鬼平犯科帳 血闘のレビュー・感想・評価
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池波正太郎原作の鬼平犯科帳決闘を鑑賞! 本所のワルガキ時代と火盗改となった長谷川平蔵が交錯交錯するストーリー!
印象に残ったのはワルガキ時代、誰に対しても平等に付き合う姿勢と、火盗改になっても変わらず部下から慕われる長谷川平蔵の人間性!
映画の最後に長谷川平蔵の隠密(犬)となった、おまさに意味深な言葉を投げつける。続編がありそう!
勧善懲悪の時代劇はやはり楽しい🎵
作り込まれた時代劇の良さを堪能できる。中村ゆり、柄本明、北村有起哉他俳優陣が好演。配信への追い込み前提の映画製作は本当に不愉快。
作り込まれた時代劇の良さを堪能できるが、せっかくの時代劇を劇場で堪能できる機会なのに、配信シリーズ4エピソードのうちの1本を劇場で公開、あと3本は時代劇専門チャンネルに契約しないと観れないという仕組みが嫌らしい。
だったら、4本全部映画館にかけてほしい。
とても残念。
(パンフレットも4本掲載、映画以外の3本は宣伝?で2420円。)
(本作で一瞬しか出ない役者も他の3本のうちのどこかで活躍するのだろう。)
それはさておき、鬼平もさておき、共演陣の演技がいろいろ味わえるのが本当に良かった。
この雰囲気は時代劇ならではだと思う。
とにかく、中村ゆり演じるおまさの一途さが心に迫る。
そして、志田未来、仙道敦子の女優陣も好演。
最近は顔見世が多い柄本明の演技をちゃんと味わえるのも良かった。
(人相書がそっくりで爆笑!)
また、唯一の息抜きになる浅利陽介のコメディ・リリーフが面白い。
北村有起哉の悪役っぷり、特に死にざまが凄い。
なお、本作は、通常のエピソードでなく、鬼平自身の因縁話であり、サイドストーリー的なエピソード。
鬼平自身が単身乗り込んで単独で大活躍、その後手下たちが遅れて到着というシーンが続くのに違和感を感じる。
出来れば、事件を調べていく通常エピソードが観たかった。
せっかくの映画なのに、ディズニープラスみたいな、配信への追い込み前提の映画製作は本当に不愉快。
手向かう奴は斬れ!
鬼平こと火付盗賊改長谷川平蔵の活躍をみせる鬼平犯科帳の時代劇専門チャンネル版の劇場版。
鬼平の犬=密偵に志願してきた「本所の銕」時代の知り合いの娘が、鬼平に恨みを抱く凶賊に潜り込む話。
松本幸四郎がちょっとセリフの言い回しや表情がつくり過ぎかな…と思っていたけれど、本所の銕を演じた市川染五郎が見事に寄せていて素晴らしい!
そして個人的には、どちらかというとあまり特色のないドラマというイメージのある鬼平犯科帳が見事な活劇になっているし、それでいてドラマ部分も駆け足な感じはあるものの悲喜こもごもちゃんと波があって相当面白かった。
しかしながら、都心から少し離れてはいたものの、公開初週日曜夜、200席強の劇場が貸し切りで色々と心配になった。
時代劇
長谷川平蔵である😤
二代目 中村吉右衛門演じる
長谷川平蔵がもう大好きで大好きで
ドラマのエンディング曲(インスピレーション)も
大好きな曲🎸•*¨*•.¸¸♬︎
松本幸四郎(十代目)は優男なイメージなので
(個人的な感想ですよw)
吉右衛門演じる鬼平、長谷川様を
越えられるのか?!と
危惧していたけど、いらん心配でした🙇🏻♀️
時々、吉右衛門さんが降臨?!と思うほどで
いやぁ、どのキャストも当時のドラマの
演者を思い出させイメージピッタリだなぁと
ちょっとニマニマしてた(笑)
物語はもちろん面白かったのでご満悦🤩
てめぇらを許す訳にはいかねぇ、悪を知って外道を憎む!鬼平犯科帳(。-`ω-)
池波正太郎生誕100年記念!アニバーサリー、
前回の劇場作 仕掛人・藤枝梅安1・2は劇場で鑑賞済み。
監督:河毛俊作さん、脚本:大森寿美男さんで とても良かった。
今作「鬼平犯科帳 血闘」を早速見ましたよ。
監督:山下智彦さん、脚本:大森寿美男さん
メンバ-も従来から入れ替わり:
長谷川平蔵:松本幸四郎さん(カッコイイ)
久栄(妻):仙道敦子さん(さすがの奥方様感)
密偵・おまさ:中村ゆりさん(イイ感じに姿が仕上がってる)
