劇場公開日 2022年1月14日

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「馬と車」クライ・マッチョ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0馬と車

2022年1月31日
PCから投稿

クリント・イーストウッドは馬が似合う。そんなことはわかりきっていたのだけど、この年になってもものすごく様になっていてすごい。冒頭、イーストウッド演じる主人公がメキシコに入り、車を走らせている横を、数頭の馬が平行して走っているシーンがすごく良い。馬と一緒に同じ方向に走っているのが、なんというか、馬とともに生きてきた男の姿っぽい感じがあっていい。物語は、少年と老人の疑似家族的な関係構築の話だが、馬と車が媒介となって進んでいく。
車が駄目になったり、盗まれたりするので、何度か車を乗り換えていく。少年は時々、車を運転したがるが、未成年なので主人公はそれをさせない。代わりに、馬の乗り方は教えてやる。同じ脚本家の『グラントリノ』は車の継承の話だったが、今回は馬の乗り方を継承する話になっている。何かを継承する時に、運ぶものである乗り物を用いるのが、この脚本家は好きなんだろう。そして、それがイーストウッドにとても合っている。

杉本穂高