「歳を重ねても分からぬコトもある。」クライ・マッチョ はるさんの映画レビュー(感想・評価)
歳を重ねても分からぬコトもある。
80歳を超してなお映画を撮るのは並み大抵の事ではなく体力的には限界を超えているはず
。心的ストレスと身体的苦痛は希代のマゾヒストと言わねばならんだろう・・・しかし、それを実行して見せるイーストウッドは世間に怒りを覚えているのだろう。「軟弱すぎる。今の社会はどこかで間違ってしまった。」そんな彼の声が聞こえる。それは、ドナルドが大統領選を戦い始めた頃に発した言葉だったような気がする。自分の意見を言う時には必ず「私は何も知らない一介のサラリーマンですが・・・」とまずは失敗をしたときの言い訳じみた言葉投げかけて話をするのだ。それは我が身の保全。間違ったのは私の所為ではなく社会の責任だと言わんばかりだ。いったいいつからこうなってしまったんだ?
「人間のすることは完璧なまで間違っている。そう認識をしておいた方がいい。ただ、許される間違いを選択する努力はあっていいはずだ。」
この映画のラストに少年に向かってイーストウッドが言い放った言葉には、そんな意味が込められている気がした。
そして、これからは軟弱に時を過ごすことなく強く生きていくのだと語り掛けている。
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