密偵・相模彦十:火野正平さん(メッチャ決まってる)
筆頭与力・佐嶋忠介:本宮泰風さん(顔が渋い)
木村忠吾:浅利陽介さん(顔が優しい)
小野十蔵:柄本時生さん
京極備前守高久:中井貴一さん
鷺原の九平:柄本明さん
網切の甚五郎:北村有起哉さん
おりん:志田未来さん
おろく:松本穂香さん
中々な豪華な役者陣の顔ぶれです。
TVはじめ 鬼平犯科帳シリ-ズをずっと見てきた方々、
コアなファンは好きだと思います。
ただ、映画としてどうかと言われると ちょっと違うかな。
TVドラマならokなんだけど、この前の藤枝梅安の様なネタパワ-がちょっと
魅せれていない様な気はします。
※あまりに鬼平がTVで流れ展開が有名だからかも知れませんが。
もっともっと上下と横に動きがある殺陣が観たかったかな。
平蔵に花を持たせすぎに感じたわ。脇が前へ出て斬りに入らんと。それと
火(明かり)の使い方が弱い。よって画面暗い感じ。
折角の映画なんだし 一棟全焼させてるくらいの場面が欲しいかな。
北村有起哉さんの悪役としての仇討ちが、結構いい感じに嫌な奴感が出てたと思います。志田さんに松本さんも中々イイ感じでした。
そして、おまさ役の中村ゆりさんですかね。横顔、耳から顎にかけてとってもキマッてる顔がイイですね。それと松本さんですね。
大分昔にお会いした時、その頃は染五郎さんでしたが とっても気さくな方でしたわ。そう言う所が皆さんに好かれる様に思います。
今作の宣伝トレ-ラの方で 肝心な場面が既に出てたんで
ちょっと出し過ぎな感じがしました。
特に”悪を知って外道を憎む”の啖呵キメ台詞と 斬り込み場面。
なんかデジャヴかと思えるくらい既視感出ちゃってて
そこがとっても残念でした。
内容の宣伝し過ぎは 良くないですね、そう思います。
鬼平時代劇ファンの方は
是非劇場へ どうぞ。
板に付いてきた幸四郎鬼平
幸四郎鬼平の1作目、本所・桜屋敷では貫禄、風格ともに吉右衛門さんにはまだ及ばないと感じたが、本作では幸四郎さんなかなかどうして板に付いてきたではないか!
志田未来演じるおりんや中村ゆり演じるおまさとのやりとりは平蔵の懐の深さ、優しさを見事に醸し出していた。殺陣も立派であった。
しかし、こればかりはどうしようもないことだが、幸四郎さんが男前に過ぎるためか吉右衛門さんの味と男の色気、凄みにはいま一歩及ばないと感じたのも事実である。
尚、鷺原の九平を演じた柄本明もさすがの名演であった。柄本は吉右衛門鬼平で小野十蔵を演じたが、本シリーズでは息子の時生が十蔵を演じる。時を経た親子の競演も見ものである。
久々に本物の時代劇映画を観させてもらった。
殺陣が素晴らしい
松本幸四郎の演じた殺陣は4つ。いずれも性質・状況・人数の違う内容であり、邦画ながら珍しくアクションで魅せてくれた。
1.居酒屋を出た後の浪人の襲撃
昼間路上での1対数人。相手が殺気を漲らせていたからか不意打ちにはならず。不利な状況ながら追い返し剣の腕を見せる。
2.呉服問屋での逮捕劇
火付盗賊改としての正式な出動。夜間に盗賊を待ち伏せして複数人対複数人の乱闘、捕縛。
規模としては作中最大だが、鬼平側の準備が万端だったため怪しいところはなく制圧完了。一方で、敵役の首魁を取り逃す失態を演じ、主人公は完璧ではないことを演出。
3.崩れかけた屋敷へ突入
ヒロインを救うため鬼平は一人で現場へ急行、昼間に1対数人で剣戟を交わす。
難しい状況ながら、巧緻なアクションで一人ひとりを負傷させ最終的に全員を戦闘不能に追い込む。おそらく単純な殺陣としては一番力の入ったシーン。1で戦った因縁の浪人を斃し、ヒロインも救う。
ここまで鬼平は無傷。圧倒的だ。
4.料亭での伏兵
夜間に料亭へ招き寄せられ待ち伏せされる側に。しかも打刀を没収され相手は弓兵を用意し、1対多数の圧倒的不利の状況となった。
ここまで見せなかった剣術以外の技も駆使し、手傷を追いながらも逃走&闘争で敵役との一騎打ちに持ち込む。最後は一瞬の交錯で手討ちに。
面白い!派手なVFXやスローを使わずここまで面白いアクションを作れるとは、時代劇を食わず嫌いしなくてよかった。
冒頭の中村ゆりの和服姿がとても美しい。 姿勢、所作が素晴らしい。 ...
