アオラレのレビュー・感想・評価
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眠気が吹っ飛ぶ面白さ!
本編が始まる前の公開前作品の紹介や映画泥棒までウトウトしてました。
しかし、ラッセル・クロウの車が主人公の隣に来た後、執拗に追い掛け回し始めた途端に、眠気が一気に恐怖で吹っ飛びました!
人の命を何とも思っていない犯罪者、アメリカって怖いなぁ…と思いましたが、映画の話やからね♪
これから、もし信号待ちで前の車がすぐに発進しなくても、クラクションは鳴らさずにパッシングライトだけに…それでも執拗に追い掛けて来るの❓
イヤ~~~~~~~~w
Road rages. 超ド真ん中ストレート‼️
珍しく邦題に惹かれて鑑賞。きっと本作は原題だったら観なかったかな😅
でもこれは恐い❗車を毎日乗っている自分から見れば、たまたまクラクション鳴らした相手がサイコさんだったって話ですよね。ラッセル・クロウは煽る前に既に人殺して放火した後じゃないですか?前に動かない車がいても、まさか人殺しが乗ってるなんて思わないですよ。危ない危ない。
根本的にどんな人間が周りで運転しているかなんてわからないじゃないですか?更にこっちがどんなに安全運転してても因縁付けてくる輩も世の中一定数いるわけで。これは誰にでも起こり得るお話なんですよね~。とりあえず帰り道の運転は1.5倍(当者比)ぐらい慎重になりました。
お話の内容はもうひねりも何もなく最後のオチまで徹頭徹尾ストレートで、メッチャ楽しめました。主人公もそこそこダメな人間ですが、それよりも何よりもラッセル・クロウのキレっぷりがハンパないです。もう冒頭から目がイッちゃってます。願わくばああいう人間とは一生関わりたくないわ~。でも、運次第でかかわってしまう可能性があるのが車社会の恐い所ですよね。
ストレス社会に警鐘を鳴らすーとか小難しい事は抜きで単純にエンタメスリラーとして、車がガツンする度ビクっとしながら楽しめました。皆様安全運転とマナーには気を付けましょう‼️
恐っっっ😱
最近よく聞く「あおり運転」。クラクションが発端であおられる話だけれど、このラッセル・クロウ演じる「男」は元々仕事を解雇されたり人生に行き詰まって放火殺人まで犯したアブナイ男。単なるアオラレだけの話ではなかった。
確かに青信号で進まない車にクラクションは鳴らしたくなっても男がいうようにププッと鳴らせば済む話。それを指摘された時点で謝ればよかったのに、、、息子のカイルの方がちゃんと理解できている。
元を辿れば、平気で遅刻をする、お客との約束に間に合わなくても自分から謝りの電話も入れない。少しでも早く行こうとアブナイ運転をしたりとなにかといい加減なレイチェル。レイチェルにあまり同情はしないが巻き込まれた人たちがなんとも気の毒。
ガソリンスタンドで轢かれた男性。弁護士のアンディ。弟とその婚約者。交通事故に巻き込まれた人達、本当に気の毒。顧客のデボラが助かったのは唯一の救い。(デボラの名前を出したレイチェルにはなんて奴と怒りMAXになったが)
中だるみは一切なく、ずっとハラハラしっぱなし!あおり運転といえばスピルバーグの「激突」を思い出すが、あちらはあおる運転手の顔が一切わからないことが怖かったけど、こちらはラッセル・クロウの凄みのある目つきがとても怖かった。
ラッセル・クロウはどこまで大きくなるんだろうか、それも怖い。運転には気をつけよう、そしてむやみにクラクションは鳴らさないようにしよう。遅刻はしないように、余裕のある支度をしようと、改めて思わせてくれました😬
これはヤバい
自分もサイコパスかも。主人公に共感して感情移入してしまった。追われる女性がちゃんと謝っておけばこうはならなかったのに。主人公の気持ちになってもっとやれもっとやれと思ってしまった。ビクッとするショッキングなシーンもありヤバいとしか言いようがない素晴らしい作品だった。
