。
そう感じとれる作品なんですね。
僕、監督と相性悪くて😢
心があっったか~くなりました。

黒リネン
アプソさんのコメント
2021年12月20日

拙いレビューに、コメントありがとうございます☺️
ちょっぴり豊かになる映画観れてよかったです✨

アプソ
NOBUさんのコメント
2021年12月20日

今晩は
 今作は、私の勤務先の近くのミニシアターで掛けてくれたのですが、お客さんが土日でも2-10人なのに、20人くらいいて、嬉しかったですね。
 何より、濱口監督のやや捻りの効いた脚本の良さには、(”想像”していた通りで嬉しかったですが)唸らされましたね。では。

NOBU