松本幸四郎って松たか子のパパかと思って見たら、代が変わって違う人だった。お兄ちゃんらしい。
冒頭、何か血気盛んな若者が景気付けに酒をかっくらっている。なんか押し込み強盗でもやらかすのかなと思って見てると、どこかの家の戸を開けて入ったとたんに鬼平になって名乗りをあげる。
「火付け盗賊改め 長谷川平蔵」
おお、若き日の平蔵だったのか ( ̄□ ̄;)!! カッケー。
小さい声でホントに「カッケー」って声に出してしまったけど、僕が座ってる列には他に誰もいなかったし、後ろの列には離れたところに1人、前にはゼロ、劇場もかなりすいてたから誰にも聞こえなかったと思う。
そのあと「鬼平」の赤いタイトル文字 が出たところで、もう映画のクライマックス場面と同じぐらいのハイテンション。
画面が変わって江戸の瓦屋根を見渡す風景が出たときには、気持ちもスッカリ江戸っ子庶民。
劇場に入る直前に見たキャスト欄に、中村ゆりさんの名前を見つけたのも嬉しかった。ボクは、ニッセイのCM 「いつも笑顔のお母さん」(正確ではない)みたいなやつを見てからのファンだから、ファン歴4、5年のにわかファンである。
今回 鬼平に成敗されるのは、押し入った家の者を全部殺してしまうような極悪非道強盗団のボスで、冷血きわまりない。親父を殺された過去の因縁から、鬼平を殺すことに執念を燃やす。強盗の時人を殺すのも、みんな鬼平が悪い、鬼平のせいだという、へんな信念に凝り固まっていて、とにかく鬼平が憎くて憎くてしょうがない。なにせ、仲間の引きのオリンちゃんが、メシをおごってくれた鬼平のことを「割とイイやつだったヨ」みたいなこと言ってちょっと誉めただけで、「オマエは裏切りもんだ」ってんで殺しちゃうんだぜ。
鬼平に心引かれたオリンちゃんが、いつか自分を裏切る事になるかもしれないと思って早めに手を打ったとも解釈出なくもないが、まさかこんなに早くその場でサッサと殺しちゃうとは思わなかったから驚いた。
これだけでも許せないのに、さらってきたオマサ(中村ゆりさん)にすごくひどい仕打ちをする。オマサは鬼平にとって妹のような存在だ。もう引っ捕らえてお裁きにかけ死罪にするなんてんじゃ済まされない。鬼平がたたっ切るしかない。
あと、フィクションの中の事とはいえ、中村ゆり様にひどいことする輩は鬼平に成敗してもらわねばワシの気が済まぬ。
というわけで、まんまと騙されて敵のアジトにおびきだされた鬼平が大立回りで大活躍。タタミ返しで弓矢を防ぐも多勢に無勢で大ピンチ。思わず手に汗握る。しかし味方も駆けつけ、鬼平がラスボスを成敗して一件落着。
そのあと何よりも良かったのが、おまさが助かったことである。いろいろ悲しいこともあったが、おまさが死ぬという最悪の結末にならなかったのは嬉しかった。
見てる間じゅう、オマサは絶対死んじゃう展開になるなと思っていたから、助かってホントに嬉しがった。
続編があれば中村ゆりさんが出る可能性もあるということでもある♪ヽ(´▽`)/
一つ残念なのは、こんなに面白いのに見てる人が少ないことだ。今朝、仕事へ行く電車の中でレビュー数を見たらたった19しかなかった。 今 (5/12夕方) 見たら、それでもたった33しかない 。
僕にとっては (映画.comのレビュー数) = (ニッポンの鑑賞者数) だから、日本全国で僅か33人しか見てない事になる。ナンテコッタイ。 ┐(´∀`)┌
ちなみに僕が見るつもりがないおサルさんの星は116人。
「チェッ、オニヘイこんなに面白いのに、みんな見ないんだヨ」とかブツブツ言ってみる。
もっとみんなに見てほしいから、おこがましくて☆なんて付けられないというルールを破って☆5。 ☆ ~ ☆
