「記憶と思い出」レミニセンス 9さんの映画レビュー(感想・評価)
記憶と思い出
お疲れ様です。
予告を観て 誰かの記憶だか夢の中にダイブして水の都市を彷徨って謎をとくアクションサスペンスを想像していました。
実際は近未来に水没しかけたマイアミでのラブコメセカイ系でした。
元々 難しい設定や説明のセリフは聞き流して雰囲気を楽しむ過激派なので、主演の方々の演技力に魅せられて非常に引き込まれて楽しかったです。
たぶん この映画で何をやりたかったかっていうと。テーマやメッセージとかじゃなく、終盤の過去(現在)から未来に情報を伝えるアイデアであって。この映画自体それにストーリーや設定や愛を肉付けしていったものだと思います。いや秀逸です。
一番 印象に残ったのは退役軍人の主人公が命を奪われそうになった時、元軍人ということで命拾いする(恩恵を得る)ところです。それまで過去が記憶としてしか描かれない個人的な縦のベクトルだったのが、自分の過去が経験として予期せぬ他者にも影響してしまっている横の広がりになった瞬間に感じました。
全体的になんとなく忘れる事の大切さっていうのは、嫌なことだけでなく良い体験にも当てはまるのかと。それを分かっているはずの主人公が最期にあの選択をしたのは、恋人に対する鎮魂というか あそこにお墓を立てたんだと思いました。
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