劇場公開日 2022年1月14日

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「更に深化する娯楽映画の英雄」クライ・マッチョ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0更に深化する娯楽映画の英雄

2022年1月16日
iPhoneアプリから投稿

いろんな感想があがる前に観たかった『クライマッチョ』。大好きな『センチメンタルアドベンチャー』の時は親子で旅するロードムービーだったけど、今や孫とじいさんとなってメキシコ国境を目指す。と、言っても才気ばしった若手なら狙うべきアメリカ南部の絵柄も車のショットもあるだろうに、もはや撮るべきあらゆるものは撮ってるんで、と言わんばかりの省略でそんなものは映らない。必要最低限のショットでじいさんのミッション劇がはじまる。
途中立ち寄ってしばし居付くことになるメキシコの未亡人一家のシークエンスがキャスティング含めて素晴らしい。この時のイーストウッドの顔がまたよくて、じんわり涙がでる。映画の中で山ほど拳銃をぶっ放してきた人と思えない老境の天使の眼差したるや。ワンショットでアップで抜かれたらおそらく泣いているだろうが監督でもある自分がそんなことするわけはない。
『許されざる者』から30年か。もういつでも遺作とか言われつつ、ひとえに「老い」と言っても3段階も4段階もあるんだなっていうグラデーションの30年。段々と立ち姿も曲がってきて、この年齢の主人公の映画が観れるのは、もうイーストウッド以外いないんだなぁって思った。

しかし一言言うと、CMはことごとくポイントを掴んでおらず、ワーナーの宣伝の人間はこの映画の何をどう観たらああいったものがつけれるのか毎回謎

ONI