「僕は十分楽しめました」レミニセンス けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
僕は十分楽しめました
温暖化が進んで海面上昇したら都市はこんな感じになるのかしらん?ということが映像でリアルに感じられる近未来SFサスペンスアクションで、予備知識無しに素直な心で鑑賞したら僕は十分に楽しめました。映画館で観て良かったと思いました。ヒュー・ジャックマンもレベッカ・ファーガソンいずれも熱演でした。もちろんインセプションとの類似性は随所に感じましたが、インセプションほど現実と夢(記憶?)の区別がつかない感じではなく、その分わかりやすいと思いますが、インセプションを観たときほどの驚きと強い衝撃は感じませんでした。
ちなみに頭に何かをつけた状態で水槽に入って記憶の世界を旅するという表現の元ネタは1980年頃に公開された(僕はTVで観ました)、「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」というケン・ラッセル監督の変なSF映画ではないか?と本作を観ていて感じました。このおかしなSF映画は、頭に脳波測定用の皿電極を装着して、古いごみ焼却炉のような鉄製の水槽に入って、メキシコの先住民族からもらったマジックマッシュルームのエキスを飲んで、本人どころか、人類の記憶まで遡って、大変なことになる、という映画でした。
ちなみに高濃度の塩水を入れたタンクに浮いて、薬物を摂取するという、「感覚遮断実験」なるものが実際に1950-60年代にアメリカの精神神経科領域で行われていたそうで、その際に使用したものを「アイソレーション・タンク」と言ったそうです。
なお、レミニセンスは上記のおかしなSF映画に比べ娯楽性が高く、よりリアルで、何倍も面白い映画です。