評価4.5
久しぶりにレビューします!!ラッセルクロウの危機迫る演技が素晴らしかったです👏ラッセルクロウで例えるなら『ジョーズ』のサメのような感じでした!!『激突‼』とか『ヒッチャー』はまだ未見のままですが、心臓バクバクしました!!息つく間がなかったです!!シングルマザー役のカレンビクトリアスもよかったです!!子役のガブリエルベイトマンは少し成長しました!!声が少し変わってました!!この映画を観て何年か前に観た『ドント・ブリーズ』を思い出しました。『ドント・ブリーズ』のお爺さんも最強やったけど、運転手のラッセルクロウも負けてないです!!最後は絶命したけど〜(+_+)日本でもこういう煽り運転起きているのかな〜。映画ほどではないが、起きているかもしれない・・・。以上。 〔2021年5月30日鑑賞〕
久しぶりにドキドキ感満載です
最初から最後までドキドキハラハラしながら観れました。
レイチェルのダメさ・いい加減さはその通りで、朝寝坊で遅刻して息子に迷惑かける、大切なお客さんに迷惑かける、挙句にそのお客を殺させる。めちゃくちゃな奥さんですね。離婚されても仕方ないですな。まぁ、最後の死闘だけはさすが母親としてのパワーを発揮して拍手喝采だったです。
レビューの中に「激突」と比較してもB級だと言ってる人がいるけど、私としては「激突」も確かに傑作だと思うけど、そもそもあれはB級ムービーだったのではないでしょうか。スピルバーグの出世作だったから勘違いしているようですね。B級の定義を理解していない人が多いみたいです。
とにかくとても面白かったです。
映画の面白さを味わいたい人には是非お勧めです。
最後のワンシーンもドキッとさせるお約束で良かったです。
恐怖
ラッセル・クロウの演じる異常者に恐怖を感じた。
当事者だけでなく、その関係者まで躊躇なく殺害できる変人ぶりにビビった
マイナス面としたら彼のプロフィールとかがよくわからなかった。なぜあんな恐ろしい人格なのかとかわかりにくかった
でも、だからこそ逆に怖かったのかもしれない
実際のあおり運転もそんなんだし
あの名作を連想しながらも、カルシウムが足りない人達の作品です。
前から興味があった作品ですが、都内のシネコンは休館状態で6月からソーシャルディスタンスと時短営業でなんとか再開。
で、近所のMOVIX亀有に久しぶりに足を運んで鑑賞しました。
て 、感想はと言うと…まぁみんな余裕も無いし、カルシウムも足りてないよねw
予告編を観た時から、昨今の煽り運転の事件等もあり、煽り運転事件のあんな事件やこんな事件が頭に浮かぶw
余裕が無いと言うのもあるし、「ハンドルを握れば人間が変わる」と言うのは昔から聞きますが、それの物凄くコジらせた感じw
作品としては面白いと言えば面白いけど、B級感はあります。と言うか、B級作品の申し子の様な作品でw、上品ぶる様な作品でないのは確かw そうでないとこの作品は楽しめないかなと思います。
でも、それ以上に煽られたレイチェルの同情感薄がプンプンw
寝坊して、約束の時間に遅れているだけで社会人失格。それも大事な大口のお客に対してなんてフリーで活動している者にしてみてはダメダメ。
また渋滞で違法の路肩走行して違反連発。
もうこの時点で天罰感高めw
その後のラッセル・クロウ扮する、トム・クーパーのやりすぎな怒りの引き金を引いてしまう。
でも観る側のレイチェルへの同情心はあんまり湧かないw
この辺りのカタルシスが面白いんですよね。
それでも、トムのやり過ぎ感はドンドン加速していき、まさしく「どうにも止まらない」。そこに執拗なレイチェルへの狙い撃ち。「狙い撃ち」に「どうにも止まらない」とは山本リンダ状態ですなw
レイチェルの些細(本人が思う所の)な「アオリ」から、トムの暴走は引き起こす悲劇の物語ではありますが、難点は個人的にいくつかアリ。
・最初のトム・クーパーの襲撃と爆破はいるんだろうか?
