「そろそろ自分の旅の終焉を考えなくては、と。」クライ・マッチョ ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろ自分の旅の終焉を考えなくては、と。
イーストウッド監督デビュー50周年作と聞けば観ない手はありません。監督作は「リチャード・ジュエル」があったけど主演も務めたのは「運び屋」以来ですね。
実はイーストウッドは老いてからの作品の方が好みなんです。
飄々としたおじいちゃんだけどなぜか女性にモテる!という役を自分で演じてるのもなんか可愛いし、動きこそ機敏では無くなっているけどユーモラスな振る舞いや台詞、穏やかな微笑みに心が温まります。
馬への優しい語りかけにもジーンときて白い馬の顔がアップになったとき、思わず目頭が熱くなりました。
全てがゆったりしているのかというと決してそうではなく、絵の力はとても強くて頼もしい。たしかな構図、光とのバランスなど、監督としての丁寧な仕事ぶりはさすがです。カントリーミュージックの使い方も上手いですよね。
敵(?)が緩すぎて上手くいきすぎるのもご愛嬌。自分の最期の地を見つけたあのラストダンス、素敵でした。
派手さも大きな畝りも無いけれど、歳を重ねてくるとこういう作品が沁みるのよねぇ。
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