「米国のマチスモ神話はCイーストウッドの老いとともに終焉を迎える」クライ・マッチョ h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
米国のマチスモ神話はCイーストウッドの老いとともに終焉を迎える
流石のイーストウッド監督と鑑賞後にため息をつかざるを得ない作品。老いてなお、そのありのままの姿をスクリーンに表現するマジックをまざまざと見せつけてくれる。
ロードムービーとしての画の美しさ。
Cミュージックの調べにあわせ、古き良きアメリカを彷彿とさせつつ、自らの老いゆく姿に米国の繁栄時代の終わりを重ねあわせる。
そこには決してトランプ前大統領が唱える「復活」の希望なぞなく、だがしかし悲観一辺倒の「絶望」ではない。
マッチョ(チキンではないw)や馬等生き物との共生のさまは、人間中心主義の自然から隔離された都市生活やその先に描かれた「気候正義」へのアンチテーゼか。
観るものを選ぶ作品。すべての観客に支持されるものはない。映画って、それでいいと思う。
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