この辺りのプロローグが今後の事件の切っ掛けになって「こいつ、ヤベ〜ぞ」と言うイメージを植え付けて、トムの無差別な殺人鬼的な側面が強調されるんですが、被害者も加害者も一般人で、アオリ・アオラレが巻き起こす悲劇の方が良いし、面白いと思うんですが如何でしょうか?
・ラストの実家での決闘はどうなの?
個人的には「路上で巻き起こるバトルの決着は路上で」と思うんですが、実家で場外バトルと言うのにはちょっとどうかと。
また、思ったよりもあっさりとトムのHPがゼロになってのゲームオーバーは割と肩透かし。執拗にレイチェルを追いかける様はターミネーターの様な不死身感もあるし、何よりもあの「グラディエーター」のラッセル・クロウならもっとタフであっても良かったと思うんですよね。
何よりも、この作品を見た時にはあの「激突!」が思い浮かぶんですから、路上でない所の決着は少しガッカリかなと。
他の方も書かれてますが、「激突!」や「フォーリング・ダウン」と言った所謂「プッツン作品」を思い出す作品で、比較するのはどうかと思ってもやっぱり比較してしまう。
特に「激突!」は今見ても十分面白く、ホラー要素も感じられるサスペンスアクションの傑作。
制作側が意識するしないに関わらず、観る側は意識してしまうのは致し方なし。
ましてや私生活では短気と粗暴な振る舞いが有名なラッセル・クロウが主演なら、そこを狙ってのオファーか?と思ってしまいますわなw
また、ラストのレイチェルが信号無視をした車に向かってクラクションを鳴らすのを止めたのには「バック・トゥ・ザ・フューチャー:Part Ⅲ」のラストを思い出しました。マーティが自分の短気から未来を棒に振った経験を生かして思いとどまった事での「めでたしめでたし」となる訳ですが、レイチェルもあそこでクラクションを鳴らしていたら…となり、ハッピーエンドな訳ですが、ここは敢えてクラクションを鳴らして「学習しないのか、君は?」となる方が面白いかとは思いますが如何でしょうか?
もっとシンプルかつ煽られの恐怖を描いても良いかと思いますし、トムの素性が明らかにし過ぎなのもちょっとどうかと思ったりしますが、こんなになかなかダメな主人公の女性も珍しい。ましてやお客を売ろうとしたしw
もう少し、レイチェルの報われない感じでも良かったけど、どちらも肩入れが出来難いキャラがちょっと中途半端にも映ります。
ただ、やっと映画が以前よりも観れる環境が嬉しいので、B級作品が映画館で観れる事でちょっと満足してしまったw
とりあえず、好みがありますが、興味がありましたら、肩の力を抜きつつ、ハードルを下げて鑑賞されては如何でしょうかw
予告通り
ほぼほぼ、予告を見た人が大体イメージした内容通りだと思う
が
それ以上でも以下でも無く
精神的におかしくなった人に、動機なんてものは無いのかもしれないけれども
もう少し何があったのかは知りたかったかも知れない
尺はこのくらいで十分
むしろ序盤からもっとぶっ飛ばしても良かったかも
ポップコーンムービーって感じで
気軽に楽しめます。
ハーイ! I'm ラッセル
普通のスリラーのクライマックスを冒頭に持ってくる狂気
全編アクセルベタ踏みの暴力描写満載 殴る 蹴る 刺す
轢く 燃やす 絞める
鎮痛剤依存の巨漢がシンママを追い詰める トラウマ必至の要注意映画
今回のお母さんは時間にルーズだよ!