小説がスゲー面白いってNさんがレビューしてたから図書館で第1巻借りた。20巻以上あるから夏か秋頃まで読めて楽しみだ。文庫だけど字が大きくて助かる。
(追記)
「面白い」、と僕が言ったところで見る人が増えるわけでもないし、こういった時、自分がインフルエンサーでないことが微妙に残念であると思ったりもする。
彦十に馬の平蔵のお供をさせるなら歩きじゃなく自転車に乗せたい
2024年映画館鑑賞34作品目
5月12日(日)イオンシネマ石巻
6ミタポイント0円
監督はNHKドラマ『鼠、江戸を疾る』第1シリーズ第6第7回で演出を務めた山下智彦
脚本は『お墓がない!』『昭和歌謡大全集』『悪夢ちゃん The 夢ovie』『悼む人』『仕掛人・藤枝梅安』二部作の大森寿美男
やっぱり時代劇といえばチャンバラ
スカッとする
先代の松本幸四郎の息子であり松たか子のお兄さんというイメージしかなかったが加齢のためかいい役者になった感が強い
予告編でも使われた悪党を切り捨てる時のあの表情は素晴らしい
息子もいつのまにかずいぶん大きくなったな
北村有起哉矢柴俊博という流れに広瀬すず主演『水は海に向かって流れる』を思い出し思わず吹き出した
ヤクザにタンカを切る松本穂香の熱演はちょっと意外だった
自分は彼女を過小評価していた
柄本明の江戸時代風似顔絵がいい味を出していた
配役
火付盗賊改方長官の長谷川平蔵に松本幸四郎
若き日の平蔵の長谷川銕三郎に市川染五郎
平蔵の妻の久栄に仙道敦子
盗賊の娘で引き込み女から足を洗い平蔵の密偵として働きたいおまさに中村ゆり
おまさの少女時代に中島瑠菜
平蔵の筆頭与力の佐嶋忠介に本宮泰風
平蔵の同心で「うさぎ」の異名をとる遊び人の木村忠吾に浅利陽介
幕府の若年寄の京極備前守高久に中井貴一
平蔵の密偵の相模の彦十に火野正平
1人働きの老盗賊だが日中は芋酒屋「加賀や」を営む鷺原の九平に柄本明
盗賊の頭の網切の甚五郎に北村有起哉
甚五郎の若い頃に銭山伊織
甚五郎の引き込み女のおりんに志田未来
平蔵が若い頃に惚れたおろくに松本穂香
おまさの父の鶴の忠助に甲本雅裕
元盗賊で居酒屋の亭主の大黒の与右衛門にベンガル
香具師の元締の土壇場の勘兵衛に矢柴俊博
軍鶏鍋屋「五鉄」の亭主の三次郎に松元ヒロ
三次郎の妻のおたねに中島多羅
同心の酒井祐助に山田純大
同心の沢田小平次に久保田悠来
同心の小野一三に柄本時生
剣客の浪人の桑原又二郎に山口祥行
盗賊の幹部の野尻の虎三に田中俊介
新しい鬼平 その血が成せる業
「てめぇっ! この女の情夫(イロ)かっ?」
「だったら、どうする・・・?」
囚われたおまさを助け出す場面
悪党どもにそう訊かれた鬼平の
静かな怒りに燃えた
ドスの効いた返し
中村吉右衛門さん演じる
鬼平犯科帳の中でも好きなシーン
好きなセリフだった
新しい鬼平
十代目松本幸四郎がこの場面をどう演じるのか楽しみでもあった
映画「鬼平犯科帳 血闘」
「貴様 この女の情夫かっ?」
「・・・あぁ、そうだよ」
まだ若さが残る鬼平、本所の銕と異名をとった名残を残したような
十代目のセリフも良かった
CSで放送された「本所桜屋敷」でも感じられたが
お祖父様 そして叔父様が演じられた長谷川平蔵を
その仕草、所作も言い回しも
なるほどこれが血かと思わせるに十分な鬼平の姿だった
そして柄本明さん 火野正平さんはじめ北村有起哉さん 中村ゆりさん方々の脇を固める役者さんたちの見事さもあって映画に見入った至福の時間だった
これからCSで放送されるシリーズも楽しみです
脚本がいい!柄本明さん圧巻!新たな鬼平を是非スクリーンで!
