劇場公開日 2022年1月14日

  • 予告編を見る

「年老いたカウボーイ」クライ・マッチョ 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0年老いたカウボーイ

2022年1月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

91歳のクリント・イーストウッドの主演・監督作品。かつて世話になった男から頼まれ、メキシコにいる彼の一人息子を連れ戻そうとする年老いたカウボーイを演じている。
少年との交流を通じて、男の生き方を見せていくというテーマは、これまでのイーストウッド作品を思い起こさせるが、時には非情にも思えるような厳しい人間観察といったものはなく、全体としてゆったりとした緩い造り。
物語の発端がよくわからないし(一人息子と母親の関係は?一人息子はなぜ主人公についていくことにした?)、その後の展開も、言ってしまえばご都合主義。とにかく、追っ手が弱すぎる。
しかし、メキシコの砂漠を走る車、西部劇から抜け出たような田舎町の風景、情け深い人々、動物たちなどなど、画面に流れていくものを、ただ眺めているだけで、ゆったりとした気持ちになれるのが、この作品の魅力となっている。
主人公の設定としては、初老といったところか。イーストウッドのダンスシーンは、微笑ましくもあり、ちょっと痛々しくもあった。さすがにスクリーンで彼の姿を見られるのは、今作で最後なのかな。

山の手ロック