啓発?
反面教師というべきか…いや、かなりフィクションだとは思うのだけど。
現実に起こりうる「アオリ運転」が題材ではあるが、煽られる側にも問題がないわけじゃないとのスタートだった。とにかくオープニングが秀逸で…社会から与えられるストレスを凝縮したような展開とそのBGMに圧迫される。ラッセル・クロウが異常なまでのサイコ野郎を好演してるわけなのだけど、彼の芝居は特段にサイコなわけじゃない。終始、怒ってるし思い詰めてるし、共有できない感情ではないのだ。
その度合は理解できはしないのだけど。
なので、その社会から与えられるストレスによって、今後彼のような人間が現れるかもしれないと、ふと思う。
携帯のGPSの件とかはよく出来ているのだけれど、彼女の周囲の人間にまでってのは誇張が大きかったかもなあ。最後に祖母の家に逃げ込むのも疑問ではある。
ああ、やっぱり直接戦うのだなあと、アメリカ的な精神論が降りかかってくる。
まぁ結局の所、個人情報の塊である携帯を取られてるので、警察署に逃げ込んだところで、解決はされないみたいな事なのかもしれないけれど。
ただ、サイコ野郎の目にハサミを突き刺して、尚且つ足で蹴り上げるってのは…アレで皆スカッとするのだろうか?
ラストはクラクションを鳴らそうとして、やめる主人公。息子から「正解だよ」との声がかかる。
どおにもやるせない結末ではあるが、どのみちその瞬間にしか会わない相手。わざわざ干渉する事もないとも考える。
日本だけかと思ったらアメリカでも結構な社会問題になってるんだなぁ。向こうは銃が近くにある分、恐怖が増すなあ…。
■追記
masamiさんのレビューを読んでハタと気づく。
「言われてみりゃそらそうだ」
そう思うと今作は結構真面目なテーマだ。
男は「お互い様だ」と謝罪をし、また促した。それを突っぱねたのは女の独善的な思考だ。
「悪いのはあなた。私は悪くない。」
この考え方が発端なわけだ。
その後に起こるアレコレは異常な事ではあるけれど、生まずに済む軋轢を生んだのは、コレなのだと思う。
まぁ、ほぼほぼ反射的な行動ではあるし、自身もやられた事のある至極ありきたりなアクションなのであろう。なのでその事について再考する余地などない。
が、結果には原因がある。
そういえばオープニングにも「SNSとマスコミに脅されて」なんて一文があった。
煽り運転は非常に危険で野蛮な行動ではあるが、煽り運転をする側だけが異常ってのはマスコミに煽られての価値観かもしれない。
報道される部分だけが真実ではないのである。
ラストカットで彼女はこの「煽られる可能性」を回避した事になる。
煽られ防止キャンペーンな映画なわけだ。
煽り運転の全ての原因がコレってわけでもないし、何の原因もないのに煽られた純然たる被害者もいるのではあろうが、きっと何割かには当てはまるのだろうと思う。
アホな女
アホな女としか思えず、思わず鑑賞中に「バカ?」と声に出てしまったほど。
寝坊したのも、スマホにロックをかけていないのも、そんなスマホを車内に置きっぱなしにしたのも、全部アホでだらしがない女。
ついでに警察署に真っ先に行けばいいのに、わざわざ被害を増やすために、後ろを見まくりながら暴走運転。
弁護士も女がアホだから殺されたようなもの。
被害者のように描かれているアホな女こそ、その他の人にとっては加害者、いい迷惑。
煽り運転防止よりも、「スマホのロックをかけましょう」というのが、この映画のたった一つの教訓です。
スピルバーグの激突はさすがだわ。
711TPX
この物語のミソはレイチェルのなかなかのだらしなさ。あんな仕打ちを受ける理由には勿論ならないんだけど、きっかけを作っているのは全て彼女だし、そのだらしなさが伏線として全編に渡って効いている。
