劇場公開日 2021年2月26日

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「アキラ×ディズニーミュージカル×レディープレイヤー1×ジョジョ×カンフー映画は全体のセンスがまだ足りない」ナタ転生 ホレッタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アキラ×ディズニーミュージカル×レディープレイヤー1×ジョジョ×カンフー映画は全体のセンスがまだ足りない

2021年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

以下は完全に自分の好みなので、ご覧になって判断いただきたい。見る価値はあるので。

ナタ転生は、サイバーパンクのディストピアで起こるお話。
ナタは封神演義の哪吒、西遊記のナタ王子の生まれ変わりという設定。
日本で言えば、スサノオノミコトが現代によみがえった感じ。

主人公はバイクレーサーで、序盤のレースシーンは導入部分として重要なのだが、描き方がイマイチ。このほかの人の動きも、気持ちがよくない。人はこんな動きをしないし、観ている人も喜ばないという感じ。登場人物がカメラに向かって話しかける演出も、古くさい(意味があればいいのだがない)。
始まってすぐに車から人が猛スピードで投げ出されても、何の説明もなしに「いたた」と起き上がるのもいただけない。周りはなぜ驚かない?このあたりが説明不足というか世界観の作りこみが浅い。

ストーリーも、セリフも、ステレオタイプで、この評のタイトルの通り、すべてがどこかで見たことがあるもののマリアージュ。もうひとひねりあれば水準以上になるのに、そこの部分のセンスがまだまだという感じ。
「中国もここまで来たか!」と書きたかったが、全体としてはもう一息といった内容だった。

ただし、日本の3DCGでこれ以上のものをつくれるかというと、はなはだ疑問。細かいところを無視すれば、見た目は10年前には考えられないほど立派になっているし、キャラや装備もそこそこカッコいい、カンフーシーンなどはさすがに上手といえる。ストーリーだって、頭を空っぽにしてみれば、まあ悪くはない。全体に惜しいのだ…逆に言えばもうちょっとで名作。

でもホント、このままいくと中国いいもの作りそう。本当に悔しいが、日本はもう負けつつあるのかもしれない。

ホレッタ