「マッチョを飼い馴らす」クライ・マッチョ hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)
マッチョを飼い馴らす
なによりもまず、この映画は馬だ。
疾走する裸馬の群れと並走するアメ車。
人を信頼せず従順を拒む野生馬を、馴致するイーストウッド。
これだけで、元が取れる。
マチズモとは。
クリント・イーストウッドが、問いかける。
思春期の少年が憧れる、微笑ましくもめんどくさいマチズモは、どう矯正されるべきなのか?
思春期の少年のときのまま矯正されなかったマチズモは、社会と幸福な関係を築き維持できるのか?
マフィア。専制政治。権威主義。戦争。テロリズム。
人類は、その長い歴史を通じて、思春期の少年のマチズモを、社会のなかに好ましい形で取り込もうとしながら、いまだに成功していない。
ならば、自分にできることをやってみせる。
クリント・イーストウッドは、やってみせた。
カーズのドックがマックイーンにしたように。
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