この物語でなんと言ってもいい味出してるのがラッセルクロウのサイコっぷり。鬼気迫るひげヅラの土手っ腹。マスクにチェーンソー並の相乗効果ではなかろうか。また、そのサイコ野郎がガラケーと車のみで次々と凶行を積重ねるあたり、意外とクレバーだったりする。凶暴でクレバーで自暴自棄のサイコ野郎からローマ軍の将軍まで演じるラッセルクロウの演技力の幅に改めて感心した。
そしてこの物語の隠し味は、警察が結構役に立たないところ(笑)この手のサスペンスであんまりにも警察が機能してしまうと話が進まないんだろうけど、あれだけの事件の後で「もう帰って結構です」は笑えた。あと「おばあさんの家に行く」にも笑ってしまった。どう考えても警察だろ。
この作品を観て、マイケルダグラスの「フォーリング・ダウン」やニコラス・ケイジの「リービング・ラスベガス」あたりを思い出した。全てを失った男の自暴自棄が織りなす悲喜こもごもというカテゴリーに分類できるのかも知れない。
死に取り憑かれた男の物語
失望と死に取り憑かれた男の暴走行為。
タイトルとは少し内容的に違う感じがするけど、この映画に目を向けるタイトルにはなってるかな。
細かいことを無視して突き進む感じはサスペンスというよりホラー的な感じがします。
最後に逃げ込むとこが警察署じゃなく祖母宅っていうのがなんとも言えませんが。
ひねりはないが造りは丁寧
愛知県は映画館は休業には
なっていないものの土日の併設ショッピング
センターは休業でかなり映画民には辛い
状況になっております
予告で何度も観たのもあって観賞
一見オーソン・ウェルズみたいになった
ラッセル・クロウが精神的に不安定な
殺人鬼を怪演しています
昨今日本でもドラレコの普及により
明るみになってきた狂気的な運転者の
常軌を逸した行動ですがアメリカでも
「RoadRage」という名で問題になっています
社会への不満や差別社会も重なっている
ように冒頭では描写されていました
ズボラな主婦レイチェルが
息子を学校へ送る際に青信号でも出ないクルマに
クラクションを鳴らしたことから
鎮痛剤を服用し精神的にイカれた状態の
トムに執拗に家族を含め命を狙われる
捻りのないストレートな話
クラクションを鳴らして青信号を知らせる
のはよくやりますがその後追いかけてきて
謝罪を要求してきたトムに謝らなかった
事で事態が最悪なことになっていく感じ
印象的だったのは
トムはレイチェルに関係する人を
巻き込んでいきますがところどころ
結局ノーブレーキの他人が跳ね飛ばしたりしており
交通戦争の真っ只中であることを示している部分
でもなんかそこがホラー映画でよくある
ノーブレーキで突っ走ってくるクルマのようで
なんか滑稽になってしまいバカっぽい
スマホにロックがかけてなかった事で
レイチェルの情報がダダ漏れになって
しまってる部分とか恨みを持つ人間に
そういう情報握られたらという恐怖も
加えているんですがなにせトムの行動が
狂気的過ぎてなんでもありな部分との
バランスはあんまり良くなかったです
まあ一度観ればいいかなって作品でした
アオリというよりストーカー
ハリウッドの脚本術といったような本がしばしば見受けられるが、この映画はそうした脚本術が透けて見えるようなストーリーだ。
やや唐突に子供とゲームの話をするので、これは伏線かと思っていたらやはりそうだし、あちこち逃げればいいのにわざわざ実家に籠って戦おうとするなど、不自然な流れが目につく。悪漢にとどめを刺すところは強気なセリフ「これがあんたへの礼儀だ」と言うし、全てが終わって、最後にまたも似たような出来事が起きると、同じ過ちを繰り返さぬよう手を止める。すると息子が「グッドチョイス」という。これもよくあるパターンである。