冒頭の若き銕のシーンが生きてくる巧みな構成が見事。現在と過去を行き来する脚本が素晴らしい。20年の時を経て再会する鬼平とおまさ。おまさが鬼平の役にたちたいと無理をする強い思慕が愛おしくて泣けた。おまさにとって銕三郎との絆は、底辺を這いずり回って生きてきた自分の人生で唯一の愛おしい記憶で、唯一慕った人が今こうして輝かしい役を得て奮闘しているのなら自分はその狗として尽くすのが本望という気持ちなのだと思う。それが美しくて切なくて。
今回おまさの描き方に配慮したという。梅安と比較すると、梅安の動機として女性をいたぶる悪党を成敗という趣があったこともあり痛ましいシーンが散見されたが今回はほぼなく、事後どまりだったのは個人的にはホッとした。気がかりだったので。
この血闘は、ユーモラスなシーンもあり、鬼平の愛嬌などを含めたキャラクターとしての懐の深さ、そしてシリーズ通じての単純な善悪でははかりきれない世界観、そして殺陣などの迫力や江戸の街の美しさなどもしっかり伝わってきた。
今回の血闘は二人の盗賊がクローズアップされ、そのどちらもが素晴らしいの一言。老盗賊の鷺原の九平を演じる柄本明さんはもう、最高としか。飛んで駆けて魅せてくれる。そしてあの表情…。そして北村有起哉さんの網切の甚五郎の執拗さ、狂気も凄まじく、この二人の盗賊が血闘という作品を盛り上げたことは間違いない。
おまさの切なさと強さ、木村忠吾を演じる浅利陽介さんの軽妙な味わい、火野正平さん、本宮泰風さん、仙道敦子さんもとても世界観にあっててよかった。
そして、新たな鬼平の松本幸四郎さん、声が本当に叔父の吉右衛門さんに似ていて、ぐっとくる。若き銕を演じる染五郎さんの無頼な雰囲気もとてもよくて、またこのシリーズで銕三郎を見たい。
エンタメ作品としての完成度の高さに瞠目。ハマったキャスト、美しい絵、そして鬼平らしい飯テロさ。鬼平の世界を堪能できて大満足。リピートしたい。
良きスタートを切った。と思う
「鬼平犯科帳」は小説からのファンですが、まさか今となって大きなスクリーンで観ることができるとは思ってもいませんでした。
かなり期待していましたが、その期待を上回ってくれて大満足。
長谷川平蔵は二代目中村吉右衛門のイメージがかなり焼き付いてしまっていますが、いつの間にか恰幅が良くなった十代目松本幸四郎は見事に平蔵になっていて安心して見ていられました。
また今作は暴れん坊だった若き日の平蔵に発端する事件で過去の様子も頻繁に差し込まれますが、その平蔵を息子の八代目市川染五郎が演じているという粋なキャスティング。
その他も豪華な俳優陣で固め良きスタートを切ったのではないかと思います。
しかし、、、この後はTVドラマとして続くのですが有料のBS時代劇専門チャンネルでの配信とのことで、このご時世、仕方ないことではありますが、未契約の自分には残念です。
時代劇らしい時代劇
池波正太郎さんの生誕100年記念作品シリーズの流れをくむ本作。「仕掛人・藤枝梅安」がとてもよかったので、期待して公開初日に鑑賞してきました。観客は中高年男性を中心に10名にも満たない状況でしたが、作品は正統派時代劇として上質な仕上がりでした。
ストーリーは、火付盗賊改方として「鬼の平蔵」と恐れられていた長谷川平蔵が、網切の甚五郎一味による凶悪な押し込み強盗事件を捜査していたところ、平蔵が若き日に世話になった居酒屋の娘・おまさが、平蔵のために独断で探索を続けるなかで、平蔵にまつわる過去の因縁が明らかになっていくというもの。
わかりやすいストーリーで、本格的な時代劇を楽しめるので、時代劇の入門編として若い人にもおすすめできる、というか観てほしい作品だと感じます。当時の街並みや調度品、行き交う人々の息づかいが、江戸の雰囲気をうまく醸し出しています。背景にぼんやりと映るだけの町民たちもしっかり演技しており、細部までのこだわりを感じます。
きちんと作り込まれた世界観の中で、火盗提灯をバックに名乗る鬼平の姿は本当に絵になります。鬼平の殺陣も見応えがあり、大人数相手の無双ぶりはちょっとやり過ぎな感じもしましたが、甚五郎との対決は北村有起哉さんの斬られぶりと相まってお見事でした。一方、市井のシーンでは志田未来さん演じるおりんへの声かけに心が温まり、お裁きのシーンでは柄本明さん演じる九平への裁決が涙を誘います。硬軟それぞれの平蔵を、熟練の俳優たちがしっかり演出しているのを感じます。
