劇場公開日 2022年1月14日

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「老いとともに無知な自分を知る。」クライ・マッチョ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5老いとともに無知な自分を知る。

2022年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

近年のイーストウッド映画のデフォルトである、若いころの栄光を持つ落ちぶれた孤老人。家族も顧みなかった男の今の姿は、物静かでよぼよぼだ。だけど、ぬるぬるっとしたその言動と風貌に、僕は次第と信頼感を寄せていた。それは、人生の山をいくつも越えてきたからこその円熟味ゆえだろう。知識豊富で機知に長け、しかしけして奢らず、人間の奥ゆかしさに溢れている。マッチョ(もちろん肉体的な意味だけでなく)であるのに自分をマッチョだと誇示しない。これこそ、真の強さなのだ。
できればイーストウッドがあと10歳若ければ、ラストシーンがもう少し華があった。あの歳では先が短い。

栗太郎