だらしないところのある女が反省するきっかけになった出来事でした、という教訓を得るには大事件でした。
事件が起こるまでの会話は気が利いているし、渋滞に巻き込まれ遅刻しそうだというイライラもよく伝わってくる。テーマは面白いのに、その後の展開が不自然すぎて残念。犯人は、もっと平凡な男がクルマに乗ると狂うというようにしたほうがよかった。だがその心理的なプロセスは複雑微妙なものであり、外見的な行動を描写する映画は、複雑な心理を見せるのが得意ではない。だから最初からわかりやすい悪にしておかなければならなかった。これではクルマのトラブルが原因というより、異常者とのトラブルになってしまっている。
ただその男が、ここまで執拗に女を追いかけ回すのに、もっと理由が欲しい。異常だから何をやってもいいわけではない。異常者には異常者なりの理屈がある。
男は行き当たりばったりでイカレているはずなのに、ケータイを仕込んで連絡したり、タブレットを座席の下に隠して追跡したり、先を読む知性があり計画的である。女に謝らせるためにやっているんだと言いたいのか?クスリを頻繁に飲んでいる演出も言い訳っぽい。この男は脚本術のために動いているようにしか見えない。
あなたの隣の『ジョーカー』
2019年に公開されたジョーカーは現代社会において報われない人を(そう感じているだけの人も含めて)中心に大きな共感を巻き起こした。
仲間から見下され、見も知らぬ他人から暴力を受け、尊敬する人から嘲笑され、両親から愛されず、愛する人は自分の妄想でしかなかった。彼はジョーカーとなる以外にどうすれば救われたのか。同年に公開されたパラサイトもそうだ。覆せぬ階級差を前にして、その切り立った崖を越えられるような気がして、悪事に手を染めてしまった。
アオラレはそんな社会問題をちょっとだけ含んだ、『無敵の人』の話だ。ただ、ジョーカーやパラサイトのように報われない人への同情心を誘うような、「仕方がない」と思わせるような作りはしていない。彼が徹底的に社会を憎悪し、効率よく復讐を遂行する悪鬼だからだ。
映画は彼の殺人から始まる。その後、だらしない主婦レイチェルが出てきて、色々あって彼の車に「マナーのなっていない」クラクションを鳴らしたことから、彼の狂気の付きまといが始まる。彼は社会に拒絶されて自暴自棄になったいわゆる『無敵の人』なのだろう。
生きる目的は社会への復讐、直近の目的はレイチェルへの復讐。その過程でいくら人を殺そうが、それを目撃されようが気にしない。執拗にしかしあくまでも賢く復讐を遂行していく姿は狂気・恐怖としか言いようがない。
とはいえ、鑑賞者のほとんどが期待するように、奮い立ったレイチェルが彼に一矢報いて映画は終了する。彼の社会への復讐は人を数人殺しただけで終わる(それでも大変なことだが)。映画が始まる前から彼は社会から拒絶されて絶望し、憤慨し、それゆえさらに拒絶が加速する。彼は映画の中でも、鑑賞者からも同情を買うことなく息絶える。彼はどうすれば救われたのか。
私は本を糺せばイライラして礼儀を欠いたレイチェルの自業自得のような気がするのだ。彼はレイチェルに対して表面的には紳士的に交渉したのだから。
世界がジョーカーやパラサイトに熱狂したのは危機感がないからではないか?ジョーカーで巻き起こった暴動はゴッサムシティでしか起こらないし、パラサイトは韓国の貧民街の話だと、そう思ったのではないか。だから娯楽として観られる。楽しめる。
しかし、この映画アオラレはどうだ。車の煽り運転はいまや重大な社会問題といえる。それに応じて、煽り運転を指摘する正義の執行もまた社会問題のひとつになるだろう。あなたが正義を執行した相手が社会に絶望した『無敵の人』ではないと言えるだろうか。そんなことを考えてしまった。
全44件中、21~40件目を表示