終盤は、過去の因縁を紐解きながら、冒頭シーンを回収していきます。王道でわかりやすい展開ではあるのですが、見方を変えれば平凡で意外性に欠けるとも言えます。そういう意味では、もう一捻り欲しかったところです。また、本作の肝であるおまさについても、あそこまで平蔵に尽くす理由が釈然としません。加えて、若き日の彼女は、“おろくは自業自得だ”と捉えています。おまさの背景や内面を掘り下げていたなら、彼女の行動がもっと熱く響いてきたのではないかと思います。とはいえ、大スクリーンで、鬼平の新作を観られた満足感は高く、多くの人にお勧めできる作品に仕上がっています。
主演は松本幸四郎さんで、鬼平を好演しています。本作では脇の俳優陣に助けられていた感もありますが、今後も鬼平を演じ続ける中で、中村吉右衛門さんを超えていくことを期待しています。脇を固めるのは、中村ゆりさん、志田未来さん、北村有起哉さん、松本穂香さん、仙道敦子さん、市川染五郎さん、中井貴一さん、柄本明さんら。ベテラン俳優陣の確かな演技が、作品全体を上質なものにしています。
鬼平犯科帳の本当のテーマとは何でしょうか? 21世紀に持続性のある時代劇とは?
鬼平犯科帳 血闘
令和の鬼平待ってました
原作は言わずと知れた池波正太郎
文庫本は全25巻と別巻1冊、全部で135話あります
1967年から1989年の22年間、「オール讀物」誌に断続的に掲載されました
鬼平ファンには釈迦に説法ですね
映像化は何度もあり、テレビドラマ、映画、舞台、漫画、アニメまであります
果ては江戸の古地図に現在の地図と鬼平の各話のエピソードに登場する地名を重ね合わせて解説する本まで出版されるほど
自分もそれを見てよく散歩したものです
熱烈なファンが多いです
高齢男性キラーのコンテンツですが、近頃はなにやら若い女性ファンもチラホラいるみたいです
本所深川、目黒不動さまなどを散歩していると着物姿の鬼平ファンと思しき女性を見かけることがあります
つまりゴジラに匹敵するキラーコンテンツというわけです
日本の映像コンテンツの宝なのです
テレビドラマ化は令和の配信シリーズを入れると6度目です
八代目松本幸四郎版、丹波哲郎版、萬屋錦之介版、二代目中村吉右衛門版、そして今回の十代目 松本幸四郎版というわけです
今回の配信シリーズの第2話を劇場版として公開されたものが本作という訳です
劇場映画では今回が2度目になります
前回は1995年の中村吉右衛門版の「鬼平犯科帳 劇場版」でした
なのでスクリーンに鬼平が戻って来るのは29年ぶりです
テレビドラマなら平成の中村吉右衛門版が第9シリーズ全138話で終了したのが2001年でしたから、そこから23年も経ちました
その後テレビスペシャルが13編放送されましたが、それも2016年で終了しました
時代劇専門チャネルでの鬼平外伝は5編あります
それも一番最後の「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」が2016年でした
そこから8年
長かった、みんな首を長くして待っていました
満を持してのリブートです
2001年に中村吉右衛門の平成テレビドラマシリーズが終了したとき、十代目松本幸四郎はまだ28歳だったのです
その彼も2024年の今年51歳
彼が50歳を越えて、鬼平役に相応しい年格好と風格になるのを本人も周囲も待っていたのだと思います
さて本作
結論からいうと大満足です
でもどうしても大成功した平成の鬼平犯科帳と比較してしまいます
観客はもちろん、主役はもちろん役者達、監督はじめ製作陣までも同様だったと思います
どこまでも平成と同じものを求めてモノマネ作品に止まっていてはつまらない
令和にリメイクするからには何かしら新味が無ければ意味があるといえるのか
そのプレッシャーは恐ろしく大きなものだったと思います
時代劇を21世紀にこれからもずっと作くっていけること
そのためには当然、時代劇を撮る技術の伝承が無ければなりません
でもそれは単に時代劇のセットや衣装、カツラ、小道具、所作、言葉遣い、殺陣
、時代考証などの約束ごとの継承だけで済むことなのでしょうか?
それだけではないと思います
時代劇がこれからも観客に支持され続けるものがなければそれは達成出来ないのです
今風に言えば、持続性のあるコンテンツであるかどうかです
そもそも池波正太郎が江戸時代のノワールを小説にしたのは、同じ事を昭和の現代でそれを目指したのだと思うのです
1967年の一番最初の白黒のテレビドラマでも既に音楽には現代的なギターが付けられていました
それが平成版ではあのジプシー・キングスの「インスピレーション」に発展していったのです
ではどこに令和版の発展の余地があるでしょうか?
鬼平犯科帳の本当のテーマとは何でしょう?
その核心をはずさなければ令和の時代性に合わせた発展の余地が必ず見つかるはずだと思います
江戸時代の犯罪捜査物
そんな表層的なものではこれほど息の長いコンテンツにはなりえません
もっと深いもののはずです
日本人の心の奥深くに響くものです
それは日本人の心です
心の機微、真心です
殺伐さをますばかりの世界
その中で世界の人々が求めるものは悪を憎むと同時に寛容の心を忘れないこと
日本人の心、鬼平の物語はそれを表現しているのです
そしてその日本人の心をつくる日本の風土です
季節の織りなす光景、山川木々花風雨雪
それこそが鬼平犯科帳の真のテーマなのだと思います
料理が取り上げられるのも同様です
料理は平和を象徴しているのだと思います
平成版はその核心を見事に射抜いていたからこそあれほどの成功をみたのだと思うのです
あの平成版のエンディングの春夏秋冬の映像と音楽こそが純度の高い結晶だったと思います
だから古びないし、何度みても見飽きないし感動するのです
今、日本に世界中からインバウンド観光客が押し寄せています
そして彼ら彼女達は何を求めているかというと、その日本の美しい風土、それが育んだ日本人の心、そして土地と気候が産み出した山の幸海の幸、さらに手間暇を惜しまず手をかけた日本の料理なのてす
それはこの鬼平犯科帳のテーマそのものではないでしょうか?
つまり鬼平犯科帳こそは、世界に通じる普遍性と世界中の人たちが求める日本の姿が濃密にあるコンテンツなのです
世界で大ヒットした「SHOGUN 将軍」に
も肩を並べるコンテンツに成長するポテンシャルをもっているはずと思います
令和版は時代劇の技術の継承は大成功を納めていると思います
明るく美しい鮮明な画面の中に本格の時代劇が再現されたと断言できます
日本の風土の美しさ、その風土が産みだす料理の美味しさ
それも忘れずに取り上げられています
ストーリーは原作があり自由はききません
しかし江戸時代も21世紀も変わらない日本人の心を描くのだから、あたら変な改変は不要です
真っ当でよく整理された脚本でした
では完璧かというと、欲をいえばのレベルですが気になる点はあります
言いたいことが色々あります
ここがこう
あの役のあの人はどうと
しかし平成版と同じことを追い求めてはいけないのです
違和感があってもそれも慣れの問題なのかもしれません
私達観客も、製作陣もともに成長して21世紀に持続性のある時代劇を確立させていかなければならないのです
世界展開して成功を収める
それが時代劇が21世紀でも持続していくために求められることだと思います
そのためには令和版にはなにが必要か
まだ不足している要素は何か
そこをさらに追求すれば平成版を追い越す成功も決して夢ではないと思います
海外の人がみたい日本の美しい風土、寺社仏閣は今はVFXでいくらでも実現できるはずです
なにもロケだけに頼ることもないと思います
大昔の監督みたいにあの電柱が邪魔だからどかせろなんて時代ではありません
有名観光地を封鎖して撮影する必要もありません
平成版以上に自由度は遥かに上がっていると思います
その映像に日本人の優しい真心を据えて丁寧に心の動き表現できさえすれば良いはずです
本作はかなり近いところにまで迫っていると思います
ただエンディングが真っ黒のスタッフロールの愛想のなさだけは残念でした
年末にまた鬼平犯科帳の次の劇場版を公開して欲しいものです
年の暮れ、正月こそ本格の時代劇をみたいじゃないですか
それが日本人を形づくることでもあると思います
時代劇に持続性を持たせるためには絶対に必要なことだと思います
待っています
「正月四日の客」みたいに
蛇足
池波正太郎は1923年1月25日生まれ
それで本作の最初に池波正太郎生誕100年企画とロゴマークがでます
十代目松本幸四郎も2023年が50歳
コロナ禍の中で苦労して準備がすすめられたのだと思います
池波正太郎生誕地碑は浅草の大川べりの待乳山聖天さまの石段の脇にあります
また合羽橋の台東区生涯学習センターの1階の図書館の一画に小さいながら池波正太郎記念文庫があります
ファンの方ならとっくにご存知というか訪問済みですね
簪に込めた…。
御線香大嶋屋に入り盗みと人殺しを働いた盗人一味を捜し捕まえようとする長谷川平蔵の話。
その御線香大嶋屋に盗みに単独で入った男(九平)と独りの女(おりん)の手引きによって盗みに入った盗人一味、九平は隠れ…、手引きした女と盗人一味の顔見る…、平蔵の元で働きたいと訪ねきたのは若き頃に出会い居酒屋で働いてたオマサだった…。
平蔵の手下で仲のいい忠吾に金を手にいれたら行きたいイイ店はあるか?と聞き…、その聞いた芋酒屋に顔出すと会ってはいけない3人が鉢合わせ(平蔵、おりん、店主の九平)、平蔵だけは分かってないけど、この辺りからどうなる?!で引き込まれ。
おまさを助けに行っては囲まれ、京極に呼ばれた料理の席の罠の殺り合いは見応えあり、こんな人数に囲まれたら無理だろ何て思うけどサクッと仕留め、畳で矢を防いじゃうのもカッコよくて。
時代劇をまともに観たのは藤枝梅安2作と本作含めて3作目、時代劇バカに出来ないな~と、劇場行く前はちょっと体調悪くて、その体調悪さを理由に行くのやめようかなんて思ったんだけど観て良かった!続編はテレビ放送とかでなく是非劇場版で!
悪を知って外道を憎むby長谷川平蔵
私にとって鬼平といえば、中村吉右衛門さんだったので、
松本幸四郎さんがどのような鬼平なのか、興味があって鑑賞しました。
幸四郎さん、若く見えますが50代前半ですから、鬼平の役にもマッチする年齢だと思いますが
吉右衛門さんレベルの凄みに達するまでは、もう一歩的な印象を受けました。
それでも、幸四郎さんならではの迫力と粋なセリフ回しも好感が持てますし、
今後、役とともに馴染んでいくのだろうなと思いました。
さて、本作ですが、女性俳優陣が素晴らしいです。
おまさ役の中村ゆりさん、凛とした佇まいとセリフが実にカッコいい!せつないキャラではありますが、応援したくなります。
奥様役の仙道敦子さん、久しぶりに拝見しましたが、味のある演技で存在感がありました。
おりん役の志田未来さん、おろく役の松本穂香さん、難しい役どころだったと思いますが、見事に演じ切っていました。
男性陣も負けておらず、
鬼平の側近 佐嶋役の本宮泰風さん、落ち着いた佇まいと鑑賞客も安心するような絶対的な信頼感があり、頼もしいなと思いました。
九平役の柄本明さんもさすがの存在感。重要な役どころでさすがだと思える演技。素晴らしいですね。
北村有起哉さんの悪役っぷりも堂に入っていて素晴らしかったです。
アクションシーン(殺陣)も時代劇ならではですが、刀と刀⚔️がぶつかったときに生じる光や血飛沫、
鬼平のキビキビした動きで絶体絶命にも関わらず乗り切ってしまうところなど、
見どころ満載で面白かったす。
ストーリーは、若い頃の鬼平にスポットを当てつつ、現在と行き来する見せ方は、良かったと思いますし、
鬼平への感情移入がより深くできるように感じました。
続編あるよ、的な終わり方は、ちょっとなぁ〜。私は好みではありません。スッキリ終わって欲しかったです。
鑑賞客は、さすがに私の年代(50代前半)よりも上の先輩方が多数を占めていました。
多数といえど、おそらく20名ほどの入場数だったと思います。
今後も幸四郎さんの鬼平に期待しております。
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